(Q1)豪雪地帯における雪下ろし等の費用は、一般住宅維持費とは別枠で取り扱う必要があるとされていますが、その理由は何ですか?(Q2)雪下ろし等の費用と一般住宅維持費のいずれか一方に基準額の残額がある場合、その残額を他方に加えて計上することは認められますか?

(A1)豪雪地帯での雪囲い・雪下ろし等の費用を、通常の住宅維持費とは別枠で扱う理由は、豪雪地帯ではこれらの作業が「通常の家屋修理」とは性質が異なり、毎年の積雪によって家屋の損壊を防ぐために季節的・反復的に必要になる特別な費用だからです。

厚生労働省の局長通知第7の4の(2)では、通常の住宅維持費について、畳・建具・水道設備・配電設備などの修理や家屋の補修に必要な費用を対象としています。一方、豪雪地帯については、雪囲い・雪下ろし等をしなければ家屋が損壊するおそれがある場合、その費用を「一冬期間につき」住宅維持費の基準額の範囲内で、特別基準として別途認定してよいとされています。

つまり、普通の住宅維持費をすでに家屋修理などに使っていたとしても、

「今年は住宅維持費を使い切ったので、雪下ろし代は出せません」

としてしまうと、豪雪によって屋根や家屋が損壊し、最低生活そのものが維持できなくなるおそれがあります。そのため、通常の修理費とは切り離して、豪雪地帯特有の必要経費として認める仕組みになっています。

たとえば、豪雪地帯に住む高齢者が、春に水道設備の修理で通常の住宅維持費を利用していたとします。その冬に大量の積雪があり、雪下ろしをしなければ屋根が損壊する危険が生じた場合、春に住宅維持費を利用していたことだけを理由に雪下ろし費用を認めないのではなく、雪下ろし分について別途、特別基準として必要額を認定できるという考え方です。

なお、似ていますが、「雪下ろし」と「通路確保のための除雪」は別制度です。現行通知では、豪雪地帯で本人・親族・地域の支援では日常生活に必要な通路や避難路の除排雪が困難な場合には、「除雪費」として冬季加算認定期間ごとに一定額の範囲で認定する規定があります。一方、家屋の損壊防止のための雪囲い・雪下ろし等は住宅維持費の特別基準として扱います。

したがって、わかりやすくまとめると、**「豪雪地帯の雪下ろし等は、通常の修理とは違い、家屋を積雪から守るため毎冬必要になり得る特有の費用なので、通常の住宅維持費を圧迫して必要な修理や雪下ろしができなくならないよう、別枠の特別基準として扱う」**というのが理由です。

(A2)いいえ。雪下ろし等の費用と一般の住宅維持費は「別枠」で扱うため、一方に基準額の残額があっても、その残額を他方に移して上乗せすることは認められません。

厚生労働省の生活保護問答集・問7-121では、この点が明確に整理されています。豪雪地帯の雪下ろし等の費用は、一般の住宅維持費とは別に、豪雪地帯で特別に必要となる費用として設けられた制度です。そのため、両者の限度額は相互に流用できません。

たとえば、一般住宅維持費の基準額に5万円の残額があり、雪下ろし費用の枠をすでに使い切っていたとしても、その5万円を雪下ろし費用に上乗せすることはできません。 逆に、雪下ろし費用の枠に残額があっても、それを通常の家屋修理費へ回すこともできません。

また、豪雪地帯の雪囲い・雪下ろし等については、局長通知第7の4の(2)のエにより、一冬期間につき、住宅維持費の基準額の範囲内で特別基準として必要額を認定できるとされています。

さらに重要なのは、雪下ろし等の特別基準について、一般住宅維持費に認められる「基準額×1.5」の特別基準を適用することもできないという点です。問7-121でも、その点が注意事項として明示されています。

したがって、簡単にまとめると、

「一般住宅維持費」と「豪雪地帯の雪下ろし等の費用」は、それぞれ独立した別枠です。一方に余った金額があっても、もう一方へ振り替えて使用することはできません。

という取扱いです。

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