(Q1)世帯分離が認められる場合の要件は、どのように定められていますか?(例:局長通知第1の2および立において、その要件が示されているとされていますが、具体的な内容は何ですか?)(Q2)世帯分離の要件に該当しなくなった場合、どのような手続きが必要ですか?(例:世帯分離を解除し、改めて同一世帯として認定し直す必要があるとされていますが、その理由や具体的な流れはどうなっていますか?)
(A1)結論
はい。世帯分離が認められる場合は、**局長通知「第1の2」と「第1の5」に具体的な要件が定められています。ご質問の「立」は、おそらく「5」**のことだと思われます。
大前提として、生活保護は世帯単位が原則です。世帯分離は、この原則どおりに扱うとかえって生活保護法の目的を実現できない場合に、例外的に認められる取扱いです。厚生労働省も、分離時だけでなく保護継続中も要件を満たし続ける必要があるとしています。
局長通知第1の2で認められる主なケース
同一世帯と認定される人でも、次のような場合は世帯分離して差し支えないとされています。
- 稼働能力があるのに働こうとしない等、保護要件を欠く世帯員がいる一方、他の世帯員には真にやむを得ない保護の必要がある場合
- 要保護者が、生活保持義務関係のない世帯へ転入し、同一世帯として扱うことが適当でない場合
- 保護を要しない人が、被保護世帯員の介護・日常生活の世話をするため転入した場合
- 寝たきり高齢者や重度障害者など、常時介護・監視を必要とする人について一定の条件を満たす場合
- 長期入院・長期入所者について、出身世帯と一緒に扱うことが出身世帯の自立を著しく妨げる場合
- 長期入院者等と同一世帯として扱うと、収入のある出身世帯員の自立を著しく妨げる場合
- 生活保持義務関係にない収入のある世帯員が、結婚・転職等によって1年以内に世帯から独立する見込みがある場合
- 救護施設、特別養護老人ホーム、障害者支援施設、一定の児童福祉施設等への入所者について、出身世帯と同一世帯とすることが適当でない場合
特に長期入院では、例えば「6か月以上の入院・入所が必要」「すでに1年を超えて今後も長期化する」といった条件が細かく定められています。
局長通知第1の5で認められるケース
こちらは主として大学等への就学に関する世帯分離です。
例えば、
- 保護開始時にすでに大学に在学しており、卒業まで就学を続けることが世帯の自立助長に特に効果的な場合
- 日本学生支援機構の奨学金・給付金、大学等修学支援制度、自治体等の奨学金などを利用して大学に就学する場合
- 生業扶助の対象にならない専修学校・各種学校へ就学し、その就学が世帯の自立助長に特に効果的な場合
などについて、世帯分離が認められます。
一度認められればずっと続くわけではありません
ここが非常に重要です。
厚生労働省の問答では、世帯分離の要件は、分離した時点だけでなく、保護を継続している間も常に満たしていなければならないとされています。事情が変わって要件を満たさなくなれば、世帯分離を解除して、再び同一世帯として保護の要否・程度を判断します。
さらに福祉事務所は、分離後の世帯について、収入・資産、就学状況、世帯構成、地域の生活実態、世帯分離の効果などを把握し、少なくとも年1回は世帯分離の要件を満たしているか検討する必要があります。
要するに、
世帯分離=同居している家族を自由に生活保護上の別世帯にできる制度ではありません。
「同一世帯として扱うとかえって保護の目的や世帯の自立を妨げる」という特別な事情があり、局長通知第1の2または第1の5の要件に該当する場合に限って、例外的に認められる制度です。
特に実務では、**「同居しているが世帯分離できるケース」と「住民票だけ分けても世帯分離できないケース」**を区別することが重要です。
(A2)結論
世帯分離の要件に該当しなくなった場合は、世帯分離を解除し、その人を元の世帯員とあらためて同一世帯として認定し直したうえで、生活保護が必要かどうかを再判定します。
厚生労働省の問答でも、この取扱いが明確に示されています。世帯分離は、世帯単位の原則をそのまま適用するとかえって生活保護法の目的を実現できない場合に限って認められる例外的な取扱いだからです。したがって、分離要件は、世帯分離を始めた時だけでなく、保護継続中も満たし続けている必要があります。
具体的には、まず福祉事務所が、世帯分離の根拠となっていた事情が現在も続いているかを確認します。たとえば、長期入院を理由に世帯分離していた人が退院した、1年以内の独立見込みを理由に分離していた人について独立の見込みがなくなった、大学等への就学を理由に分離していた人が退学した、などです。こうした場合、分離の前提がなくなっていないかを確認します。
要件を満たさなくなったと判断した場合は、世帯分離を解除します。その後、住所、実際の同居状況、生計関係、収入・資産、扶養関係などを確認して、その人を元の世帯と同一世帯として再認定します。生活保護は原則として世帯単位で行う制度なので、例外である世帯分離が成立しなくなれば、原則の世帯単位に戻す必要があります。
そのうえで、世帯全体について最低生活費を計算し、世帯全員の収入と比較して保護の要否と程度を改めて判定します。たとえば、母と成人した子を世帯分離して母だけが生活保護を受けていたところ、世帯分離の要件がなくなった場合は、母と子を同一世帯として扱い、子の収入も含めて世帯全体の収入を認定します。その結果、最低生活費を下回れば保護継続、上回れば保護の減額・停止・廃止などを検討することになります。
つまり流れは、**「世帯分離要件の再確認 → 要件消滅を認定 → 世帯分離解除 → 同一世帯として再認定 → 世帯全体の収入・最低生活費を再計算 → 保護の要否・程度を再決定」**です。
重要なのは、世帯分離は一度認められたら永久に続くものではないという点です。分離の理由がなくなれば、原則である世帯単位の取扱いに戻して、生活保護の必要性を改めて判断することになります。
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