(Q1)元配偶者からの嫌がらせを理由に転居を希望している場合、転居費用(敷金や引っ越し費用)は生活保護費として支給されるのでしょうか?(Q2)保護費をやり繰りして転居を実現した後、転居にかかった費用(敷金や引っ越し費用)と同額を保護費として後から支給してもらうことは可能でしょうか?

(A1)元配偶者からの嫌がらせ(DV・ストーカー・重大なトラブルなど)を理由に転居が必要と福祉事務所が認めた場合は、生活保護から「転居費用」が支給される可能性があります。
ただし、必ず事前に福祉事務所の許可が必要です。


わかりやすい説明

① 支給される可能性がある費用

生活保護では、「やむを得ない転居」と認められた場合、**一時扶助(いちじふじょ)**として次の費用が支給されます。

主な対象費用

  • 敷金
  • 礼金(必要と認められた場合)
  • 仲介手数料
  • 引っ越し業者代
  • 運搬費(レンタカー代など)
  • 火災保険料
  • 保証会社利用料(必要な場合)

※地域や状況により範囲は異なります。


② 「嫌がらせ」が理由でも認められる?

次のような場合は、正当な転居理由として認められる可能性が高いです。

  • 元配偶者からのDV
  • ストーカー行為
  • 自宅への押しかけ・脅迫
  • 安全に生活できない状況
  • 警察相談歴がある場合

ポイント:
→「安全確保のための転居」は正当理由になります。


③ 重要:勝手に引っ越すと支給されない

最も重要な注意点です

❌ 先に契約・引っ越しをしてしまう
→ 原則、費用は支給されません

⭕ 必ず先に福祉事務所へ相談
→ 許可後に物件契約・引っ越し


④ 福祉事務所が確認する内容

通常、次の点を確認されます:

  • 嫌がらせの具体的内容
  • 危険性の程度
  • 警察相談の有無
  • 現住所に住み続けることが困難か
  • 転居先の家賃が住宅扶助基準内か

⑤ 支給される名称

生活保護制度では

「一時扶助(転居費用)」

として支給されます。


⑥ 現場でよくある流れ

  1. 福祉事務所へ転居相談
  2. 理由説明(DV・嫌がらせ等)
  3. 物件を探す(基準内家賃)
  4. 見積書提出(不動産・引越業者)
  5. 福祉事務所が許可
  6. 契約・転居
  7. 費用支給

⑦ 実務上の重要ポイント(行政書士実務でも重要)

DV・ストーカー案件では

  • 口頭説明だけでも可
  • 警察相談記録があると強い
  • ケースワーカー判断で迅速対応されることもある

緊急性が高い場合は即日対応もあります。


まとめ(1文)

元配偶者からの嫌がらせなど安全上の理由で転居が必要と福祉事務所が認めた場合は、敷金や引っ越し費用などは生活保護の一時扶助として支給されますが、必ず事前に福祉事務所の許可を受ける必要があります

(A2)原則として「自分で立て替えて転居した費用」を後から同額で生活保護費として支給してもらうことは難しいです。
ただし、一定の条件を満たしていれば例外的に支給される可能性はあります。


わかりやすい説明

①生活保護の転居費は「事前に福祉事務所の承認」が原則

生活保護では、敷金・礼金・仲介手数料・引越費用などは
「住宅扶助(転居費用)」として支給される制度があります。

しかし重要なのは:

👉 転居前に福祉事務所へ相談し、必要性を認めてもらうことが条件です。

  • 家賃が基準額を超えている
  • 立退きを求められている
  • DVや健康上の理由
  • 現住居が不適切(狭すぎる・危険など)

このような場合、事前に承認を受ければ支給されます。


②自費で先に引越した場合は「原則支給対象外」

理由は、生活保護制度が

👉 「必要と認めた費用のみを支給する制度」
だからです。

つまり、

  • 相談なしに引越した
  • 自己判断で敷金・引越費を支払った

場合は、

❌ 原則:後から同額を支給してもらえない


③例外的に支給される可能性があるケース

以下のような場合は、後から認められることがあります

  • 緊急避難(DV、火災、強制退去など)
  • 福祉事務所に相談していたが、やむを得ず先に転居した
  • 家賃が明らかに基準内で適正な転居
  • 領収書などがすべて残っている

→ この場合
「遡って住宅扶助として支給」されることがあります

※ただしケースワーカーや自治体判断になります


④保護費を節約して貯めたお金で転居した場合

これは重要なポイントですが、

保護費は

👉 生活費として使う前提

なので、

節約して貯めたお金で転居した場合でも

  • 自動的に返金される制度はありません

ただし

  • 転居が必要だったと認められれば
    → 一部支給される可能性はあります

⑤今からできる対応(実務上重要)

すぐに福祉事務所へ以下を提出してください:

  • 転居理由の説明書
  • 領収書(敷金・仲介・引越費)
  • 賃貸契約書
  • 新旧家賃の比較

そして

「住宅扶助の転居費として認められるか審査してほしい」
と申請します。


⑥実務的な結論(行政書士向け判断)

状況支給可能性
事前承認ありほぼ支給される
相談後にやむを得ず転居支給の可能性あり
無断転居原則不可
緊急避難支給の可能性高い

⑦相談者向けの一言説明(そのまま使えます)

「生活保護の引越費用は、原則として事前に福祉事務所の許可を受けた場合に支給されます。先に自分で支払った場合は支給されないことが多いですが、やむを得ない事情があれば後から認められる可能性もありますので、領収書を持って福祉事務所に相談してください。」

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