(Q3)保育児送迎のための交通費は、収入を得るための必要経費として認められますか?

(A3)はい。この質問は、生活保護を受けながら働いている親が、子どもを保育所等へ預けなければ就労できない場合、その送迎にかかる交通費を「収入を得るための必要経費」として給与収入から控除できるのか、という問題です。

簡単に言い換えると、

「仕事をするために子どもを保育所へ預けており、毎日の送迎に電車・バスなどの交通費がかかります。この送迎費を、働くために必要な経費として収入から差し引いてもらえるのでしょうか?」

という質問です。

生活保護の収入認定では、勤労収入について、社会保険料・所得税・労働組合費・通勤費等の実費を「勤労収入を得るための必要経費」として認定する仕組みがあります。

ただし、保育所への送迎交通費は本人自身の通常の通勤費とは性質が異なるため、「保育所へ送迎している」というだけで自動的に全額を必要経費として控除できるわけではありません。

重要になるのは、その送迎が就労を継続して収入を得るために必要不可欠なのか、また、その交通費が必要最小限度のものなのかという点です。

例えば、母子世帯の母Aさんが勤務するためには2歳の子どもを保育所へ預ける必要があり、

自宅 → 保育所 → 勤務先

という経路で毎日移動しなければならないとします。この場合、通常の

自宅 → 勤務先

の通勤費とは別に、保育所への送迎のため追加的な交通費が発生するのであれば、その追加費用が就労に伴って真に必要な支出であるかを確認したうえで、必要経費として認定できるかを検討することになります。

厚労省の実施要領でも、必要経費は収入の種類に応じて実際に必要な額を認定する仕組みとなっており、勤労収入については通勤費等の実費を控除するとされています。

したがって、実務上は、①保育所利用が就労のために必要か、②送迎に公共交通機関等を利用する必要があるか、③徒歩・自転車など他の合理的な方法がないか、④送迎のために実際いくら追加負担しているか、⑤勤務先等から交通費が支給されていないかなどを確認して判断することになります。

要するに、**「保育児の送迎交通費は一律に必要経費になるわけではないが、就労を継続して収入を得るために保育所への送迎が不可欠であり、そのため現実に必要最小限度の交通費が発生している場合には、勤労収入を得るための必要経費として認定できるか個別に検討する」**と理解すると分かりやすいです。

なお、この論点は、**「保育料そのものを必要経費として控除できるか」**とは別問題です。

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