(Q1)利用者に対する集中的支援を実施する場合、具体的にはどの時期にその支援を求めることになりますか?(Q2)集中的支援の実施時期は、どのように決定されていますか?

(A1)「集中的支援」を求めるのは、強度行動障害のある利用者の状態が悪化し、現在の事業所の通常の支援だけでは、サービス利用や生活の維持が難しくなってきた時期です。

単に「行動関連項目が10点以上だから、すぐに利用する」という制度ではありません。自傷・他害などが非常に激しくなり、支援が行き詰まりつつある場面で利用する、短期間の専門的支援です。

具体的には、どのような状態のときか

例えば、次のような状況が想定されます。

  • 自傷や他害、物を壊す行動などが急に増えた
  • 睡眠や食事などの生活リズムが大きく崩れた
  • 通所やグループホームでの生活を続けることが難しくなった
  • 職員がさまざまな支援方法を試しても、状態が改善しない
  • 職員が目の前の対応に追われ、支援を振り返る余裕がなくなっている
  • 職員や家族が疲弊し、現在の支援体制では対応を続けることが難しい
  • 事業所から利用継続が難しいと言われる可能性が出てきた
  • 在宅生活が限界に近づき、緊急入所や入院が必要になりそうである

厚生労働省は、対象者を「本人や周囲に影響を及ぼす行動が非常に激しくなり、現在の障害福祉サービスの利用や生活を維持することが難しくなった人」としています。

完全に支援が破綻するまで待つ必要はありません

集中的支援は、支援が完全に破綻した後だけに利用するものではありません。

たとえば、退所や入院が決定してからではなく、次のような悪化の兆候が明らかになった段階で、早めに相談することが重要です。

「このままでは現在の生活を続けられない可能性が高い」
「通常の支援だけでは改善が難しい」
「外部の専門家による評価や助言が必要である」

こうした状態になった時点で、事業所、相談支援専門員、市町村などが集中的支援の必要性を検討します。市町村には、状態が悪化した利用者について、事業所と連携して集中的支援を検討し、都道府県等に実施を依頼する役割があります。

支援を求める手続の流れ

通常は、次のように進みます。

  1. 事業所が状態の悪化を把握する
  2. 相談支援専門員や家族などと対応を検討する
  3. 事業所が、利用者の支給決定を行っている市町村に実施を申請する
  4. 市町村が、対象基準と支援の必要性を確認する
  5. 市町村が都道府県等に集中的支援を依頼する
  6. 都道府県等が「広域的支援人材」を選び、訪問やオンラインによる専門的支援を開始する

計画相談支援を利用している場合は、相談支援専門員と十分に連携し、サービス担当者会議で検討することが望ましいとされています。

在宅で生活している人については、家族から市町村に申請することもできます。また、市町村が支援の必要な在宅者を把握した場合には、申請を待たず、基幹相談支援センターなどと連携して対応することも示されています。

対象となる点数の基準

集中的支援の対象になるには、原則として次の基準も確認されます。

  • 成人:障害支援区分認定調査の行動関連項目10点以上
  • 障害児:強度行動障害判定表の20点以上

成人の場合は、障害支援区分そのものは問われません。ただし、点数を満たしているだけで自動的に利用できるわけではなく、状態が悪化し、集中的支援が必要かどうかを市町村が事業所等と検討します。

支援が行われる期間

集中的支援は、長期間ずっと続ける支援ではなく、原則として3か月以内の短期集中型の支援です。

広域的支援人材が本人の障害特性や生活環境を評価し、事業所と一緒に、

  • 行動が起きる原因や背景の整理
  • 支援方法の見直し
  • 居室や日課などの環境調整
  • 職員間で統一した対応方法の作成
  • 集中的支援終了後も継続できる支援体制づくり

などを行います。

まとめ

集中的支援を求める時期は、

強度行動障害の状態が悪化し、現在の通常支援だけでは、利用者の生活やサービス利用を維持することが難しくなってきた時点

です。

完全に退所・入院・在宅生活の破綻に至るまで待つのではなく、「このままでは生活の継続が難しい」と判断された段階で、事業所や相談支援専門員を通じて市町村に相談することが適切です。

(A2)わかりやすく言うと、集中的支援をいつ始めるかは、あらかじめ日程が決まっているわけではありません。

利用者の状態を見て、「今、専門的な支援が必要だ」と判断された時点で実施することになります。

具体的には、次の流れで決まります。

  1. 利用者の状態が悪化する
    • 自傷や他害が増えた
    • 支援が難しくなった
    • 現在の生活を続けることが困難になりそう
  2. 事業所や相談支援専門員、市町村が話し合う
    • 「通常の支援だけでは改善が難しい」
    • 「専門家による集中的支援が必要」と判断します。
  3. 市町村が実施を決定する
    • 必要性を確認したうえで、都道府県等に支援を依頼します。
  4. 広域的支援人材による集中的支援が開始される
    • 専門家が事業所や家庭を訪問し、支援方法の見直しや助言を行います。

支援期間は?

集中的支援は、原則として3か月以内の短期間で実施されます。

この期間に、

  • 利用者の状態を評価する
  • 支援方法を見直す
  • 職員へ助言・指導を行う
  • 支援体制を整える

ことを目的としています。

わかりやすくまとめると

集中的支援の実施時期は、

利用者の状態が悪化し、「通常の支援だけでは対応が難しい」と市町村などが判断した時点で開始されます。

つまり、「毎年○月に実施する」と決まっている制度ではなく、利用者一人ひとりの状態に応じて必要なタイミングで実施される支援です。

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