(Q) 三の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律に基づき、外国から帰国した者が、出迎える人がなく、かつ資力がないため上陸地において帰臼費を支給した場合、この費用は繰替支弁と解釈してよいのでしょうか。
(A)なぜ繰替支弁になるのか
外国から帰国した人について、
- 上陸地に出迎える家族などがいない
- 本人に帰郷するための資力がない
- 帰住先まで移動する旅費が必要である
という場合、上陸地を管轄する福祉事務所が、ひとまず帰郷旅費を支給します。
しかし、本来の保護実施責任は、原則として帰国者の帰住地を管轄する福祉事務所が負います。そのため、上陸地の自治体が支給した費用は、上陸地の自治体が一時的に立て替えたものとして扱われます。
生活保護問答集でも、この場合について「繰替支弁と解釈してよいか」との問いに対し、**「お見込みのとおりである」**と示されています。
費用精算の流れ
例えば、海外から下関市に上陸した人が、神戸市へ帰る予定であるものの、所持金がなく、出迎える人もいない場合は、次のようになります。
- 下関市が、神戸市までの必要な帰郷旅費を支給する
- 帰国者は神戸市の帰住先へ移動する
- 本来の実施責任を負う神戸市側に、下関市が費用を請求する
- 神戸市側が、下関市の立て替えた費用を精算する
過去の厚生省通知でも、上陸地の自治体が生活保護法第19条第2項により保護を行い、必要な費用を一時的に繰替支弁し、その費用の精算を速やかに行う取扱いが示されています。
「国援法による帰郷費」との違い
注意点として、「国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律」第4条には、厚生労働大臣が帰国者に帰郷費を貸し付ける制度も定められています。これは、生活保護による繰替支弁とは制度上別のものです。
今回の質問は、上陸後、出迎えや資力がないため、上陸地の福祉事務所が生活保護として帰郷旅費を支給した場合を指すものと考えられます。この場合には、繰替支弁として扱います。
まとめ
国援法により帰国した人が、出迎える人も資力もなく、上陸地の福祉事務所から帰住地までの旅費を生活保護として支給された場合、その費用は繰替支弁として処理します。
つまり、上陸地の自治体が一時的に立て替え、本来の保護実施責任を負う帰住地の自治体との間で費用を精算するということです。
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