(Q)賃金改善の基準点は、いつの時点になりますか?

(A)① 結論

福祉・介護職員等処遇改善加算における賃金改善の基準点とは、簡単にいうと、処遇改善加算による賃金改善を行わなかった場合の賃金水準のことです。

原則として、加算を算定する年度の賃金改善額は、その年度に処遇改善加算がなかったと仮定した場合の賃金総額と比較して算出します。

つまり、必ずしも「前年の給与額をそのまま基準にする」という意味ではありません。

② 具体例

例えば、令和8年度の就労継続支援A型事業所で、次のような状況だったとします。

項目金額
処遇改善加算がなかった場合の年間賃金総額2,000万円
処遇改善後の年間賃金総額2,300万円
賃金改善額300万円

この場合、

2,300万円 − 2,000万円 = 300万円

となり、300万円が賃金改善額です。

この賃金改善額が、原則として当該年度の処遇改善加算の収入額以上となる必要があります。

③ 前年度の給与を基準にするのですか?

ここが重要なポイントです。

前年度の賃金水準は、基準額を算出する際の参考になりますが、単純に前年度の賃金総額と比較するわけではありません。

例えば、次のような場合には調整が必要になります。

  • 職員数が増減した場合
  • 勤務時間が変更された場合
  • 定期昇給があった場合
  • 前年度から処遇改善加算による賃金改善を継続している場合

特に、前年度までに処遇改善加算を使って引き上げた給与を、翌年度に元の水準へ戻してよいという意味ではありません。

継続して実施している賃金改善も含め、当該年度の賃金改善額を適切に算出する必要があります。

④ いつから賃金改善を実施するのですか?

例えば、令和8年4月から処遇改善加算を算定する場合は、原則として令和8年度の加算収入に対応する賃金改善を実施します。

ただし、賃金改善の基準点と、実際に昇給や手当の支給を開始する時期は別の問題です。

実際の支給時期については、対象年度の通知や計画書の取扱いを確認する必要があります。

⑤ まとめ

賃金改善の基準点は、**「加算を算定する年度に、処遇改善加算による賃金改善がなかったと仮定した場合の賃金水準」**です。

したがって、令和8年度の賃金改善額を計算する場合も、単純に令和7年度の給与と比較するのではなく、令和8年度の職員数や勤務状況などを考慮して算出します。

重要なのは、処遇改善加算によって、実際にどれだけ職員の賃金が改善されたかを明確にすることです。

なお、令和8年度の計画書・実績報告書で用いる具体的な基準額の計算方法は、当該年度の厚生労働省通知や記入要領に従って確認する必要があります。

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