(Q)公営住宅の立て替えに伴い入居者が転居する際に、それに要する費用が支給される場合があるが、どう取り扱ったらよいか。

(A)はい。この質問は、生活保護を受けている人が、公営住宅の建て替えによって転居することになり、自治体などから引っ越し費用を受け取った場合、そのお金を生活保護上の収入として認定するのかという質問です。

① 結論

公営住宅の建て替えに伴って支給される転居費用については、実際に転居に必要な費用に充てられる場合、その必要額を収入認定から除外できると考えられます。

ただし、支給されたお金の全額が無条件に収入認定から除外されるわけではありません。

② なぜ収入認定から除外できるのですか?

公営住宅の建て替えに伴う転居は、入居者が自分の都合で引っ越すのではなく、住宅の建て替えによって必要になるものです。

そのため、自治体などから支給される転居費用は、通常の生活費を補うためのお金ではなく、転居に伴う特別な支出を補うためのお金と考えられます。

生活保護では、このような金銭について、実際の支給目的や使途を確認して収入認定の取扱いを判断します。

③ 具体例

生活保護を受けているAさんが、市営住宅の建て替えによって転居することになりました。

市から転居費用として20万円が支給されたとします。

実際の費用が次のとおりだった場合です。

項目金額
引っ越し業者への支払い10万円
転居に必要なその他の費用5万円
合計15万円

この場合、転居に必要な15万円については、収入認定から除外することが考えられます。

一方、残りの5万円については、支給金の性質や使途などを確認し、収入認定の要否を判断する必要があります。

④ 生活保護の引っ越し費用との関係

ここで注意したいのは、自治体から転居費用が支給されている場合、同じ費用を生活保護の住宅扶助から重複して支給することはできないという点です。

例えば、引っ越し業者への支払いが10万円で、その全額が公営住宅の建て替えに伴う転居費用として支給されている場合、原則として同じ10万円を住宅扶助から再度支給することはできません。

一方、自治体からの支給額だけでは必要な転居費用を賄えない場合には、生活保護の基準や要件に照らして、追加の支給が可能かを検討することになります。

⑤ 福祉事務所が確認する事項

実務上は、次の点が重要です。

  1. 公営住宅の建て替えに伴う転居であること。
  2. 転居費用の支給主体と支給目的。
  3. 実際に必要となる転居費用の金額。
  4. 支給された金銭の使用状況。
  5. 生活保護の住宅扶助との重複がないこと。

⑥ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

公営住宅の建て替えに伴い、入居者に転居費用が支給された場合、その費用が実際に転居に必要な経費に充てられるときは、必要な範囲で収入認定から除外することが考えられます。

ただし、転居費用として支給された金銭の性質や使途を確認し、生活保護の住宅扶助との重複支給が生じないように取り扱う必要があります。

ポイントは、公営住宅の建て替えによって必要となった転居費用なのか、通常の生活費に充てられる金銭なのかを区別することです。

⇓

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所