(Q1)外交員の手みやげは、収入を得るための必要経費として認められますか?(Q2)商店の歳暮は、収入を得るための必要経費として認められますか?

(A1)はい。この質問は、生活保護の収入認定における必要経費について、外交員(営業職)が顧客に渡す「手みやげ代」を収入から控除できるのか、という問題です。

簡単に言い換えると、

「営業の仕事をしている人がお客さんへの訪問時に自分のお金で菓子折りなどを購入した場合、その代金を仕事に必要な経費として、給与・収入から差し引いてもらえるのでしょうか?」

という質問です。

ポイントは、生活保護では、働いて収入を得るために実際に必要となった経費について、一定の範囲で必要経費として認定できることです。

ただし、外交員の手みやげ代については、単に「営業活動のために使った」というだけで、当然に全額が必要経費として認められるわけではありません。

例えば、会社から「顧客訪問の際には一定の手みやげを持参すること」と具体的に求められており、会社からその費用が支給・精算されず、本人が負担しなければ仕事を行うことが実質的に困難である、といった事情があれば、収入を得るために必要不可欠な支出なのかを個別に検討することになります。

一方で、顧客との関係を良くするため本人の判断で任意に購入した菓子折りや贈答品などについては、一般的な交際費・贈答費という性格が強く、直ちに生活保護上の必要経費として控除できるものではありません。

したがって、判断するときには、①仕事上本当に必要だったのか、②会社から支給・精算されないのか、③本人の任意の贈答ではないか、④金額が社会通念上妥当か、⑤領収書などで実際の支出を確認できるかといった点が重要になります。

要するに、**「外交員がお客さんに渡す手みやげ代は、営業に使ったという理由だけで自動的に必要経費になるわけではなく、その支出が収入を得るために必要不可欠なものであるかを確認して、個別に判断する」**と理解すると分かりやすいです。

(A2)はい。この質問は、生活保護を受けながら商店などを自営している人が、取引先や得意客に贈る「お歳暮」の費用を、自営収入から必要経費として差し引けるのかという問題です。

簡単に言い換えると、

「商売上の付き合いで取引先にお歳暮を贈った場合、その費用を生活保護上の事業の必要経費として認めてもらえるのでしょうか?」

という質問です。

結論としては、税務上「接待交際費」になるからといって、生活保護でも当然に必要経費として認められるわけではありません。

生活保護の実施要領では、農業以外の自営収入について、店舗の家賃・地代、機械器具や店舗の修理費、原材料費、仕入代、交通費、運搬費など、**事業に必要な諸経費の「実際必要額」**を必要経費として認定するとされています。

したがって、商店のお歳暮についても、単に「昔から取引先に贈っている」「商売上の慣習だから」というだけではなく、その支出が収入を得るために実際に必要な経費といえるかを具体的に判断することになります。

例えば、得意先との取引を維持するため、その地域・業種では一定の贈答が通常行われており、金額も社会通念上必要最小限度の範囲である、といった事情があれば、必要経費として認める余地があります。一方、個人的な付き合いによる高額なお歳暮などは、事業収入を得るための必要経費とは認めにくくなります。

なお、税法上の扱いとは区別が必要です。 税務上は取引先への中元・歳暮などが「接待交際費」に該当し得ますが、生活保護の収入認定では、税務上経費になることだけで自動的に控除されるわけではありません。厚労省の税務案内でも、取引先への中元・歳暮は接待交際費の例として挙げられています。

したがって、分かりやすくまとめると、**「商店のお歳暮代は一律に必要経費として認めるものではないが、商売を継続し収入を得るために実際に必要な支出であり、金額も必要最小限度と認められる場合には、必要経費として認定できるか個別に判断する」**という考え方になります。

特にこの問題では、「税法上の交際費」と「生活保護上の必要経費」は必ずしも一致しないことが重要です。

⇓

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所