(Q3)多機能型事業所で生活介護サービス費を算定する際、どのような点に注意すべきですか?例:多機能型事業所の特例によらない場合、算定上の注意点は何ですか?
(A3)結論
多機能型事業所で生活介護サービス費を算定するときは、まず、
多機能型事業所の定員・人員配置の特例を利用しているか
を確認する必要があります。
特に、多機能型事業所の特例によらず、各サービスに必要な職員をそれぞれ配置している場合は、
生活介護部分の利用定員に応じて、生活介護の基本報酬や加算を算定できます。
事業所全体の合計定員で算定するとは限らない点が重要です。
1.通常の多機能型の基本的な取扱い
生活介護と就労継続支援などを一体的に行う通常の多機能型事業所では、原則として次のように区別します。
| 算定項目 | 定員の考え方 |
|---|---|
| 生活介護の基本報酬 | 多機能型事業所全体の利用定員 |
| 常勤看護職員等配置加算 | 生活介護部分の利用定員 |
| 人員配置体制加算 | 生活介護部分の利用定員 |
例えば、
- 生活介護:8名
- 就労継続支援A型:16名
- 事業所全体:24名
の場合、基本報酬は「21人以上30人以下」、常勤看護職員等配置加算は生活介護定員8名に対応する「6人以上10人以下」、人員配置体制加算は「20人以下」の区分になります。
2.重心多機能型で特例を使う場合
重症心身障害児者を主な対象として、生活介護と児童発達支援・放課後等デイサービスを一体的に行い、多機能型の人員配置特例を利用する場合は、事業ごとの定員を分けずに運営します。
この場合は、
- 基本報酬
- 常勤看護職員等配置加算
- 人員配置体制加算
のいずれも、原則として事業所全体の利用定員に応じて区分を判断します。また、看護職員などの配置状況も事業所全体で確認します。
3.特例によらない場合の重要な取扱い
一方、重心多機能型事業所であっても、職員配置について多機能型の特例を使わず、
生活介護、児童発達支援、放課後等デイサービスの各サービスに必要な人員を、それぞれ独立して配置している場合
は、生活介護の基本報酬や加算を、生活介護部分の定員に応じて算定します。
具体例
- 生活介護:定員5名
- 児童発達支援:定員5名
- 放課後等デイサービス:定員5名
- 事業所全体:定員15名
- 各サービスに必要な職員を個別に配置
この場合、生活介護については、事業所全体の15名ではなく、
生活介護の定員5名以下の区分
で、基本報酬や定員別加算を算定できます。
4.特例によらない場合の注意点
① 各サービスの人員基準を個別に満たす
生活介護部分については、生活介護として必要な、
- 医師
- 看護職員
- 生活支援員
- 理学療法士・作業療法士等
- サービス管理責任者
などの人員基準を満たす必要があります。
児童発達支援等についても、そのサービスに必要な職員を別に確保しなければなりません。
同じ職員を重複して、両方のサービスの配置人数として計上することはできません。ただし、法令上認められた兼務については、勤務時間や業務に支障がないことを前提に判断します。
② 勤務時間を明確に区分する
職員が複数のサービスに従事する場合は、
- 生活介護に従事した時間
- 児童発達支援に従事した時間
- 放課後等デイサービスに従事した時間
を勤務表などで明確に区分する必要があります。
一人の職員の同じ勤務時間を、複数のサービスの常勤換算に二重計上することはできません。
③ 定員をサービスごとに明確にする
特例によらない場合は、
- 生活介護の定員
- 児童発達支援の定員
- 放課後等デイサービスの定員
をそれぞれ明確に設定しておく必要があります。
生活介護の報酬をどの定員区分で請求するかは、実際の利用者数ではなく、原則として指定を受けた生活介護の利用定員で判断します。
④ 加算は個別要件も満たす必要がある
生活介護部分の定員区分が小さい区分になっても、加算を自動的に算定できるわけではありません。
例えば、常勤看護職員等配置加算では、生活介護に算入できる看護職員の常勤換算人数が要件を満たしているかを確認します。
人員配置体制加算では、生活介護の利用者数や生活介護に配置した直接支援職員数を使って確認します。多機能型事業所における人員配置体制加算の前年度平均利用者数は、原則として生活介護の利用者のみを対象にします。
⑤ 届出内容と実際の運営を一致させる
指定申請や体制届で、
- 人員配置特例を利用する
- 特例によらず個別に配置する
のどちらで届け出ているかを確認します。
届出上は個別配置となっていても、実際には職員を各サービスで共通配置している場合、報酬区分の誤りや人員欠如減算、返還の対象になる可能性があります。
5.簡単な比較
| 運営方法 | 基本報酬・加算の定員 |
|---|---|
| 重心多機能型で人員配置特例を利用 | 原則、事業所全体の定員 |
| 重心多機能型で特例によらず各サービスに人員を配置 | 生活介護部分の定員 |
| 通常の多機能型 | 基本報酬は全体定員、定員別加算は生活介護定員 |
まとめ
多機能型事業所で生活介護サービス費を算定するときは、
- 多機能型の人員配置特例を利用しているか
- 事業所全体と生活介護部分の定員がそれぞれ何人か
- 各サービスの人員を個別に配置しているか
- 職員の勤務時間を二重計上していないか
- 各加算の配置要件を生活介護部分で満たしているか
を確認することが重要です。
簡単にいうと、
特例を使って一体的に職員を配置する場合は全体定員を基準とし、特例を使わず各サービスに必要な職員を個別配置する場合は、生活介護部分の定員を基準に算定する
という違いがあります。
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