(Q)自立更生のための用途に供される額の認定は、どのような基準によるべきですか。

(A)はい。この質問は、生活保護受給者が受け取った恵与金・保険金・補償金などを、自立更生のために使用する場合、いくらまで収入認定から除外できるのか、その判断基準は何かという質問です。

① 結論

自立更生のための用途に充てる金額は、本人の希望だけで決めるのではなく、自立更生に必要な経費として社会通念上妥当と認められる額を基準に判断します。

つまり、福祉事務所は、使い道や必要性を確認し、一般世帯との均衡を考慮したうえで、必要最小限度の額を認定することになります。

② どのような基準で判断するのですか?

主に次の点が重要です。

判断基準内容
① 自立更生の必要性就労、資格取得、生業の開始など、自立につながる支出であるか
② 使用目的の具体性何のために、いくら使うのかが明確であるか
③ 金額の妥当性一般世帯との均衡を考え、必要以上に高額ではないか
④ 実現可能性計画が現実的で、実行できる見込みがあるか
⑤ 他制度との関係他の給付制度などで費用が賄われていないか

特に重要なのは、自立更生のために必要だからといって、希望する金額がすべて認められるわけではないということです。

③ 具体例

例えば、生活保護を受けているAさんが、親族から就職準備のために50万円を贈与されたとします。

Aさんは、その50万円を使ってパソコンや資格取得に必要な教材を購入したいと考えています。

福祉事務所が必要性を確認した結果、次のように判断したとします。

費用の内容希望額必要と認められた額
就職に必要なパソコン30万円15万円
資格取得の受講料15万円15万円
教材費5万円3万円
合計50万円33万円

この場合、33万円が自立更生のために必要な経費として認められれば、その範囲で収入認定から除外することが考えられます。

一方、残りの17万円については、原則として収入認定の対象となります。

※金額は説明のための仮定です。

④ 注意点

ここで注意したいのは、「自立更生に必要な経費」と「生活保護費で支給される経費」は、必ずしも同じではないということです。

例えば、資格取得費用が生活保護の生業扶助で支給される場合には、同じ費用について重複して認めることがないよう確認する必要があります。

また、恵与金等の性質によっては、そもそも収入認定除外の対象にならない場合もあります。

そのため、まず金銭の性質を確認し、そのうえで必要経費の額を判断することが重要です。

⑤ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

自立更生のための用途に供される額は、被保護者の自立更生に必要な経費について、一般世帯との均衡を考慮し、社会通念上妥当と認められる必要最小限度の額を基準として認定します。

つまり、「自立更生に必要か」「金額は妥当か」「必要最小限度か」という3つの視点で判断するということです。

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