(Q)私は余命が短いため、遺言書を作成しようと考えています。
遺言の内容としては、
- 交際相手との間に生まれた子どもを認知すること
- 妻に自宅を相続させること
- 妻の子どもには預金1,000万円を相続させること
- 交際相手には預金2,000万円を相続させること
を希望しています。
この遺言は、私の死後どのような手続きによって実現されるのでしょうか?
(A)ご相談の内容の遺言書を作成された場合、あなたが亡くなられた後は、遺言書に基づいて次のような手続きが進みます。
1.遺言書の確認と検認手続き
自筆証書遺言の場合、まず家庭裁判所で「検認」という手続が行われます。
※公正証書遺言であれば検認は不要です。
2.遺言執行者による手続き
遺言の内容を実現するためには、遺言執行者を指定しておくとスムーズです。
遺言執行者は、以下の手続きを行います。
3.認知の手続き
「交際相手との間の子どもの認知」については、
遺言執行者が市区町村へ認知の届け出を行います。
→ 認知により、そのお子様は法律上の相続人となります。
4.不動産(自宅)の名義変更
遺言執行者が法務局で必要書類を整え、
奥様名義へ不動産の登記を変更します。
5.預金の相続手続き
各金融機関で、遺言書にもとづき
・妻の子どもへ 1,000万円
・交際相手へ 2,000万円
を払い渡す手続きを行います。
■遺留分(いりゅうぶん)への注意
奥様や認知されたお子様には「遺留分」という最低限保障される取り分があります。
交際相手に2,000万円を遺贈する内容が遺留分を侵害する場合、
奥様やお子様から遺留分侵害額請求がされる可能性があります。
事前にバランスを検討することが大切です。
■円滑に実現するためのポイント
| 項目 | 推奨内容 |
|---|---|
| 遺言の形式 | 公正証書遺言にする |
| 遺言執行者 | 専門家(行政書士・弁護士など)を指定 |
| 財産の確認 | 財産一覧を遺言書と別に作成 |
| 相続人への配慮 | 説明・遺留分への考慮を行う |
■まとめ
あなたが亡くなられた後は、遺言内容をもとに
家庭裁判所の手続 → 遺言執行者の実務 → 名義変更・払戻し
という流れで遺言が実現されます。
特に、認知や複数の受遺者を含むため、
専門家の関与と公正証書遺言の作成が望ましいといえます。