(Q1)重心多機能型生活介護事業所において、基本報酬や加算(常勤看護職員等配置加算、人員配置体制加算)は、どのように算定されますか?例:重症心身障害児者を主として通わせる多機能型生活介護事業所が、児童発達支援等を一体的に行う場合、報酬や加算の算定方法に特例はありますか?(Q2)重心多機能型事業所の利用定員や配置体制によって、生活介護の基本報酬や加算はどのように変わりますか?例:利用定員や人員配置体制が異なる場合、報酬や加算の算定にどのような影響がありますか?
(A1)結論
重症心身障害児者を主な対象とする生活介護と、児童発達支援・放課後等デイサービスなどを一体的に行う重心多機能型事業所には、通常の多機能型とは異なる定員区分の特例があります。
多機能型事業所の人員配置の特例を使い、一体的に運営している場合は、
基本報酬だけでなく、常勤看護職員等配置加算と人員配置体制加算も、原則として事業所全体の利用定員で区分を判断します。
例えば、生活介護、児童発達支援、放課後等デイサービスを通じた事業所全体の利用定員が5名であれば、次の区分になります。
| 報酬・加算 | 適用する定員区分 |
|---|---|
| 生活介護の基本報酬 | 定員5名以下 |
| 常勤看護職員等配置加算 | 定員5名以下 |
| 人員配置体制加算 | 定員20名以下 |
1.重心多機能型事業所とは
ここでいう重心多機能型事業所とは、主として重症心身障害児者を対象として、例えば次のサービスを一体的に行う事業所です。
- 生活介護
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
この形態では、原則として各サービスごとに定員を分けるのではなく、すべての事業を通じた一体的な利用定員を設定します。利用定員は、全事業を通じて5人以上とすることができる特例があります。
2.基本報酬の算定方法
生活介護の基本報酬は、重心多機能型事業所全体の利用定員に応じて算定します。
具体例
事業所全体の利用定員が5名で、生活介護と児童発達支援等を一体的に行っている場合は、
生活介護の基本報酬は「定員5名以下」の区分
を使用します。
通常の多機能型や離島等の多機能型では、生活介護の基本報酬について「5名以下」の区分を使えない場合がありますが、この小規模な定員区分は、重心多機能型を考慮して設けられた特例です。
3.常勤看護職員等配置加算の算定方法
通常の多機能型生活介護では、常勤看護職員等配置加算は、生活介護部分の定員で区分を判断します。
しかし、重心多機能型事業所では各事業を一体的に行い、事業ごとの定員を定めていないため、
事業所全体の利用定員に応じて加算区分を判断します。
事業所全体の利用定員が5名であれば、常勤看護職員等配置加算は「定員5名以下」の区分です。
ただし、定員区分が該当するだけで加算できるわけではありません。看護職員の配置人数など、常勤看護職員等配置加算そのものの要件を満たす必要があります。
また、看護職員の配置状況についても、生活介護部分だけでなく、一体的に運営する事業所全体の配置に基づいて確認します。
4.人員配置体制加算の算定方法
人員配置体制加算についても同様です。
重心多機能型事業所では、
事業所全体の利用定員を使って定員区分を判断します。
事業所全体の利用定員が5名の場合は、
「定員20名以下」の区分
を使用します。
ただし、実際に加算を算定するには、重度利用者の割合や直接支援職員の配置割合など、算定しようとする人員配置体制加算(Ⅰ)・(Ⅱ)・(Ⅲ)等の個別要件を満たす必要があります。
つまり、「定員20名以下の区分になる」ことと、「加算自体の要件を満たしている」ことの両方が必要です。
5.具体例
事業所の設定
- 生活介護
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 全事業を通じた利用定員:5名
- 主な対象者:重症心身障害児者
- 人員を一体的に配置する多機能型の特例を利用
この場合の取扱いは次のとおりです。
基本報酬
事業所全体の定員5名
→「定員5名以下」の生活介護基本報酬
常勤看護職員等配置加算
事業所全体の定員5名
→「定員5名以下」の加算区分
そのうえで、必要な看護職員数などの要件を確認します。
人員配置体制加算
事業所全体の定員5名
→「定員20名以下」の加算区分
そのうえで、対象利用者の割合や職員配置割合を確認します。
6.人員配置の特例を使わない場合
ここが重要な例外です。
重心多機能型事業所であっても、サービス間で人員を一体的に配置する多機能型の特例を使わず、各サービスについて本来必要な人員をそれぞれ配置している場合は、生活介護部分の定員に応じて基本報酬や加算を算定できます。
例
- 生活介護:定員5名
- 児童発達支援:定員5名
- 放課後等デイサービス:定員5名
- 全体:15名
- 各サービスに必要な人員を特例によらず配置
この場合は、生活介護について、
生活介護の定員5名を基準に、基本報酬や加算の区分を判断できます。
したがって、常に「事業所全体の15名」で判断するわけではありません。
7.通常の多機能型との違い
| 事業所の形態 | 基本報酬 | 定員別の加算 |
|---|---|---|
| 通常の多機能型生活介護 | 多機能型事業所全体の定員 | 生活介護部分の定員 |
| 離島等の多機能型生活介護 | 多機能型事業所全体の定員 | 生活介護部分の定員 |
| 重心多機能型・人員配置特例を利用 | 事業所全体の定員 | 事業所全体の定員 |
| 重心多機能型・人員配置特例を利用しない | 生活介護部分の定員で算定可能 | 生活介護部分の定員で算定可能 |
この違いは、重心多機能型では、生活介護と児童発達支援等を定員・人員の面でも一体的に運営することが想定されているためです。
まとめ
重心多機能型生活介護事業所が児童発達支援等を一体的に行い、多機能型の人員配置特例を使っている場合は、
- 基本報酬は事業所全体の利用定員で判断する
- 常勤看護職員等配置加算も事業所全体の利用定員で判断する
- 人員配置体制加算も事業所全体の利用定員で判断する
- 看護職員等の配置状況も事業所全体で確認する
- 全事業を通じた定員が5名なら、基本報酬と常勤看護職員等配置加算は「5名以下」、人員配置体制加算は「20名以下」の区分になる
という特例があります。
一方、多機能型の人員配置特例を使わず、各サービスに必要な職員を個別に配置している場合は、生活介護部分の定員で算定することができます。
(A2)結論
重心多機能型事業所では、生活介護の基本報酬や加算の算定方法は、主に次の2点によって変わります。
- 生活介護・児童発達支援等を通じた事業所全体の利用定員
- 多機能型の人員配置特例を使っているか
特に、人員を一体的に配置する特例を使っている場合は、原則として、
生活介護部分だけの定員ではなく、事業所全体の利用定員を基準に、基本報酬や定員別加算の区分を判断します。
重症心身障害児者を主な対象とする多機能型事業所に配慮して、令和6年度から生活介護の基本報酬に「利用定員5人以下」の区分が設けられています。
1.利用定員が変わると基本報酬が変わる
生活介護の基本報酬は、利用者の障害支援区分や標準的なサービス提供時間に加えて、利用定員の規模によって単位数が異なります。
一般的には、定員が小さい区分ほど、利用者1人当たりの基本報酬が高く設定されています。
例:事業所全体の定員が5名の場合
- 生活介護
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
を一体的に行い、全事業を通じた利用定員が5名である場合は、
生活介護の基本報酬は「利用定員5人以下」の区分
で算定します。
例:事業所全体の定員が10名の場合
事業所全体の利用定員が10名であれば、
「利用定員6人以上10人以下」など、該当する定員区分
を使います。
したがって、実際に生活介護を利用している人が3名であっても、全体の利用定員が10名なら、原則として定員10名の区分で判断します。
2.人員配置特例を使う場合
重心多機能型事業所が、生活介護と児童発達支援等の職員を一体的に配置する多機能型の人員配置特例を利用している場合は、基本報酬だけでなく、定員に応じた加算についても、原則として事業所全体の定員を用います。
定員5名の例
| 算定項目 | 使用する区分 |
|---|---|
| 生活介護の基本報酬 | 利用定員5人以下 |
| 常勤看護職員等配置加算 | 利用定員5人以下の区分 |
| 人員配置体制加算 | 利用定員20人以下の区分 |
ただし、定員区分に該当するだけで、加算が自動的に算定できるわけではありません。
3.常勤看護職員等配置加算への影響
常勤看護職員等配置加算は、看護職員を常勤換算で一定数以上配置している場合に算定します。
現在の取扱いでは、看護職員を常勤換算で1人以上配置し、必要な届出を行ったうえで、定員区分に応じた単位数に、算定対象となる看護職員数を乗じる仕組みです。
例
- 重心多機能型事業所全体の定員:5名
- 看護職員:常勤換算2.4人
小数点以下を切り捨てて2人として扱う場合、
定員5名以下の加算単位数 × 2人
という考え方で算定します。
つまり、看護職員を多く配置すれば、その配置人数に応じて加算額が増える場合があります。
ただし、人員配置基準を満たしていない場合や、所定の減算に該当する場合には算定できないことがあります。
4.人員配置体制加算への影響
人員配置体制加算は、生活支援員などの直接支援職員を、基準より手厚く配置していることを評価する加算です。
主な配置水準は、常勤換算で次のように区分されています。
- 人員配置体制加算(Ⅰ):利用者数を1.7で除した数以上
- 人員配置体制加算(Ⅱ):利用者数を2で除した数以上
- 人員配置体制加算(Ⅲ):利用者数を2.5で除した数以上
加算(Ⅰ)や(Ⅱ)では、これに加えて、障害支援区分5・6の利用者などが一定割合以上いることも求められます。
定員5名の簡単なイメージ
仮に利用者数を5人として計算すると、
- 5人÷1.7=約2.95人
- 5人÷2=2.5人
- 5人÷2.5=2人
となります。
したがって、職員を常勤換算で約3人配置し、重度利用者の割合などの条件も満たせば、加算(Ⅰ)の対象となる可能性があります。
職員配置が2.5人程度なら加算(Ⅱ)、2人程度なら加算(Ⅲ)の対象となる可能性があります。
実際の判定では、前年度の平均利用者数や各加算の詳細要件を用いて確認します。
5.人員配置特例を使わない場合
重心多機能型事業所であっても、各サービスに必要な職員をそれぞれ独立して配置し、多機能型の人員配置特例を使っていない場合は、生活介護部分の定員を基準に算定できる場合があります。
例
- 生活介護:定員5名
- 児童発達支援:定員5名
- 放課後等デイサービス:定員5名
- 事業所全体:15名
- 各サービスに必要な職員を個別に配置
この場合、生活介護の基本報酬や定員別加算について、
事業所全体の15名ではなく、生活介護部分の定員5名
を基準に判断できる場合があります。
6.配置体制による違い
同じ利用定員であっても、配置している職員数によって、算定できる加算は変わります。
| 配置状況 | 算定への影響 |
|---|---|
| 看護職員が常勤換算1人未満 | 常勤看護職員等配置加算は原則算定不可 |
| 看護職員が常勤換算1人以上 | 同加算の対象となる可能性あり |
| 看護職員を複数配置 | 配置人数に応じて加算額が増える場合あり |
| 直接支援職員を基準どおり配置 | 人員配置体制加算は算定不可 |
| 直接支援職員を基準より手厚く配置 | 人員配置体制加算の対象となる可能性あり |
| 職員数が配置基準を下回る | 加算不可に加え、人員欠如減算の可能性あり |
具体例
ケース1:定員5名・一体的配置
- 事業所全体の定員:5名
- 多機能型の人員配置特例を利用
- 看護職員:常勤換算2人
- 直接支援職員:手厚く配置
この場合は、
- 基本報酬:定員5人以下
- 常勤看護職員等配置加算:定員5人以下の区分×看護職員2人
- 人員配置体制加算:定員20人以下の区分
として、各加算の個別要件を満たすか確認します。
ケース2:定員10名・一体的配置
- 事業所全体の定員:10名
- 人員配置特例を利用
- 看護職員:常勤換算1人
この場合は、
- 基本報酬:定員10名に対応する区分
- 常勤看護職員等配置加算:定員10名に対応する区分
- 人員配置体制加算:定員20人以下の区分
となります。
定員5名の場合と比べて、基本報酬や常勤看護職員等配置加算の1人当たり単位数が変わる可能性があります。
ケース3:各サービスに職員を個別配置
- 事業所全体:定員15名
- 生活介護部分:定員5名
- 多機能型の人員配置特例を使用しない
この場合は、生活介護部分の定員5名を基準に、基本報酬や加算区分を判断できる場合があります。
まとめ
重心多機能型事業所の報酬は、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
①人員配置特例を使っているか
②事業所全体または生活介護部分のどちらの定員を使うか
③該当する基本報酬の定員区分を選ぶ
④看護職員や直接支援職員の配置要件を確認する
簡単にいうと、
定員が小さいほど基本報酬や定員別加算が手厚くなる傾向がありますが、実際に加算できるかどうかは、看護職員や直接支援職員をどれだけ配置しているかによって決まります。
また、重心多機能型では、人員配置特例を利用している場合は事業所全体の定員、利用していない場合は生活介護部分の定員を用いることがあるという点が重要です。
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