(Q1)専門的支援実施加算とは何ですか?(Q2)専門的支援実施加算を受けるための要件は何ですか?

(A1)はい。専門的支援実施加算とは、児童発達支援や放課後等デイサービスで、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの専門職が、児童一人ひとりの状態を評価したうえで、専門的支援実施計画を作成し、その計画に基づいて個別・集中的な専門支援を行った場合に算定できる加算です。

令和6年度報酬改定で、それまでの「専門的支援加算」と「特別支援加算」が見直され、「専門的支援体制加算」と「専門的支援実施加算」の2段階で評価する仕組みになりました。

どんな支援をすると算定できるのか

例えば、言葉の発達に課題のある児童について、

言語聴覚士(ST)がアセスメント
→ 個別支援計画を踏まえて専門的支援実施計画を作成
→ 言語・コミュニケーション領域を重点的に支援
→ 30分以上の専門的支援を実施
→ 実施内容を記録

というような場合です。

対象となる専門職には、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)、心理担当職員、視覚障害児支援担当職員、一定の経験を有する保育士・児童指導員等が含まれます。

また、支援内容は「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」という5領域のうち、特定または複数の領域に重点を置いた専門的支援として計画します。

主な算定要件

特に重要なのは、①個別支援計画を踏まえて専門職がアセスメントを行う、②専門的支援実施計画を作成する、③児童・保護者に計画を説明して同意を得る、④原則として個別支援を基本に30分以上の専門的支援を行う、⑤実施状況を把握して必要に応じて計画を見直す、⑥児童ごとの支援記録を残す、という点です。

なお、個別支援が基本ですが、児童のニーズに応じた支援が確保されていれば、一定の条件で5名程度までの小集団による専門的支援も認められています。

単位数と月の上限

専門的支援実施加算は150単位/回です。ただし、何回でも算定できるわけではなく、児童の月の利用日数によって上限が変わります。

サービス月の利用日数算定上限
児童発達支援12日未満月4回
児童発達支援12日以上月6回
放課後等デイサービス6日未満月2回
放課後等デイサービス6日以上12日未満月4回
放課後等デイサービス12日以上月6回

例えば、放課後等デイサービスを月10日利用している児童なら、要件を満たした専門的支援について月4回まで、1回150単位を算定できます。

「専門的支援体制加算」との違い

ここは混同しやすいところです。

専門的支援体制加算は「専門職を基準人員に加えて配置している体制」を評価するものです。

一方、専門的支援実施加算は「専門職が児童を評価し、計画を作り、実際に個別・集中的な専門支援を行った実績」を評価します。

そして、この2つは併算定が可能です。

したがって、専門的支援実施加算を一言でいうと、**「専門職がいるだけでもらえる加算ではなく、その専門性を使って児童ごとの計画を作成し、30分以上の専門的支援を実際に行い、記録まで残したことを150単位/回で評価する加算」**と理解すると分かりやすいです。

制度資料や最新のQ&Aは、こども家庭庁「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定」で確認できます。

(A2)はい。専門的支援実施加算を算定するためには、単に理学療法士などの専門職が在籍しているだけでは足りず、専門職によるアセスメント→専門的支援実施計画の作成→その計画に基づく支援の実施という流れが必要です。こども家庭庁も、個別支援計画を踏まえ、理学療法士等によるアセスメントに基づいて専門的支援実施計画を作成することを要件として示しています。

具体的には、まず児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する児童について、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員、視覚障害児支援担当職員などの専門職が、その児童の状態や課題を専門的に評価することが必要です。

そのうえで、個別支援計画の内容を踏まえて、「何を目的に、どのような専門的支援を、どの程度実施するのか」などを定めた専門的支援実施計画を作成します。単に「今日は言語訓練をしました」というだけではなく、事前に専門的な評価と計画が必要ということです。

そして、実際の支援についても、専門職が専門性を活かして実施し、実施した日時、支援内容、児童の反応や評価などを記録しておくことが重要です。

イメージとしては、

①児童の課題を専門職が評価
→ ②個別支援計画を踏まえて専門的支援実施計画を作成
→ ③専門職が計画に基づいて支援
→ ④実施内容を記録
→ ⑤必要に応じて評価・計画を見直す

という流れです。

例えば、放課後等デイサービスを利用する児童に「発音・コミュニケーション面の課題」がある場合、言語聴覚士がアセスメントを行い、専門的支援実施計画に「発語・コミュニケーション能力の向上」などの目標と具体的支援方法を定め、その計画に基づいて個別・集中的な専門支援を行えば、加算の対象となり得ます。

逆に、専門職がいるだけ、計画を作っただけ、日常的な集団支援に専門職が参加しただけでは、必ずしも算定要件を満たしません。あくまで、児童ごとに専門的支援の必要性を判断し、計画に基づいて実際に専門的支援を実施していることがポイントです。

なお、令和8年度(2026年度)にも障害児支援の報酬改定が行われていますので、実際に請求する際は最新の告示・留意事項・Q&Aも確認する必要があります。こども家庭庁は令和8年度改定資料とQ&Aを公表しています。

簡単にまとめると、「専門職がいる」だけではなく、「専門職が評価し、児童ごとの専門的支援計画を作り、その計画に基づいて実際に専門支援を行い、記録を残す」ことが専門的支援実施加算の基本要件です。

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