(Q1)医療型障害児入所施設において、院内感染対策のための委員会の設置や方針策定、研修の実施はどのように義務付けられていますか?(Q2)児童福祉施設基準第10条第3項に基づき、感染症および食中毒の予防やまん延防止のための対策を検討する委員会の開催が義務付けられていますが、院内感染対策のための委員会とは別に、感染症および食中毒の予防・まん延防止のための委員会を開催する必要があるのでしょうか?

(A1)はい。医療型障害児入所施設では、院内感染を防ぐための体制整備が義務付けられています。 単に「感染症が出たら対応する」のではなく、平常時から委員会・指針・研修・訓練を整えておく必要があります。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準では、障害児入所施設等について、感染症や食中毒の発生・まん延を防止するための措置を講じることが求められています。

具体的には、まず感染症・食中毒の予防およびまん延防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催することが必要です。委員会はオンライン等で開催することも可能で、検討した内容については職員へ周知徹底しなければなりません。

次に、施設としての感染症・食中毒の予防およびまん延防止のための指針を整備することが義務付けられています。つまり、「感染者が出たらその都度考える」のではなく、平常時の標準予防策、感染発生時の対応、職員間の役割分担、連絡体制などをあらかじめ文書化しておく必要があります。

さらに、職員に対して感染症・食中毒の予防およびまん延防止のための研修と、感染症発生時を想定した訓練を定期的に実施することも義務です。障害福祉分野の感染対策マニュアルでは、研修について全職員を対象に年2回以上、さらに新規採用時にも実施することが例示されています。研修を実施した場合は、日時・参加者・内容などを記録しておくことも重要です。

医療型障害児入所施設は医療機関としての性格も持つため、院内感染対策については医療法上の感染管理も重要になります。病院等では、院内感染対策委員会を月1回程度開催し、重大な感染問題が発生した場合は随時開催すること、職種横断的な構成とすることなどが示されています。また、院内感染対策研修についても年2回程度定期的に実施し、内容を記録することが求められています。

したがって、実務上は次のように考えると分かりやすいです。

①感染対策委員会を設置・開催
→ ②感染対策の指針・マニュアルを作成
→ ③全職員へ周知
→ ④定期的に研修を実施
→ ⑤感染発生を想定した訓練を実施
→ ⑥実施記録を残す
→ ⑦感染症が発生した場合は原因分析・改善策を検討し、再発防止につなげる

という流れです。

特に運営指導等では、単に「委員会があります」「研修をしています」と答えるだけではなく、委員会議事録、感染対策指針、研修資料・出席記録、訓練記録、職員への周知記録などで実施状況を確認できるようにしておくことが重要です。

要するに、医療型障害児入所施設の感染対策は、「委員会・指針・研修・訓練」の4点を継続的に実施することが基本と覚えておくと分かりやすいです。

(A2)いいえ、必ずしも別々の委員会を設置・開催する必要はありません。

こども家庭庁のQ&Aでは、医療型障害児入所施設が医療機関としてすでに開催している院内感染対策委員会の中で、児童福祉施設基準第10条第3項が求める「感染症および食中毒の予防・まん延防止のための対策」まで検討している場合には、別途もう一つ委員会を設置しなくてもよいとされています。

つまり、実務上は次のように考えると分かりやすいです。

  • 院内感染対策委員会で、感染症だけでなく食中毒の予防・まん延防止も含めて検討している
  • その内容が児童福祉施設基準で求められる事項をカバーしている
  • 検討結果を職員に周知している

この状態であれば、児童福祉施設基準上の感染対策委員会を別に開催しなくても差し支えありません。

さらに、これは委員会だけではなく、感染症・食中毒の予防およびまん延防止のための指針、研修、訓練についても同じ考え方です。医療機関として整備・実施している内容が、児童福祉施設基準で求められる内容を満たしていれば、別立てで二重に作成・実施する必要はありません。

したがって、ポイントは**「委員会の名称が何か」ではなく、「必要な内容を実際に検討・実施しているか」**です。

例えば、院内感染対策委員会の議題が「MRSA、インフルエンザ、COVID-19などの院内感染」だけで、食中毒対策が全く扱われていないのであれば、そのままでは児童福祉施設基準第10条第3項を十分満たしているとは言いにくくなります。この場合は、既存の委員会の議題・役割を広げるか、必要に応じて別の会議体で対応することになります。

なお、児童福祉施設基準第10条第3項そのものも、障害児入所施設等に対して、感染症・食中毒の予防およびまん延防止のための委員会開催、指針整備、研修・訓練の実施を求めています。

要するに、「院内感染対策委員会+感染症・食中毒委員会」の2つを必ず作る必要はなく、既存の院内感染対策委員会で必要事項をすべてカバーしていれば1つにまとめてよい、という取扱いです。

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