(Q1)賃金改善の基準点は、どの時点を基準として設定されていますか?(Q2)賃金改善の方法にはどのようなものがありますか?
(A1)これまでのご質問の流れから、**令和6年2月~5月の「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」**における「賃金改善の基準点」として説明します。
結論からいうと、賃金改善額を計算する際には、原則として令和6年1月の賃金水準を基準として考えます。
つまり、「交付金によって実際にどれだけ給料が増えたのか」を確認するために、交付金による賃金改善を実施する前の賃金水準と比較するという考え方です。
例えば、ある職員について、
令和6年1月:基本給20万円
↓
令和6年2月:交付金を活用して20万6,000円
↓
6,000円が賃金改善分
というイメージです。
ただし、ここでいう基準は、単純に「令和6年1月に実際に支払った給与額」とだけ考えるのではなく、本交付金による賃金改善を行わなかった場合の賃金水準を基礎として、改善額を把握することが重要です。
そのため、例えば定期昇給、職員の入退職、勤務時間の変更、役職変更などがあった場合には、それらによる給与変動と、交付金による賃金改善分を区別して管理する必要があります。
また、交付金を利用して給与を引き上げた後、その引上げ分を「もともとの給与」として扱ってしまうと、実際の賃金改善額が分からなくなります。そのため、給与規程、賃金台帳、処遇改善手当の支給記録などによって、**「交付金がなければいくらだったか」「交付金によっていくら増えたか」**を説明できる状態にしておくことが重要です。
したがって、簡単にまとめると、
令和6年1月までの賃金水準(交付金による改善前)
↓ 比較
令和6年2月以降の賃金水準(交付金による改善後)
↓
その差額を賃金改善額として把握する
という考え方です。
要するに、**「賃金改善の基準点は、原則として交付金による賃上げを開始する直前、つまり令和6年1月時点の賃金水準」**と理解すると分かりやすいです。
なお、職員の入退職や定期昇給がある場合の「基準額の具体的な計算方法」は少し複雑ですので、その場合は新規採用者・退職者・昇給者ごとにどう比較するのかを分けて考える必要があります。
(A2)はい。これまでの流れから、**令和6年2月~5月の「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」**における賃金改善の方法として説明します。
賃金改善は、簡単にいうと、交付金を使って職員の給与を実際に引き上げることです。主な方法として、基本給の引上げ、毎月支払う手当の新設・増額、一時金・賞与等による支給があります。
例えば、交付金による改善前の基本給が20万円だった職員について、基本給を20万6,000円にすれば、月6,000円の基本給による賃金改善となります。また、基本給を変えずに「処遇改善手当」を毎月6,000円支給する方法も考えられます。
一方、一時金による賃金改善も認められていました。特に令和6年2月・3月については、制度開始から時間が短かったことから、給与規程の改定等が間に合わない場合などを考慮して、一時金等による対応が可能とされていました。
ただし、重要なのが令和6年4月・5月です。この期間については、交付額の3分の2以上を「基本給」または「毎月決まって支払われる手当」の引上げに充てる必要がありました。したがって、交付金の全額を一時金だけで支給する方法では要件を満たさない場合があります。
分かりやすく整理すると、
2月・3月
→ 基本給の引上げ、毎月の手当、一時金などで対応可能
4月・5月
→ 継続的な賃上げを重視し、交付額の3分の2以上を基本給または毎月決まって支払われる手当の引上げに充てる
という仕組みです。
また、賃金改善として扱うためには、交付金を通常の給与の穴埋めに使うのではなく、交付金がなければ支払っていた賃金水準から実際に増額することがポイントです。例えば、従来支給していた月5,000円の手当を単に「処遇改善手当」という名称に変更しただけでは、新たな賃金改善とはいえません。
したがって、簡潔にまとめると、**「賃金改善には、①基本給を上げる、②毎月固定的に支払う処遇改善手当等を新設・増額する、③一時金・賞与等で支給する、といった方法があります。ただし、4月・5月については基本給等による継続的な賃上げについて一定の要件がある」**と理解すると分かりやすいです。
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