(Q)一部の職員の賃金水準を引き下げたが、他の職員の賃金水準を引き上げた結果、事業所等の職員全体の賃金水準は低下していない場合、特別事情届出書の提出は必要ですか?

(A)はい。結論からいうと、事業所・施設の職員全体として賃金水準が低下していないのであれば、原則として「特別事情届出書」の提出は必要ありません。 厚生労働省の最新Q&Aでも、この取扱いが明確に示されています。

例えば、

A職員:月給30万円 → 29万円(1万円減)
B職員:月給25万円 → 26万円(1万円増)
C職員:月給25万円 → 26万円(1万円増)

というように、一部の職員の給与を下げていても、他の職員の給与を引き上げた結果、事業所・施設の職員全体の賃金水準が低下していなければ、特別事情届出書は不要という考え方です。

ただし、ここには非常に重要な注意点があります。

一部の職員の賃金を引き下げることは、労働条件の不利益変更に当たると考えられます。そのため、「職員全体では給与が下がっていないから、個人の給与を自由に下げてもよい」という意味ではありません。厚生労働省は、こうした変更を行う場合には、合理的な理由に基づき、適切に労使の合意を得る必要があるとしています。

つまり、

一部職員の賃金を引下げ
↓
他の職員の賃金を引上げ
↓
職員全体の賃金水準は低下していない
↓
特別事情届出書 → 原則不要

となります。

ただし別途、「なぜその職員の給与を下げる必要があるのか」という合理的な理由を説明し、適切な労使手続きを行う必要があるということです。

なお、逆に事業所・施設全体の賃金水準そのものを引き下げる場合には、処遇改善加算上の「特別な事情」に該当するかを確認し、必要な場合には特別事情届出書を提出することになります。厚生労働省は、特別事情届出書を例外的な取扱いとして位置付けています。

一言でまとめると、**「一部の職員の給与が下がっても、職員全体の賃金水準が下がっていなければ特別事情届出書は不要。ただし、個々の職員の賃下げについては合理的な理由と適切な労使合意が必要」**と覚えておくと分かりやすいです。

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