(Q1)重度障害者が近隣に住む扶養義務者の介護を受けている場合、家族介護料および他人介護料の認定はどのように行われますか?(Q2)世帯分離されて保護を受けている重度障害者が、保護を受けていない家族から介護を受けている場合、家族介護料および他人介護料の認定はどのようになりますか?
(A1)結論として、近隣に住む扶養義務者が介護している場合は、原則として家族介護料も他人介護料も認定されません。
なぜ家族介護料は出ないのか
家族介護料は、原則として、生活保護上の同一世帯に属する家族が、日常的・継続的に介護している場合に認定されます。
近隣に住んでいても、扶養義務者が重度障害者とは別世帯であれば、「同一世帯の家族による介護」には当たりません。そのため、通常は家族介護料の対象になりません。
なぜ他人介護料も出ないのか
父母、子、兄弟姉妹などの扶養義務者が介護している場合、その介護は、生活保護上、**金銭ではなく介護という形で行われる「現物による扶養」**として取り扱われます。
したがって、その扶養義務者を家族以外の有償の介護人とみなして、他人介護料を支給することはできません。
厚生労働省の生活保護問答集では、近隣に住む扶養義務者から介護を受けている場合について、扶養義務者による介護を現物による扶養として捉え、他人介護料の支給は認められないと示されています。
分かりやすい整理
| 介護する人の状況 | 家族介護料 | 他人介護料 |
|---|---|---|
| 同一世帯の家族が継続的に介護 | 認定される可能性あり | 原則認定されない |
| 近隣に住む別世帯の扶養義務者が介護 | 原則認定されない | 原則認定されない |
| 扶養義務のない第三者に有償で依頼 | 認定されない | 必要性・実費を確認して認定の可能性あり |
具体例
重度障害者が一人暮らしをしており、近くに住む別世帯の母親や成人した子が、毎日訪問して食事、排せつ、入浴などを介助している場合です。
この場合、
- 別世帯なので家族介護料は通常認められない
- 母親や子は扶養義務者なので、介護は現物による扶養と扱われる
- そのため、母親や子に支払うための他人介護料も認められない
という取扱いが基本です。
ただし、扶養義務者の介護だけでは必要な介護を確保できず、別に第三者の有償介護が必要な場合は、障害福祉サービスの利用状況や実際の介護費用を確認したうえで、第三者に係る他人介護料が個別に検討される余地があります。近隣親族が介護しているという理由だけで、必要な公的サービスまで受けられなくなるわけではありません。
(A1)世帯分離によって重度障害者本人だけが生活保護を受け、保護を受けていない家族が介護している場合、原則として「家族介護料」も「他人介護料」も認定されません。
家族介護料について
家族介護料は、重度障害者をその者と同一の被保護世帯に属する世帯員が介護している場合に認定される加算です。
世帯分離されている場合、介護している家族は生活保護上、本人の被保護世帯の世帯員として保護費を計算されていません。そのため、その家族が実際に介護していても、通常は家族介護料の対象になりません。
家族介護料の制度自体も、「障害者本人と同一世帯に属する者が介護する場合」に算定するものと説明されています。
他人介護料について
では、世帯分離された家族を「家族以外の介護人」として、他人介護料を認定できるかというと、原則としてできません。
生活保護上の他人介護料では、同一世帯内にいる者については、世帯分離されている者も含めて、他人介護人として取り扱わないという運用が示されています。
世帯分離は、保護費の計算上、例外的に世帯を分けて扱うものです。家族関係や実際の共同生活までなくなるわけではありません。厚生労働省の実施要領でも、世帯分離は世帯単位の原則に対する例外的な取扱いとされています。
分かりやすい例
重度障害者である本人だけが生活保護を受け、同じ家に住む母親は世帯分離されて生活保護を受けていないとします。
母親が毎日、
- 食事介助
- 着替え
- 排せつ介助
- 入浴介助
- 移動や見守り
を行っていても、原則として、
| 介護料 | 取扱い |
|---|---|
| 家族介護料 | 母親が被保護世帯員ではないため認定されない |
| 他人介護料 | 世帯分離された家族を「他人」とは扱わないため認定されない |
となります。
例外的に他人介護料を検討できる場合
保護を受けていない家族が介護できない時間について、家族とは別の第三者に有償で介護を依頼する必要がある場合は、その第三者にかかる費用について他人介護料を検討できる可能性があります。
ただし、その場合も先に、
- 介護保険
- 介護扶助
- 障害福祉サービス
- 居宅介護や重度訪問介護
などを利用し、それでも必要な介護が不足することが基本的な条件になります。
したがって、まとめると、世帯分離された保護外の家族による介護には、家族介護料は付かず、その家族を他人介護人として他人介護料を付けることも原則できないという取扱いです。
(A2)結論として、生活保護上の世帯分離をしている家族が介護している場合、その家族による介護については、通常、家族介護料も他人介護料も認定されません。
家族介護料は認定されない
家族介護料は、重度障害者をその本人と同じ被保護世帯に属する人が介護している場合に認定されるものです。
世帯分離によって、
- 重度障害者本人は生活保護を受けている
- 介護する家族は生活保護を受けていない
という状態では、介護する家族は本人の「同一被保護世帯員」ではありません。
そのため、家族が食事、排せつ、入浴などを毎日介助していても、その家族による介護を理由に家族介護料を算定することはできないという取扱いになります。家族介護料については、重度障害者と同一世帯に属する者が介護することが要件とされています。
他人介護料にも切り替えられない
世帯分離されているからといって、その家族を「他人介護人」として扱うことも、原則としてできません。
世帯分離は、生活保護費の計算上、例外的に一部の世帯員を分けて取り扱う制度です。家族関係や実際の共同生活までなくなるわけではありません。厚生労働省の実施要領でも、世帯分離は世帯単位の原則に対する例外的な取扱いであり、分離の要件を継続的に確認する必要があるとされています。
したがって、
保護を受けていない家族だから「他人」に当たる
という考え方にはなりません。
分かりやすい例
本人だけが世帯分離によって生活保護を受け、同じ家に住む母親は生活保護を受けていないとします。
母親が毎日、食事・排せつ・入浴・移動などを介助していても、原則として次の取扱いです。
| 介護料 | 認定 |
|---|---|
| 家族介護料 | 母親が同一被保護世帯員ではないため、認定されない |
| 他人介護料 | 母親を他人介護人とは扱わないため、認定されない |
第三者による介護が必要な場合
一方、家族の介護だけでは足りず、家族とは別の第三者に有償で介護を依頼しなければならない場合は、その第三者について他人介護料を検討できる可能性があります。
ただし、障害福祉サービス、介護保険、介護扶助などを利用してもなお介護が不足し、実際に介護人を付ける費用が必要であることなどを、福祉事務所が確認します。
したがって、この質問の答えは、
世帯分離され、保護を受けていない家族による介護については、家族介護料は認定されず、その家族を他人として他人介護料を認定することも原則できない。
ということです。
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