(Q)単身の労務者がいわゆる飯場を転々としている場合、その飯場を居住地と認定することはできますか?また、長期間同じ飯場に滞在している場合でも、居住地と認定されないのでしょうか?

(A)生活保護や住民登録の実務において、「居住地」と認定されるかどうかは、単に建物の種類ではなく、その場所で継続的・安定的に生活している実態があるかによって判断されます。

① 飯場を転々としている場合

単身の労務者が仕事の都合で複数の飯場を短期間で移動している場合は、

  • 居住の継続性がない
  • 生活の本拠が定まっていない
  • 就労場所に付随して一時的に宿泊している

と判断されることが多く、一般的には「居住地」と認定されにくい傾向があります。

② 長期間同じ飯場に滞在している場合

一方で、

  • 数か月以上継続して居住している
  • 寝起きし、日常生活を送っている
  • 荷物や生活用品を置いている
  • 他に生活の本拠となる場所がない

といった実態があれば、その飯場であっても「居住地」と認定される可能性があります。

つまり、

「飯場だから居住地にならない」のではなく、実際にそこが生活の本拠かどうかで判断されます。

③ 生活保護実務での考え方

生活保護では、保護の実施責任を決めるために現在地や居住実態を確認します。

例えば、

  • 建設会社の宿舎に1年以上住んでいる
  • 毎日そこから通勤している
  • 住民票も置いている

ような場合は、その飯場所在地の福祉事務所が担当となることがあります。

反対に、

  • 数週間ごとに現場が変わる
  • 全国を転々としている
  • 宿泊施設としてのみ利用している

場合は、「居住地が定まっていない者」として現在地保護の取扱いが問題となることがあります。

実務上の結論

  • 飯場を転々としている場合 → 原則として居住地と認定されにくい。
  • 同じ飯場に長期間継続して生活している場合 → 居住地と認定される可能性が高い。
  • 判断基準は「飯場かどうか」ではなく、その場所が生活の本拠といえるかどうかです。

生活保護の実施責任に関しては、厚生労働省の保護実施要領でも「居住の事実を中心に判断する」とされており、住民票の有無だけで決まるものではありません。行政書士として相談を受ける場合は、滞在期間、荷物の有無、就労状況、住民票所在地などを確認して判断するとよいでしょう。

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