(Q1)住宅ローンの返済方法や支払いスケジュールにはどのような種類がありますか?(Q2)住宅ローンの再申請や変更手続きはどのように行いますか?

(A1)住宅ローンの返済方法は、主に**「毎月の返済額をどう計算するか」と、「いつ・どのように追加返済するか」**によって分かれます。

1.元利均等返済

元金と利息を合わせた毎月の返済額が、原則として一定になる返済方法です。

返済当初は利息の割合が多く、返済が進むにつれて元金の割合が増えていきます。住宅ローンでは一般的に利用される方法です。

メリット

  • 毎月の支払額がほぼ一定で、家計を管理しやすい
  • 返済開始当初の負担が元金均等返済より軽い

デメリット

  • 同じ金利・返済期間なら、元金均等返済より総返済額が多くなる傾向がある
  • 返済当初は元金が減りにくい

2.元金均等返済

毎月返済する元金の額を一定にし、それに残高に応じた利息を加える方法です。

返済当初の支払額が最も多く、その後は元金残高が減るにつれて、毎月の返済額も少なくなります。

メリット

  • 元金が早く減る
  • 元利均等返済より総利息を抑えやすい
  • 返済が進むほど月々の負担が軽くなる

デメリット

  • 返済開始当初の支払額が高い
  • 当初の収入に余裕が必要

3.毎月払い

毎月決められた日に、一定の返済額を口座引落しなどで支払う方法です。

収入が毎月安定している人に向いており、最も基本的な支払スケジュールです。

4.ボーナス併用払い

毎月の返済に加えて、年2回などのボーナス月に多めに返済する方法です。住宅ローンによっては、借入額の一定割合をボーナス返済分に設定できます。

例えば、

  • 毎月8万円
  • 6月と12月に、それぞれ20万円を追加

という支払方法です。

ただし、ボーナスは会社の業績などで減額・不支給になる可能性があるため、ボーナス返済の割合を大きくしすぎると負担が重くなります。

5.一部繰上返済

毎月の返済とは別に、まとまった資金でローン元金の一部を早く返す方法です。

主に次の2種類があります。

期間短縮型

毎月の返済額は原則として変えず、返済期間を短くします。

  • 利息の軽減効果が大きい
  • 早く完済したい人に向いている

返済額軽減型

返済期間は変えず、毎月の返済額を少なくします。

  • 毎月の家計負担を減らせる
  • 収入減少や教育費増加などに対応しやすい

住宅金融支援機構も、一部繰上返済について、返済期間を短縮する方法と、毎月の返済額を減らす方法を案内しています。

6.全額繰上返済

ローンの残額を一括で支払い、予定より早く完済する方法です。

住宅の売却、退職金、相続などでまとまった資金を得た場合に行われます。ただし、金融機関や契約内容によっては、事前申出や手数料、違約金などが必要になることがあります。

7.返済期間を延長する方法

病気、失業、収入減少などで毎月の返済が難しくなった場合、金融機関との協議により返済期間を延長し、毎月の返済額を下げる方法があります。

ただし、返済期間を長くすると、毎月の負担は軽くなる一方、支払う利息の総額は増える傾向があります。住宅金融支援機構にも、一定の要件のもとで返済期間延長などの変更制度があります。

8.一定期間だけ返済額を減らす方法

金融機関との協議により、一定期間について、

  • 元金返済を据え置き、利息だけ支払う
  • 毎月の返済額を減額する
  • ボーナス返済を停止する

などの変更が認められることがあります。

ただし、減額した元金は免除されるわけではなく、後で返済する必要があります。

返済方法の比較

方法毎月の負担総利息特徴
元利均等返済一定で管理しやすいやや多くなりやすい一般的な返済方法
元金均等返済当初は高く、徐々に減少少なくなりやすい元金が早く減る
ボーナス併用毎月分は軽くできる条件によるボーナス減少に注意
期間短縮型繰上返済原則変わらない大きく減らしやすい完済時期が早まる
返済額軽減型繰上返済少なくなる減少する家計負担を軽減
返済期間延長少なくなる増えやすい返済困難時の対応

生活保護との関係

生活保護費から住宅ローンを返済することは、原則として認められません。

返済が困難になった場合は、保護費から無理に支払うのではなく、金融機関へ早めに相談し、

  • 返済期間の延長
  • 一時的な返済額の減額
  • ボーナス返済の変更
  • 任意売却

などを検討する必要があります。

元利均等返済は家計管理をしやすく、元金均等返済は総利息を抑えやすいという違いがあります。どの方法が適しているかは、現在の収入だけでなく、将来の収入減少、退職時期、教育費、医療・介護費なども踏まえて判断することが大切です。

(A2)住宅ローンの「再申請」や「変更手続き」は、主に次の3つに分かれます。

  1. 審査に落ちた後、同じ金融機関または別の金融機関へ再申請する
  2. 返済中の住宅ローンについて、返済期間や返済額を変更する
  3. 別の金融機関へ借り換える

手続きや審査基準は金融機関によって異なるため、まず現在の借入先に相談することが基本です。

1.審査に落ちた後の再申請

住宅ローンの審査に通らなかった場合でも、再申請は可能です。ただし、前回とまったく同じ内容ですぐに申請しても、結果が変わらない可能性があります。

まず、次のような点を見直します。

  • 借入希望額を減らす
  • 頭金を増やす
  • 自動車ローンやカードローンを減らす
  • 勤続期間や収入状況が改善するまで待つ
  • 返済期間を見直す
  • 配偶者との収入合算やペアローンを検討する
  • 購入する物件を変更する
  • 別の金融機関へ申し込む

ただし、短期間に多数の金融機関へ一斉に申し込むのは避け、審査に通らなかった原因を整理してから再申請することが大切です。

再申請で必要となる主な書類

一般的には、次のような書類を改めて提出します。

  • 本人確認書類
  • 源泉徴収票、確定申告書、課税証明書
  • 給与明細書
  • 勤務先や勤続年数が分かる資料
  • 預金通帳
  • 他の借入れの残高証明書
  • 売買契約書、重要事項説明書
  • 土地・建物の登記事項証明書
  • 建築確認関係書類

前回の申請後に収入や借入状況が変わった場合は、その変化を示す資料も提出します。

2.返済中の住宅ローンの条件変更

収入減少、病気、失業、退職などによって返済が難しくなった場合は、借入先の金融機関へ返済条件の変更を相談します。

住宅金融支援機構では、返済中の金融機関へ相談し、申請書と必要書類を提出した後、審査を受け、承認されれば変更契約を結ぶという流れが案内されています。

変更できる可能性がある内容

金融機関やローン商品によって異なりますが、次のような変更が考えられます。

  • 返済期間の延長
  • 毎月の返済額の減額
  • 一定期間、元金の返済を据え置く
  • ボーナス返済を取りやめる
  • ボーナス返済月を変更する
  • 毎月返済とボーナス返済の割合を変更する
  • 返済日を変更する
  • 返済期間を短縮する
  • 元利均等返済と元金均等返済を変更する

住宅金融支援機構では、返済日の変更、ボーナス払いの変更、毎月払いとの配分変更、返済方式の変更、返済期間の短縮などの変更例が示されています。

ただし、すべての金融機関が返済期間の延長や返済額の減額に対応しているわけではありません。商品によっては変更できない場合もあります。

3.条件変更に必要となる主な書類

金融機関によって異なりますが、一般的には次の資料を求められます。

書類確認される内容
返済条件変更申請書希望する変更内容
本人確認書類氏名・住所
収入証明書現在の収入
給与明細・年金通知書毎月の収入状況
預金通帳家計と返済状況
住宅ローン返済予定表残高・返済期間
家計収支表返済可能額
退職証明書・離職票失業や退職の事実
診断書・医療費資料病気による収入減少
他の借入れの資料世帯全体の債務状況

金融機関から指定された書式がある場合は、その書式を使用します。

4.条件変更の手続きの流れ

一般的には、次の順序で進みます。

①借入先へ早めに相談する
返済を滞納する前に、住宅ローンの相談窓口へ連絡します。

②現在の収入・支出を説明する
なぜ返済が難しくなったのか、今後いくらなら返済できるかを説明します。

③変更案を比較する
返済期間の延長、返済額の減額、元金据置きなどについて、変更後の返済額と総返済額を確認します。

④申請書と必要書類を提出する
金融機関が返済継続の可能性を審査します。

⑤承認後、変更契約を締結する
新しい返済予定表に基づいて返済を開始します。

金融庁も、住宅ローンの返済が困難な利用者について、金融機関が顧客の事情を踏まえて条件変更の相談に対応するよう求めています。

5.条件変更の注意点

返済期間を延長すると毎月の返済額は下がりますが、支払う利息が増え、最終的な総返済額が増えることがあります。住宅金融支援機構も、期間延長によって利息負担と総返済額が増える点を注意事項として示しています。

また、次の点にも注意が必要です。

  • 条件変更手数料がかかる場合がある
  • 保証会社の承認が必要な場合がある
  • 返済期間には年齢による上限がある
  • 条件変更後の借り換え審査に影響する可能性がある
  • 滞納後は選択肢が少なくなることがある

変更後の毎月返済額だけでなく、利息を含む総返済額も確認することが重要です。

6.借り換えをする場合

現在のローンより低い金利や有利な条件の商品へ変更するには、別の金融機関で借り換え審査を受けます。

借り換えでは、新しい金融機関から借りた資金で現在の住宅ローンを完済し、その後は新しい金融機関へ返済します。

ただし、借り換えには、

  • 事務手数料
  • 保証料
  • 登記費用
  • 司法書士費用
  • 現在のローンの繰上返済手数料

などがかかる場合があります。金利差だけではなく、諸費用を含めた総額で判断する必要があります。

生活保護を申請している場合

生活保護費から住宅ローンを返済することは原則として認められません。

返済が困難な場合は、金融機関へ条件変更を相談するとともに、福祉事務所にも住宅とローンの状況を申告し、住宅の売却、任意売却、債務整理などを含めて検討する必要があります。

まとめ

住宅ローンの再申請・変更は、次の流れで進めます。

審査落ち後の再申請
→ 借入額や他の借入れ、収入状況を改善して再度申し込む

返済条件の変更
→ 現在の借入先へ相談し、収入資料や家計収支表を提出して審査を受ける

借り換え
→ 別の金融機関へ新たに申し込み、承認後に現在のローンを完済する

返済が厳しくなった場合は、滞納してからではなく、返済が難しくなると分かった段階で金融機関へ相談することが重要です。

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