(Q1)局第1の2の(3)にある「同一世帯として認定することが適当でないとき」とは、どのような場合を指しますか?(Q2)保護を要しない者の転入に関して、個々のケースの判断はどのように行われるべきですか?

(A1)「局第1の2の(3)」の 「同一世帯として認定することが適当でないとき」 とは、

簡単に言うと、

「一緒に住んでいても、実際には家計や生活が別であり、生活保護上も一つの世帯として扱うのが不合理な場合」

を指します。

生活保護では、

「同じ家に住み、生計を一にしている人は同一世帯」

が原則です。

しかし例外として、

「同一世帯として扱うと実態に合わない」

場合には世帯を分けて考えることがあります。

具体例①

友人が一時的に転がり込んできた場合

例えば、

  • 生活に困っているAさん
  • Aさんの家に友人Bさんが居候

というケースで、

  • 食費は別
  • お金の管理も別
  • お互い扶養する関係ではない

のであれば、

同じ家でも別世帯として扱われることがあります。


具体例②

介護や看病のために同居している場合

例えば、

  • 高齢者や障害者の世話をするため
  • 親族や友人が同居している

しかし、

  • 生活費は別
  • 介護目的で住んでいるだけ

という場合は、

「一つの家計」とは言えないため、別世帯として認められることがあります。


具体例③

扶養義務のない人の家へ転入した場合

例えば、

  • 身寄りのない人が
  • 知人宅へ一時的に住まわせてもらっている

場合、

単に住んでいるだけで生活費を援助してもらっていなければ、

同一世帯として扱うのが不適当と判断されることがあります。


逆に認められにくい例

例えば、

  • 親子で同居
  • 食費も光熱費も一緒
  • 家計も共通
  • 収入を出し合って生活

という場合は、

住民票を分けていても生活保護上は同一世帯と判断されることが多いです。


行政書士実務での考え方

福祉事務所は、

  • 誰が家賃を払っているか
  • 食費を一緒にしているか
  • 光熱費をどう負担しているか
  • お金を渡し合っているか
  • 扶養関係があるか

などを見て、

「実際に生計が一緒かどうか」

で判断します。

つまり、

「同じ住所かどうか」よりも、
「実際に一つの家計で生活しているかどうか」

が重要です。

生活保護の相談現場では、この「同一世帯として認定することが適当でないとき」は、主に 同居親族・同棲相手・友人宅居住・介護目的同居 のケースで問題になることが多いです。

(A2)この質問は、生活保護行政で使われる「保護を要しない者の転入」に関するものです。

わかりやすく言うと

「生活保護を受けていない人が、生活保護世帯に転入(同居)する場合、その人を世帯員として認めるかどうかは一律ではなく、個別の事情を調べて判断します」という意味です。

具体例

例えば、母親が生活保護を受給している世帯に、

  • 働いている息子が同居する
  • 年金をもらっている親族が同居する
  • 収入のある交際相手が同居する

といったケースです。

この場合、福祉事務所は次のような点を確認します。

① 本当に一緒に生活するのか

  • 食事を共にしているか
  • 光熱費を共同で負担しているか
  • 家計が一緒になっているか

② 収入や資産はどの程度あるか

  • 給与収入
  • 年金
  • 預貯金

③ 世帯として一体性があるか

  • 生計を共にしているか
  • 扶養関係があるか

判断の結果

世帯員として認定される場合

転入者の収入も世帯全体の収入として扱われます。

  • 母(生活保護)
  • 息子(給与20万円)

→ 息子の収入を考慮して保護費が減額または廃止になることがあります。

世帯分離となる場合

特別な事情があると、同じ家に住んでいても別世帯として扱われることがあります。

  • 高齢の親と独立して生計を営む子
  • DV避難中の家族
  • 障害や介護など特別な事情がある場合

福祉事務所が重視するポイント

福祉事務所は、

「同じ住所に住んでいるか」

だけではなく、

「実際に家計や生活を共にしているか」

を重視して判断します。

行政書士実務での注意点

生活保護受給中のお客様から

「子どもが一時的に同居したい」
「交際相手が転入したい」
「親族が身を寄せたい」

という相談を受けた場合は、

  • 転入前にケースワーカーへ相談する
  • 同居理由を説明する書面を提出する
  • 家計の状況を明確にする

ことが重要です。

転入者に十分な収入がある場合は、世帯全体の保護廃止につながることもあるため、事前に福祉事務所と協議することをお勧めします。

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