(Q)保護の申請があった場合、当該世帯の1か月の最低生活費と収入を比較して要保護世帯と判断される場合でも、世帯に資産(例:山林など)がある場合は、その資産の処分を指導する必要がありますか?ただし、資産の処分が直ちに困難な場合、どのような対応が適切でしょうか?たとえば、資産処分が完了するまでの間、保護を決定することは可能ですか?

(A)はい。生活保護では、収入だけでなく資産の活用が原則です。

根拠は、生活保護法第4条にあり、「利用できる資産は最低限度の生活の維持のために活用しなければならない」とされています。

① 山林などの資産がある場合

申請者の収入が最低生活費を下回っていても、山林や土地などの資産がある場合は、福祉事務所は原則として

  • 売却できるか
  • 貸し出して収益化できるか
  • 換価価値があるか

を調査し、活用を指導します。

② すぐに売れない場合

しかし、山林などは買い手が見つからず、すぐに処分できないことが多くあります。

このような場合、

  • 「売却活動を行うこと」
  • 「不動産業者へ依頼すること」
  • 「売却広告を出すこと」

などを条件として、保護を開始することがあります。

③ 保護決定は可能か?

可能です。

資産の処分に時間がかかるため生活に困窮している場合は、

「当面の生活に必要な保護を実施しながら資産処分を進める」

という取扱いが認められています。

例えば、

  • 山林の査定を依頼している
  • 不動産会社に売却を依頼している
  • 売却活動を行っている

などの場合には、保護開始後も処分状況を確認しながら支給を継続することがあります。

④ 売却後はどうなる?

後日、山林が売れて売却代金を取得した場合は、

  • そのお金を今後の生活費に充てるよう指導される
  • 保護が停止・廃止になることがある

という流れになります。

実務上のポイント

行政書士として相談を受ける場合は、

「資産がある=即不保護」

ではありません。

むしろ、

  • 資産の評価額
  • 売却可能性
  • 処分に要する期間
  • 現在の生活困窮状況

を総合的に判断します。

そのため、山林や原野など換価が難しい資産しか持っていない方については、

「売却活動を行うことを前提に生活保護を開始し、売却後に精算を検討する」

という取扱いが実務上は少なくありません。

特に山間部の山林や共有持分のみの土地など、市場価値が低く売却が極めて困難な資産については、直ちに保護を受けられない理由にはならないことがあります。

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