(Q1)生活介護における個別支援計画は、どのように記載すればよいですか?(Q2)生活介護サービス費の基本報酬は、個別支援計画における標準的な時間をどのように算定すればよいですか?
(A1)結論
生活介護の個別支援計画は、
**「利用者がどのような生活を送りたいか(目標)」と、「その目標を達成するために事業所がどのような支援を行うか」**を具体的に記載します。
単に「支援します」と書くだけではなく、
- 何を目標にするのか
- どのような支援を行うのか
- 誰が支援するのか
- いつまでに取り組むのか
がわかる内容にすることが大切です。厚生労働省の運営基準でも、利用者の心身の状況や希望などを踏まえて個別支援計画を作成することが求められています。
個別支援計画に記載する主な内容
① 利用者・家族の希望
まず、
- 本人がやりたいこと
- 家族の希望
- 困っていること
を記載します。
例
- 毎日安心して通所したい。
- 自分で食事ができるようになりたい。
② 長期目標
数か月から1年程度で目指す目標を書きます。
例
- 安定して生活介護へ通所できる。
- 身の回りのことを自分でできることを増やす。
③ 短期目標
長期目標を達成するための具体的な目標を書きます。
例
- 週5日の通所を継続する。
- 食事でスプーンを使える回数を増やす。
④ 支援内容
職員がどのような支援を行うかを具体的に記載します。
例
- 食事時にスプーンの持ち方を支援する。
- 疲れたときは休憩時間を設ける。
- 活動内容を写真や絵カードでわかりやすく伝える。
⑤ 支援を行う担当者
誰が支援するのかを明確にします。
例
- サービス管理責任者
- 生活支援員
- 看護職員
⑥ 支援期間・見直し時期
計画をいつまで実施し、いつ見直すかを記載します。
例
- 実施期間:令和8年8月1日~令和9年1月31日
- 6か月後に評価・見直し
記載するときのポイント
個別支援計画は、
「利用者の目標」と「事業所が行う支援」を具体的に書くことが重要です。
例えば、
❌ 悪い例
- 食事を支援する。
- 活動を行う。
これでは、どのような支援をするのか分かりません。
⭕ 良い例
- 食事では、スプーンを持つ位置を職員が一緒に確認し、自分で食べられるよう支援する。
- 午前中は30分間創作活動に参加できるよう、疲れた場合は途中で休憩を取りながら支援する。
このように書くと、誰が見ても支援内容が分かりやすくなります。
まとめ
生活介護の個別支援計画には、次の内容を記載します。
- 利用者・家族の希望
- 長期目標
- 短期目標
- 具体的な支援内容
- 支援を行う担当者
- 実施期間・見直し時期
つまり、
「利用者が目指す生活」と、「その目標を実現するために事業所がどのような支援を行うか」を、具体的で分かりやすく記載することが大切です。
(A2)結論
生活介護サービス費の基本報酬は、原則として、**その日に実際に滞在した時間ではなく、個別支援計画に定めた「標準的な支援時間」**に対応する時間区分で算定します。
標準的な時間は、基本的に次のように計算します。
通常のサービス提供時間+一定の配慮として加算できる時間
厚生労働省は、この合計時間を個別支援計画の「支援の標準的な提供時間等」の欄に記載するよう示しています。
基本となる時間
まず、利用者ごとに通常予定している生活介護の提供時間を設定します。
例えば、
- 午前9時30分から午後3時30分まで
- 合計6時間
であれば、原則として標準的な時間は6時間です。
基本報酬は、次の時間区分に当てはめます。
- 3時間未満
- 3時間以上4時間未満
- 4時間以上5時間未満
- 5時間以上6時間未満
- 6時間以上7時間未満
- 7時間以上8時間未満
- 8時間以上9時間未満
したがって、標準的な時間が6時間であれば、「6時間以上7時間未満」の基本報酬を算定します。
追加できる「配慮時間」
一定の条件を満たす場合は、実際の事業所内での支援時間に、次の時間を加えることができます。
1.長時間の送迎が必要な場合
利用者に必要なサービスを提供できる事業所が地域になく、送迎時間が往復3時間以上になる場合は、標準的な時間に1時間を加えることができます。
2.障害特性により短時間利用にならざるを得ない場合
次のような利用者が、障害特性等によってサービス提供時間が6時間未満にならざるを得ない場合です。
- 医療的ケアスコアの対象者
- 重症心身障害者
- 行動関連項目が10点以上の人
- 盲ろう者など
利用前の受入れ準備、利用後の申し送り、主治医への伝達事項の整理などに実際にかかった時間を、1日2時間以内で加えることができます。
3.送迎時に自宅内で介助した場合
送迎の際に、
- 着替え
- ベッドから車椅子への移乗
- 戸締まり
- 外出準備
などを自宅内で行った場合、その実際の介助時間を1日1時間以内で加えることができます。
ただし、この介助を個別支援計画に位置付けておく必要があります。
計算例
例1:通常の利用
- 事業所での標準的な支援時間:5時間30分
- 配慮時間:なし
標準的な時間は5時間30分となり、基本報酬は「5時間以上6時間未満」の区分です。
例2:自宅内介助がある場合
- 事業所での支援時間:5時間30分
- 送迎時の自宅内介助:30分
合計は、
5時間30分+30分=6時間
となるため、個別支援計画に6時間と位置付けた場合は、「6時間以上7時間未満」の区分になります。
例3:障害特性による短時間利用
- 実際のサービス提供時間:4時間30分
- 受入れ準備や利用後の情報整理:1時間30分
合計は、
4時間30分+1時間30分=6時間
となるため、要件を満たし、実際に必要な準備等を行っていれば、標準的な時間を6時間として位置付けられます。
実績記録票の書き方
実績記録票では、次の2つを分けて記録します。
- 「開始時間・終了時間」には、実際にサービスを提供した時刻
- 「算定時間数」には、個別支援計画に定めた標準的な時間
例えば、実際の利用が午前10時から午後2時30分までの4時間30分で、配慮時間を1時間30分加えている場合は、
- 実際の提供時間:4時間30分
- 算定時間数:6時間
と記録します。
注意点
配慮時間は、上限まで自動的に加えられるものではありません。
例えば「最大2時間加えられる」場合でも、実際に準備や情報整理に1時間しかかかっていなければ、加えられるのは原則として実際に要した1時間です。
また、報酬を高くする目的で実態より長い時間を計画に記載することは認められません。利用者の状態、支援内容、送迎状況などを確認し、必要性と算定根拠を記録しておくことが重要です。
まとめ
生活介護の標準的な時間は、
実際に予定しているサービス提供時間に、要件を満たす配慮時間を加えて算定する
という考え方です。
その合計時間を個別支援計画に記載し、「3時間未満」から「8時間以上9時間未満」までの時間区分に当てはめて、基本報酬を算定します。実際の利用時間と算定時間は、実績記録票上で区別して記録します。
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