(Q)命改を2か月遅れで行っている事業所が廃止になった場合、最終月の支払いで3か月分の賃金改定を行う必要がありますか?
(A)① 結論
処遇改善加算による賃金改善を2か月遅れで行っている事業所が廃止になる場合、最終月に未払いとなっている賃金改善分を精算する必要があります。
ただし、必ず最終月の給与で3か月分をまとめて支給しなければならない、というわけではありません。
重要なのは、事業所の廃止によって、職員に支払うべき処遇改善手当が未払いのまま残らないようにすることです。
② 具体例
例えば、就労継続支援A型事業所が令和6年8月末に廃止される場合を考えます。
この事業所では、処遇改善手当を2か月遅れで支給しているとします。
| 支給月 | 処遇改善手当の対象月 |
|---|---|
| 6月 | 4月分 |
| 7月 | 5月分 |
| 8月 | 6月分 |
| 9月 | 7月分 |
| 10月 | 8月分 |
この場合、8月末に事業所が廃止されても、7月分と8月分の賃金改善が残っています。
したがって、7月分と8月分についても、職員への賃金改善を確実に実施する必要があります。
③ 最終月に3か月分を支払う必要があるのか?
例えば、毎月の処遇改善手当が職員1人当たり1万円だった場合です。
8月末で事業所を廃止する際、次の3か月分が問題になります。
- 6月分:1万円
- 7月分:1万円
- 8月分:1万円
合計3万円です。
この3万円について、8月の最終給与でまとめて支給する方法は考えられます。
しかし、必ず8月中に3万円をまとめて支給することが制度上の唯一の方法というわけではありません。
廃止後に支給する場合でも、給与規程や労働関係法令に従い、必要な賃金改善を実施することが重要です。
④ 注意点
① 加算額以上の賃金改善を行うこと
事業所の廃止によって、処遇改善加算に係る賃金改善義務がなくなるわけではありません。
② 未払い分を明確にすること
何月分の処遇改善手当が支給済みで、何月分が未払いなのかを確認します。
③ 退職する職員への支払いに注意すること
事業所の廃止に伴って職員が退職する場合、賃金の支払時期について労働基準法上の規定にも注意が必要です。
特に、退職者から賃金の支払いを請求された場合には、労働基準法第23条により、原則として請求から7日以内に支払う必要があります。
④ 実績報告を適切に行うこと
事業所廃止後も、処遇改善加算について必要な実績報告を行い、賃金改善額を確認できるようにします。
⑤ まとめ
賃金改善を2か月遅れで行っている事業所が廃止される場合、未払いの賃金改善分を精算する必要があります。
例えば、8月末に廃止する場合、6月・7月・8月分の処遇改善手当について、支給状況を確認します。
ただし、最終月に必ず3か月分をまとめて支給する必要があるとは限りません。
廃止後に支給する方法も考えられますが、賃金改善の実施期間、給与規程、労働基準法などを踏まえて適切に対応する必要があります。
実務上は、事業所廃止前に指定権者へ支給方法と実績報告の取扱いを確認することをおすすめします。
⇓