(Q)局長通知第10の1の(2)により年齢改定を行う場合、4月1日生まれの者はどのように取り扱うか。

(A)はい。この質問は、生活保護受給者が、現金の給料をもらわず、働いた代わりに家賃を無料にしてもらっている場合、勤労収入に対する基礎控除を適用できるのかという質問です。

① 結論

現金収入がなくても、労働の対価として家賃の免除などの利益を受けている場合には、その利益を勤労収入として評価し、基礎控除の適用を検討します。

つまり、現金の給料を受け取っていないという理由だけで、基礎控除の対象外になるわけではありません。

ただし、実際にどのような利益を受けているか、労働の対価と認められるかによって判断が異なります。

② 基礎控除とは?

生活保護制度の基礎控除とは、働いて得た収入の一部を、生活保護の収入認定から差し引く制度です。

働くために必要な経費などを考慮し、就労意欲を高めることを目的としています。

通常は、給与などの勤労収入に対して適用されますが、労働の対価が現金ではなく現物などで支払われる場合にも、その収入の性質を確認する必要があります。

③ 具体例

生活保護受給者のAさんが、農家の所有する住宅に住んでいるとします。

Aさんは、家賃を支払わない代わりに、毎月10日程度、農作業を手伝っています。

仮に、次のような条件だったとします。

項目内容
農作業の日数月10日
現金給与0円
通常の家賃月30,000円
労働の対価家賃30,000円の免除

この場合、実態として家賃の免除が労働の対価であれば、月30,000円相当の利益を現物による勤労収入として評価することが考えられます。

そして、評価した勤労収入について、基礎控除の適用を検討します。

ただし、家賃30,000円がそのまま収入認定額になるとは限りません。

実際の収入認定では、現物収入の評価方法や基礎控除の適用額などを確認する必要があります。

④ 注意点

ここで重要なのは、次の3点です。

1.単なる無償の農作業とは区別すること

例えば、親戚の農作業を無償で手伝っているだけで、金銭や現物の利益を受けていない場合には、通常、控除の対象となる勤労収入自体がありません。

2.家賃の免除が労働の対価かどうかを確認すること

家賃が無料であっても、単に親族の好意で住まわせてもらっている場合と、農作業の対価として家賃を免除されている場合では、取扱いが異なります。

3.住宅扶助との関係も確認すること

家賃を実際に支払っていない場合には、住宅扶助の支給についても確認が必要です。

家賃が無料であるにもかかわらず、通常の家賃を支払っているものとして住宅扶助を支給することはできません。

⑤ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

現金収入を伴わない就労であっても、家賃免除などの経済的利益が労働の対価として与えられている場合には、現物による勤労収入として評価し、基礎控除を適用することが考えられます。

ただし、収入の評価額や控除額は、実際の労働内容、家賃免除の条件、現物収入の取扱いなどを確認して判断します。

要するに、「現金をもらっていないから勤労控除はない」とは限らず、働いた対価として受けている利益があるかどうかが判断のポイントです。

局長通知第10の1の(2)により年齢改定を行う場合、4月1日生まれの者はどのように取り扱うか。
上記質問をわかりやすく教えてください

はい。この質問は、生活保護を受けている人が4月1日生まれの場合、生活扶助の年齢区分をいつ変更するのかという質問です。

① 結論

4月1日生まれの人は、法律上、前日の3月31日に満年齢に達したものとして取り扱います。

したがって、局長通知第10の1の(2)に基づき、毎年4月1日に年齢改定を行う場合、4月1日生まれの人も、その年の4月1日から新しい年齢区分を適用する対象になります。 厚生労働省

② なぜ4月1日生まれは3月31日に年齢が上がるのですか?

これは、次の法律によるものです。

  • 年齢計算に関する法律
  • 民法第143条

これらの法律により、年齢は誕生日の前日に満了するものとして計算されます。

例えば、4月1日に60歳の誕生日を迎える人は、法律上、3月31日に満60歳に達します。

そのため、3月31日までに新しい年齢に達した人として取り扱われます。

③ 具体例

生活保護を受けているAさんが、昭和41年(1966年)4月1日生まれだったとします。

Aさんは、令和8年(2026年)4月1日に60歳の誕生日を迎えます。

この場合、次のようになります。

項目取扱い
生年月日昭和41年4月1日
60歳に達する日令和8年3月31日
年齢改定の基準日令和8年4月1日
新しい年齢区分の適用令和8年4月分から

つまり、4月1日生まれのAさんは、3月31日までに60歳に達しているため、4月1日の年齢改定の対象になります。

なお、年齢改定によって実際の生活扶助額が変わるかどうかは、適用される生活扶助基準によります。

④ 局長通知ではどのように定められていますか?

局長通知第10の1では、次のように定めています。

第10の1の(1)

保護を継続して受けている人について、基準生活費の算定に用いる年齢の切替えは、毎年1回、4月1日に行うことができます。

第10の1の(2)

4月1日に年齢区分を切り替える対象は、3月31日までに基準生活費の変更を必要とする年齢に達した人です。厚生労働省

さらに、厚生労働省の課長通知第10・問13では、4月1日生まれの人は3月31日に満年齢に達したものとして取り扱うことが明示されています。厚生労働省

⑤ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

4月1日生まれの人は、年齢計算に関する法律及び民法第143条により、前日の3月31日に満年齢に達したものとして取り扱います。

そのため、生活保護の年齢改定を毎年4月1日に行う場合には、4月1日生まれの人も、その年の4月1日から新しい年齢区分を適用します。

覚えておくポイントは、「4月1日生まれの人は、3月31日に満年齢に達する」ということです。

根拠通知

厚生労働省・課長通知「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第10・問13

厚生労働省・局長通知「生活保護法による保護の実施要領について」第10の1

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