(Q1)通学交通費を認める際に考慮される「身体的条件」とは、具体的にどのようなものですか?(Q2)通学交通費を認める際に考慮される「地理的条件」とは、具体的にどのようなものですか?
(A1)結論
通学交通費を認定する際の**「身体的条件」とは、児童・生徒本人の障害、疾病、けがなどにより、徒歩や自転車など通常の方法で通学することが困難な状態**をいいます。
生活保護の教育扶助では、通学のための交通費について、通学距離だけで機械的に判断するのではなく、本人の身体状況などを踏まえて、交通機関を利用する必要があるかを個別に判断します。
具体的には
例えば、次のような状態が考えられます。
- 身体障害がある場合
下肢障害などにより、長距離を歩いて通学することが困難な場合。 - 病気・慢性疾患等がある場合
心臓・呼吸器などの疾病により、長時間の徒歩通学が身体的な負担になる場合。 - けがをしている場合
骨折などにより、一時的に徒歩や自転車での通学が困難になった場合。 - 歩行能力・体力に著しい制約がある場合
通学距離そのものはそれほど長くなくても、本人の身体状態から徒歩通学が現実的に困難な場合。
例えば、学校まで1.5km程度で、一般的には徒歩通学できる距離だったとしても、児童が下肢に障害を有し長距離歩行が困難であれば、「距離が短いから交通費は認めない」と一律に判断するのではなく、身体的条件を考慮してバス等の利用の必要性を判断することになります。
必ず障害者手帳が必要なの?
障害者手帳の有無だけで判断するものではありません。
実際の身体状態や通学の困難性が重要です。そのため必要に応じて、診断書・医師の意見、学校からの情報などを参考にして、交通機関を利用しなければ通学が困難かどうかを福祉事務所が判断します。
ポイント
「身体的条件」を簡単に言い換えると、
その子どもの身体の状態を考えると、徒歩や自転車など通常の方法で学校へ通うことが現実的に難しいか
ということです。
したがって、通学交通費は単純に「学校まで○km以上なら支給、○km未満なら不支給」と距離だけで決めるのではなく、通学距離・本人の身体状況・利用できる交通手段などを総合的に考えて必要性を判断することがポイントです。
(A2)結論
通学交通費を認定する際の**「地理的条件」とは、自宅から学校までの距離だけでなく、道路・地形・交通事情などから、徒歩や自転車で通学することが現実的に困難かどうか**という条件を指します。
つまり、単純に「学校まで何kmあるか」だけではなく、実際の通学経路の状況を見て判断するということです。
具体的には、次のような事情が考えられます。
- 自宅と学校の距離が遠いため、徒歩・自転車通学が現実的でない。
- 山間部・急な坂道などがあり、徒歩や自転車での通学が著しく困難。
- 川・山・鉄道などによって通学経路が大きく迂回する必要があり、直線距離より実際の通学距離がかなり長くなる。
- 公共交通機関以外に現実的な通学手段がない地域に居住している。
- 道路状況などから、通常想定される徒歩・自転車による通学が困難である。
例えば、自宅と学校の直線距離は2kmしかなくても、途中に川があり、橋を渡るために大きく迂回して実際には5km程度歩かなければならない場合があります。
このような場合は、「直線距離が2kmだから徒歩でよい」と機械的に判断するのではなく、実際の通学経路を踏まえて交通機関を利用する必要性を判断します。
また、「地理的条件」は前の質問の**「身体的条件」**とは区別して考えると分かりやすいです。
身体的条件は、障害・疾病・けがなど「本人側の事情」。一方、地理的条件は、距離・地形・道路・迂回など「通学経路側の事情」です。
したがって、
地理的条件=その地域・通学経路の状況から考えて、徒歩や自転車で通学することが現実的に困難かどうか
と理解すると分かりやすいです。
最終的には、距離だけで一律に決めるのではなく、実際の通学経路、地形、道路状況、利用可能な交通機関などを総合的に確認し、公共交通機関等を利用する必要性があるかを福祉事務所が個別に判断することになります。
⇓