(Q1)旧3加算および令和6年2月からの交付金について、支給時期を変更する場合、新加算の支給時期はどのように取り扱えばよいですか。(Q2)旧3加算と交付金で支給時期が異なる場合、新加算への移行に際して支給時期を統一することはできますか。できる場合、どのような取扱いとなりますか。

(A1)はい。令和6年6月に旧3加算と交付金から新加算へ移行する際、職員への賃金改善の支給時期を変更することは可能です。

ただし、変更方法によって「重複期間」や「空白期間」が発生するため、それぞれの取扱いに注意が必要です。

厚生労働省の「福祉・介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(問1-8-2)」に基づいて、分かりやすく説明します。

① 結論

旧3加算や令和6年2月からの交付金と、新加算の支給時期は、必ずしも同じにする必要はありません。

例えば、次のような変更が認められています。

変更前の支給方法新加算の支給方法取扱い
2か月遅れ当月払い可能
2か月遅れ1か月遅れ可能
1か月遅れ当月払い可能
当月払い2か月遅れ可能
当月払い1か月遅れ可能

ただし、支給時期を変更しても、必要な賃金改善額を減らすことはできません。

② パターン①:2か月遅れから当月払いに変更する場合

例えば、就労継続支援A型事業所で、旧3加算を2か月遅れで支給していたとします。

令和6年6月から新加算に移行し、当月払いへ変更する場合です。

支給月旧3加算による賃金改善新加算による賃金改善
令和6年4月2月分なし
5月3月分なし
6月4月分6月分
7月5月分7月分
8月なし8月分

この場合、6月と7月には、旧3加算と新加算の賃金改善が重なります。

これを**「重複期間」**といいます。

重複期間は認められるのでしょうか?

はい。認められます。

ただし、旧3加算と新加算を合わせた必要額以上の賃金改善を実施する必要があります。

例えば、6月に次の賃金改善を行う場合です。

  • 旧3加算の4月分:10万円
  • 新加算の6月分:15万円

この場合、6月には合計25万円の賃金改善が必要になります。

なお、重複期間だけ基本給を大きく引き上げることが難しい場合、旧3加算分を一時金として支給する方法も認められています。

③ パターン②:当月払いから2か月遅れに変更する場合

次に、旧3加算を当月払いで支給していた事業所が、新加算では2か月遅れに変更する場合です。

支給月旧3加算による賃金改善新加算による賃金改善
令和6年4月4月分なし
5月5月分なし
6月なしなし
7月なしなし
8月なし6月分
9月なし7月分

この場合、6月と7月には、旧3加算も新加算も支給されません。

これを**「空白期間」**といいます。

空白期間があってもよいのでしょうか?

はい。加算の配分方法としては認められています。

ただし、旧3加算と新加算のそれぞれについて、加算額以上の賃金改善を実施するという要件を満たす必要があります。

また、月額賃金改善要件や賃金規程、労働契約上の支払義務は別途守らなければなりません。

つまり、空白期間が認められるからといって、既に支給することになっている基本給や手当を自由に停止できるわけではありません。

④ 旧3加算と交付金の支給時期が異なる場合

例えば、次のような事業所です。

  • 旧3加算:2か月遅れで支給
  • 令和6年2月からの交付金:当月払いで支給
  • 新加算:1か月遅れに統一したい

このように、旧3加算と交付金の支給時期が異なっていても、新加算への移行時に支給時期を統一することは可能です。

ただし、それぞれの制度について、必要な賃金改善が行われているかを確認しなければなりません。

旧3加算・交付金・新加算の支給対象期間と支給額を区別して管理することが重要です。

⑤ 支給時期を変更する際の注意点

実務上は、次の4点を確認してください。

① 賃金改善額が不足しないこと

旧3加算、交付金、新加算について、それぞれ必要な賃金改善額を確保します。

② 二重計上をしないこと

同じ賃金改善額を、複数の制度の実績として重複計上することはできません。

③ 職員への説明を行うこと

支給時期の変更について職員へ説明し、必要に応じて給与規程や労働契約を確認します。

④ 計画書・実績報告書との整合性を確保すること

支給対象月、支給月、支給額が分かる資料を保存しておきます。

⑥ まとめ

令和6年6月の新加算への移行に伴い、旧3加算や交付金の支給時期を変更することは認められています。

重要なのは、次の2つです。

【重複期間が発生する場合】

旧3加算と新加算の両方について、必要な賃金改善を行います。重複期間の賃金改善には、一時金を活用することも可能です。

【空白期間が発生する場合】

旧3加算と新加算のそれぞれについて必要な賃金改善額を確保していれば、加算の配分方法として認められます。

したがって、支給時期の変更自体は可能ですが、旧制度と新制度の賃金改善額を正しく管理することが必要です。

なお、これは令和6年6月の制度移行時に関する取扱いです。

参考資料: 福祉・介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(令和6年7月9日・問1-8-2)

(A2)はい。旧3加算と令和6年2月からの交付金で、職員への賃金改善の支給時期が異なっていた場合でも、令和6年6月の新加算への移行に合わせて、支給時期を統一することは可能です。

具体例を交えて、分かりやすく説明します。

① 結論

旧3加算と交付金で支給時期が異なっていても、新加算では、事業所が支給時期を統一することができます。

例えば、次のような変更です。

制度これまでの支給時期新加算への移行後
旧3加算2か月遅れ7月支給(1か月遅れ)に統一
令和6年2月からの交付金当月払い7月支給(1か月遅れ)に統一
新加算令和6年6月から開始1か月遅れで支給

このような取扱いは可能です。

② 具体例

就労継続支援A型事業所で、次のように支給していたとします。

  • 旧3加算:2か月遅れで支給
  • 交付金:当月払いで支給
  • 新加算:1か月遅れで支給

この場合、支給時期は次のようになります。

支給月旧3加算交付金新加算
令和6年4月2月分4月分なし
5月3月分5月分なし
6月4月分なしなし
7月5月分なし6月分
8月なしなし7月分

この例では、6月に交付金の支給がなくなり、7月には旧3加算の5月分と新加算の6月分が重なります。

ただし、これはあくまで支給時期を説明するための例です。実際には、交付金の対象期間や賃金改善の実施状況も確認する必要があります。

③ 支給時期を統一する場合の取扱い

1.旧3加算と交付金は、それぞれ必要な賃金改善を実施する

新加算に移行したからといって、旧3加算や交付金で実施すべき賃金改善が免除されるわけではありません。

2.新加算の支給時期は事業所で設定できる

新加算については、当月払い、翌月払い、翌々月払いなど、事業所の給与支給方法に応じて設定できます。

3.支給時期の変更に伴う重複や空白は認められる

旧制度と新制度の支給時期が重なる場合や、支給のない月が生じる場合があります。

ただし、それぞれの制度で必要な賃金改善額を確保することが前提です。

4.同じ賃金改善額を二重計上しない

旧3加算、交付金、新加算の賃金改善額を区別して管理する必要があります。

④ 注意点

支給時期を統一する際には、特に次の点に注意してください。

  • 職員への説明: 支給時期を変更する理由や、新しい支給日を説明します。
  • 給与規程の確認: 必要に応じて就業規則や賃金規程を変更します。
  • 月額賃金改善要件: 新加算で必要となる月額賃金改善要件を満たします。
  • 実績報告: 旧3加算、交付金、新加算について、必要な賃金改善額が確保されていることを確認します。

⑤ まとめ

旧3加算と交付金の支給時期が異なっていても、新加算への移行に際して支給時期を統一することは可能です。

例えば、旧3加算が2か月遅れ、交付金が当月払いであっても、新加算では翌月払いに統一できます。

ただし、支給時期を変更したことによって、旧3加算や交付金の賃金改善額が不足したり、同じ賃金改善額を二重計上したりしないよう注意が必要です。

重要なのは、支給時期を統一すること自体ではなく、各制度で必要な賃金改善を確実に実施することです。

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