(Q1)認知症対応型共同生活介護を行う施設等に入居した場合、最低生活費の認定方法はどのように定められていますか?(Q2)夫婦の一方または双方が、それぞれ別々に認知症対応型共同生活介護施設等に入居した場合、生計の同一性や夫婦としての交流が継続されている場合の最低生活費の認定はどのように行われますか?
(A1)認知症対応型共同生活介護、いわゆる認知症グループホームに入居した場合の最低生活費は、一般の自宅生活とは少し異なる考え方で認定します。
厚生労働省の生活保護問答・第7の89では、夫婦の一方または双方が、別々に認知症対応型共同生活介護を行う施設等に入居した場合の取扱いが示されています。ポイントは次のとおりです。
まず、夫婦が別々の場所で生活することになっても、生計の同一性が続いている、または夫婦として一定の交流が継続している場合は、原則として同一世帯のまま認定します。つまり、「別々のグループホームに入った=自動的に別世帯」ではありません。
ただし、最低生活費のうち一般生活費については、それぞれの入居者ごとに計上して差し支えないとされています。さらに、生活扶助基準の第2類費については、他の世帯員とは別に、それぞれ1人世帯に適用される額を計上します。
例えば、夫が認知症グループホームA、妻が認知症グループホームBにそれぞれ入居していて、夫婦関係や生計のつながりが継続しているケースでは、
世帯としては夫婦2人の同一世帯のまま
としつつ、
夫には夫の一般生活費、妻には妻の一般生活費をそれぞれ認定する
という形になります。
また、住宅費についても、それぞれについて住宅扶助基準額の範囲内で必要な額を認定して差し支えないとされています。つまり、夫婦がそれぞれ別のグループホームに入居して家賃相当額を負担している場合には、1世帯だから住宅扶助を1か所分しか認定できない、という扱いにはなりません。
認知症対応型共同生活介護は、認知症の人が5~9人程度の少人数で共同生活しながら、食事・入浴等の日常生活支援や機能訓練などを受ける介護保険上の地域密着型サービスです。家賃のほか、食材料費や日常生活費などが別途必要になることがあります。
なお、「認知症対応型共同生活介護を行う施設等」の「等」には、一定の条件を満たす**有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、障害者の共同生活援助(グループホーム)**なども含まれる取扱いがあります。具体的には、昼夜を通じた支援体制、法令遵守、医療機関等との連携体制などが整っていることが条件とされています。
簡単にまとめると、
「認知症グループホーム等に入居しても、夫婦の生計や交流が続いていれば同一世帯として扱う。ただし、一般生活費はそれぞれに認定し、第2類費もそれぞれ1人世帯相当額を計上できる。住宅費についても、それぞれ住宅扶助基準額の範囲内で必要額を認定できる」
という取扱いです。
(A2)はい。この場合は、夫婦が物理的には別々の場所で生活していても、生計の同一性や夫婦としての交流が続いているなら、原則として「同一世帯」のまま認定します。 厚生労働省の現行の「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第7・問89に明示されています。
ただし、最低生活費まで単純に「2人世帯」として一括計算するわけではありません。認定方法は次のようになります。
- 世帯認定:夫婦としては引き続き同一世帯
- 一般生活費:夫・妻それぞれに個別に計上してよい
- 第2類費:それぞれについて、他の世帯員とは別に1人世帯に適用される額を計上
- 住宅費:それぞれの入居先について、住宅扶助基準額の範囲内で必要な額を認定してよい
例えば、夫が認知症グループホームAに入居し、妻が別の認知症グループホームBに入居しているとします。夫婦間で連絡や面会があり、生計上も夫婦としての関係が続いているのであれば、「夫1世帯・妻1世帯」と完全に分けるのではなく、夫婦2人を同一世帯として扱います。
その一方で、実際の生活場所は別々ですから、
夫 → 夫自身の一般生活費+1人世帯相当の第2類費+A施設の必要な住宅費
妻 → 妻自身の一般生活費+1人世帯相当の第2類費+B施設の必要な住宅費
というように、それぞれの生活実態に応じて最低生活費を認定できます。
ここで重要なのは、「同一世帯として認定すること」と「最低生活費をすべて2人世帯基準でまとめて計算すること」は別問題だという点です。
厚労省は、別々の認知症対応型共同生活介護施設等で生活しているという実態を考慮して、同一世帯であっても、一般生活費や第2類費、住宅費についてはそれぞれ個別に認定できる仕組みにしています。
したがって、簡単にまとめると、**「生計の同一性または夫婦としての一定の交流が続いていれば夫婦は同一世帯。ただし、実際には別々の施設で暮らしているため、一般生活費は各人に、第2類費は各人それぞれ1人世帯額を、住宅費も各入居先について基準額の範囲内で認定する」**という取扱いです。
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