(Q1)局長通知第8の2の(4)のただし書きにおいて、「社会福祉法人、新聞社、当該被保護世帯の自立更生を援助するために特に設立された団体等、金融機関以外の者であって、当該金銭を安全に管理しうると認められるもの」とは、どのような者を指しますか?(Q2)自立更生を目的とした恵与金や補助金等の預託について、どのような規定がありますか?

(A1)はい。この質問は、生活保護受給者が自立更生のために受け取った金銭を、銀行などの金融機関以外のどのような団体や人に預けることができるのかという質問です。

① 結論

局長通知第8の2の(4)のただし書きにいう「適当な者」とは、自立更生のための金銭を、安全かつ確実に管理できると認められる、金融機関以外の団体や人を指します。

具体的には、次のような団体が挙げられています。

  • 社会福祉法人
  • 新聞社
  • 生活保護世帯の自立更生を援助するために特別に設立された団体
  • その他、金銭を安全に管理できると認められる者

これは、厚生労働省の課長通知第8・問34で示されている取扱いです。

② 具体的には、どのような団体ですか?

預託先具体的な説明
① 社会福祉法人社会福祉事業を行う法人で、預託金を適切に管理できるもの
② 新聞社福祉事業や援助活動などを通じて、金銭を適切に管理できるもの
③ 自立更生を援助するための団体生活保護世帯の自立を支援する目的で設立され、金銭の管理能力がある団体
④ その他の適当な者上記以外でも、安全かつ確実に金銭を管理できると認められる者

重要なのは、団体の名称ではなく、預かったお金を安全に管理できるかどうかです。

③ 民生委員に預けることもできますか?

はい。民生委員への預託も認められる場合があります。

生活保護問答集の問8-50では、社会福祉協議会や公益法人などへの預託が考えられる一方、民生委員についても、特に承諾が得られる場合には預託して差し支えないとされています。

ただし、民生委員であれば誰でも当然に預託先になれるという意味ではありません。

預託金を安全かつ確実に管理できることが必要です。

④ なぜ第三者に預ける必要があるのですか?

例えば、生活保護受給者が親族から、将来の資格取得費用として50万円を贈与されたとします。

しかし、資格取得の講座が始まるのは1年後です。

そのため、50万円をすぐに使用することができません。

このような場合、将来の自立更生のために必要となるまで、適切な第三者に預けて管理することが考えられます。

預託する目的は、主に次の3つです。

  1. 金銭を安全に保管すること
  2. 自立更生以外の目的に使用されることを防ぐこと
  3. 必要な時期に、予定された目的のために使用できるようにすること

⑤ 福祉事務所が確認するポイント

実務上は、次の事項を確認することが重要です。

  • 預託先が信頼できる団体や人であるか。
  • 預かった金銭を他の資金と区別して管理できるか。
  • 預託した金額や使用状況を確認できるか。
  • 必要な時期に金銭を確実に引き出せるか。
  • 自立更生のための具体的な計画があるか。

なお、これらは安全な管理を確認するための実務上の確認事項です。

第三者に預けたという事実だけで、必ず収入認定から除外されるわけではありません。

⑥ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

局長通知第8の2の(4)のただし書きにいう「適当な者」とは、社会福祉法人、新聞社、自立更生を援助するために設立された団体など、金融機関以外で金銭を安全に管理できると認められる者をいいます。

また、民生委員についても、特に承諾が得られ、安全かつ確実な管理ができる場合には、預託先として認められることがあります。

つまり、「どの団体に預けるか」だけでなく、「自立更生のためのお金を安全かつ確実に管理できるか」が判断のポイントです。

根拠通知: 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」第8・問34

(A2)はい。この質問は、生活保護を受けている人が、自立更生のために受け取った恵与金や補償金などを、すぐに使わず、将来のために預けておくことが認められるのかという質問です。

① 結論

自立更生を目的とした恵与金や補償金等は、すぐに使用できない場合でも、将来の自立更生に充てるため、適当な第三者に預託することが認められています。

そして、一定の条件を満たせば、預託されている間は生活保護の収入として認定しない取扱いができます。

この取扱いは、生活保護の**局長通知第8の2の(4)**に規定されています。

② 預託とは何ですか?

「預託」とは、簡単にいうと、将来必要になるお金を、安全に管理できる第三者に預けておくことです。

例えば、生活保護受給者が親族から、資格取得費用として50万円を贈与されたとします。

しかし、資格取得の講座が始まるのは1年後です。

この場合、50万円を直ちに使用することはできません。

そこで、将来の資格取得費用として適切な団体などに預けておき、必要な時期に使用することが考えられます。

③ どのような金銭が預託の対象になりますか?

局長通知では、主に次のような金銭が対象として挙げられています。

金銭の種類具体例
① 自立更生のための恵与金親族などから贈与された就学費用や資格取得費用
② 災害等による補償金災害によって受けた損害に対する補償金
③ 保険金災害や死亡などによって支払われる保険金
④ 災害見舞金被災者の生活再建などを目的とする見舞金
⑤ 財産の売却収入福祉事務所の指導・指示によって財産を売却した代金

ただし、これらの金銭がすべて無条件に預託できるわけではありません。

自立更生のために必要と認められる金額が対象となります。

④ どのような場合に預託が認められますか?

主に次の条件が重要です。

1.自立更生のための費用であること

例えば、就学費用、資格取得費用、住宅修繕費用など、生活の再建や自立に必要な用途であることです。

2.直ちに使用できない事情があること

例えば、進学するのが1年後である場合や、住宅修繕工事の開始まで数か月かかる場合などです。

3.将来の使用目的が具体的であること

何のために、いつ頃、いくら使用する予定なのかを明らかにする必要があります。

4.適当な第三者に預託すること

預託先には、金銭を安全かつ確実に管理できることが求められます。

5.福祉事務所が必要性を確認すること

必要に応じて自立更生計画を提出し、福祉事務所が使途や必要額を確認します。

なお、局長通知第8の2の(5)では、必要がある場合に自立更生計画を徴することができるとされています。

⑤ どこに預託できますか?

預託先としては、次のような団体などが考えられます。

  • 社会福祉法人
  • 社会福祉協議会
  • 新聞社
  • 自立更生を援助するために設立された団体
  • その他、金銭を安全に管理できると認められる者

また、民生委員についても、特に承諾が得られる場合には預託先として認められることがあります。

ただし、民生委員に預ける場合も、安全かつ確実に管理できることが必要です。

この取扱いについては、生活保護問答集の問8-50でも説明されています。

⑥ 預託できる期間はどのくらいですか?

局長通知第8の2の(4)では、預託期間について一律の年数は示されていません。

ただし、自立更生計画については、生活保護問答集の問8-49で、おおむね将来5年程度の範囲で完了する具体的な計画とする考え方が示されています。

したがって、何年でも自由に預けておけるということではありません。

将来の使用目的や実現可能性を確認する必要があります。

⑦ 預託したお金は収入認定されませんか?

適切に預託され、自立更生のための資金として認められている間は、収入認定しない取扱いができます。

ただし、次のような場合には注意が必要です。

  • 自立更生の計画がなくなった場合
  • 当初の目的とは異なる用途に使用した場合
  • 必要額を超える金銭がある場合
  • 預託の実態がなくなった場合

このような場合には、収入認定の取扱いを改めて確認する必要があります。

⑧ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

自立更生を目的とした恵与金や補償金等については、直ちに使用できない場合でも、将来の自立更生のために適当な第三者へ預託することが認められています。

そして、預託されている間は、一定の条件の下で収入認定から除外することができます。

つまり、「今すぐ使わないから収入として認定する」のではなく、「将来の自立更生のために必要なお金として、適切に管理されているか」が重要ということです。

根拠通知: 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」局長通知第8の2の(4)

⇓

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所