(Q3)基本給や毎月支払われる手当を引き上げる必要が生じた場合、どのような手順で実施すればよいですか?

(A3)基本給や毎月支払われる手当を引き上げる必要が生じた場合は、**「必要額を確認する → 引上げ方法を決める → 就業規則・賃金規程を改訂する → 職員へ周知する → 実際の給与に反映する」**という流れで進めると分かりやすいです。

まず、実際の交付金額を確認し、現在予定している賃金改善額で要件を満たしているか計算します。令和6年2月からの福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金では、令和6年4月・5月分の交付額の3分の2以上を、基本給または毎月決まって支払われる手当の引上げに充てる必要がありました。交付額が当初の想定より増えた場合には、その増加分も踏まえて必要な引上げ額を再計算します。

次に、どの方法で賃金を上げるか決めます。方法としては、基本給そのものを引き上げる、既存の処遇改善手当などを増額する、新たに毎月支給する手当を設けるといった方法があります。国の計画書でも、「基本給」「決まって毎月支払われる手当の新設」「既存の毎月手当の増額」といった方法が想定されています。

例えば、現在「処遇改善手当 月5,000円」と規定しているところ、追加の賃金改善が必要になった場合には、

変更前:処遇改善手当 月5,000円

変更後:処遇改善手当 月7,000円

という形で賃金規程を変更します。基本給を上げる場合は、賃金表そのものを改訂する方法もあります。国は、この交付金については、令和6年6月以降の処遇改善加算につなげる観点から、賃金表を改訂するベースアップを基本とする考え方を示していました。

その後、就業規則や賃金規程に「誰が対象なのか」「いくら支給するのか」「いつから適用するのか」「どのような手当として支給するのか」を明確に記載します。例えば「令和6年4月1日から、対象職員に処遇改善手当として月額7,000円を支給する」といった形です。

規程を変更したら、職員に変更内容を周知します。常時10人以上の労働者を使用する事業場で就業規則を変更する場合には、労働基準法上、労働者代表等の意見を聴いたうえで労働基準監督署への届出も必要になります。

最後に、変更した規程に基づいて給与計算を行い、賃金改善を実施します。そして実績報告の際に、実際の交付金額以上の賃金改善を行ったことや、基本給等による改善要件を満たしていることを確認できるよう、賃金台帳、給与明細、就業規則・賃金規程などを保存しておくことが重要です。厚生労働省も、処遇改善計画書では賃金改善の根拠となる就業規則・賃金規程等を明示する仕組みとしています。

つまり、簡単にまとめると、①増えた交付額を確認 → ②必要な追加賃上げ額を計算 → ③基本給または毎月の手当の引上げ方法を決定 → ④就業規則・賃金規程を改訂 → ⑤職員へ周知・必要な届出 → ⑥給与へ反映 → ⑦実績報告に備えて記録を保存、という手順になります。

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