(Q1)嗜好品や生活用品などの現物贈与の取り扱いについて次官通知第8-3-(2)では、主食・野菜・魚介について現物で贈与を受けた場合、農業収入または農業収入以外の事業収入の認定例により金銭換算した額を認定するとされています。では、嗜好品(酒・たばこ・茶・菓子類・珍味等)、被服、衛生用品、家具、什器、燃料などの現物贈与を受けた場合は、どのように取り扱うべきでしょうか?(Q2)子ども食堂やフードバンク等からの食料提供の取り扱いについて
主食・野菜・魚介も含む食料(嗜好品に当たるものは除く)や食事について、一時的または不定期に、社会事業団体その他が運営する子ども食堂で食事の提供を受けた場合、またはフードバンクから食料の提供を受けた場合、あるいは地域社会や親族間の関係性による慈善的・福祉的性質による食料の援助を受けた場合、これらの現物援助はどのように認定・取り扱うべきでしょうか?

(A1)はい。この質問は、生活保護の収入認定で、食料以外の品物を親族や知人などから無料でもらった場合、その品物の価値まで「収入」として金銭換算するのかという問題です。

結論

主食・野菜・魚介と、それ以外の現物贈与では取扱いが異なります。

次官通知第8-3-(2)イでは、仕送り・贈与として受けた主食・野菜・魚介については、農業収入等の認定例によって金銭換算し、収入として認定すると明確に規定されています。

一方、酒・たばこ・茶・菓子、衣類、衛生用品、家具・什器、燃料などについては、主食・野菜・魚介と同じように、使用した分を一律に金銭換算して収入認定する取扱いではありません。

簡単に言い換えると、

「親族からお米や野菜をもらった場合は金額に換算して収入認定する規定がありますが、服、家具、石けん、灯油、お菓子などをもらった場合も、その値段を調べて収入として認定するのでしょうか?」

という質問です。

食料以外の現物は「被贈与資産」として考える

局長通知では、被保護者に現物が給与された場合には、原則として**「被贈与資産」として取り扱い、処分すべきものがあれば売却させ、その売却収入を認定する**という取扱いが示されています。

ここが重要です。

例えば、親族から普段着、タオル、石けん、一般的な家具などをもらい、本人が通常の生活用品として使用する場合、その商品の市場価格を調べて「服5,000円+石けん500円=5,500円の収入」と機械的に認定する、という処理ではありません。

生活用品については、世帯人数や構成等からみて利用する必要がある家具・什器、衣類・寝具等については保有を認める取扱いになっています。

逆に、高価な物品などを贈与され、本人が生活上使用する必要性が乏しく、処分すべき資産に該当する場合には、売却等を検討し、その売却による収入を収入認定することになります。

したがって、整理すると、

主食・野菜・魚介
→ 現物でも金銭換算して収入認定する規定がある。

酒・たばこ・茶・菓子、被服、衛生用品、家具・什器、燃料など
→ 主食等と同じ方法で一律に金銭換算するのではなく、原則として被贈与資産として扱う。保有・使用を認められる通常の生活用品なら、その価格を直ちに収入認定するものではなく、処分すべき物品であれば売却させ、その収入を認定する、という整理になります。

つまり、「食料以外の現物贈与を受けたら、その小売価格をすべて収入として計上する」という取扱いではない、という点がこの質問の一番重要なところです。

厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」

(A2)はい。このケースについては、厚生労働省が子ども食堂・フードバンクについて明確な取扱いを示しています。

結論

子ども食堂で一時的・不定期に食事の提供を受けたり、フードバンクから食料の提供を受けたりした場合は、原則として生活保護上の収入として認定しなくて差し支えありません。

厚生労働省は、生活保護実施要領の問答「子ども食堂やフードバンクを利用した場合の取扱い」で、その取組の趣旨を踏まえ、原則として収入認定しないという考え方を明示しています。

簡単に言い換えると、

「生活保護世帯が、子ども食堂で無料の食事を食べたり、フードバンクから米・野菜・缶詰などを無料でもらった場合、その食料をお金に換算して、その分だけ生活保護費を減らすのでしょうか?」

という質問です。

答えは、原則として、そのような取扱いはしません。

通常、親族等から仕送り・贈与として受けた主食・野菜・魚介については、次官通知第8-3-(2)イにより、一定の方法で金銭換算して収入認定する規定があります。

しかし、子ども食堂やフードバンクは、生活困窮者や子ども等を支援するという福祉的・慈善的な目的で行われています。このため、一般的な仕送り・贈与と全く同じように扱うのではなく、厚労省は原則として収入認定しないという特別な整理をしています。

例えば、生活保護世帯が一時的に、

子ども食堂で夕食を無料で食べた
→ その食事代を金銭換算して収入認定しない

フードバンクから米・野菜・レトルト食品などを受け取った
→ 原則として、その価格を計算して収入認定しない

という取扱いになります。

厚生労働省自身も、子ども食堂・フードパントリー等について、困窮する世帯の子ども等に食事・食品・食材などを提供する生活困窮者支援等の取組として位置付けています。

地域や親族からの慈善的な食料援助は?

ここは少し注意が必要です。

厚労省の明確な問答は**「子ども食堂・フードバンク」**についてのものです。したがって、近隣住民や親族からの食料援助まで、すべて自動的に同じ扱いになるとは限りません。

特に、親族が毎月継続的に米や食料を提供しているなど、実質的に扶養・仕送りとして行われている援助であれば、次官通知第8-3-(2)イの「仕送り、贈与等による主食、野菜又は魚介」として金銭換算・収入認定が問題になります。

一方、災害時の支援、地域の福祉活動、困窮者への一時的な食料支援など、臨時的・慈善的・福祉的な性質が強い援助については、その目的・頻度・継続性・援助者との関係などを確認して、収入認定しない取扱いに該当するかを個別に検討することになります。次官通知も、社会事業団体等から臨時的に恵与された慈善的性質の金銭で、社会通念上収入認定することが適当でないものについて、収入認定除外を定めています。

なお、子ども食堂・フードバンクを利用している場合でも、保護費を生活保護の趣旨・目的に反する用途に使用した結果、過度にフードバンクを利用しているなど、家計管理が困難な世帯については、福祉事務所が適切な家計管理について助言・指導することとされています。

したがって、一番分かりやすく整理すると、**「子ども食堂やフードバンクから福祉的・慈善的な目的で受ける食事・食料は、米や野菜などが含まれていても原則として収入認定しない。一方、親族等から継続的に受ける食料援助は通常の仕送り・贈与に当たる可能性があるため、援助の目的・頻度・継続性などを確認して個別に判断する」**ということです。

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