(Q1)移送費の支給が認められる具体的なケースにはどのようなものがありますか?例えば、「課第7の問30の答6や17に該当する場合等」については、移送費の支給が認められるとされています。(Q2)移送費の支給に関する取り扱いはどのように行えばよいですか?
(A1)結論
「課第7の問30の答6や17に該当する場合等」とは、
生活保護を受けるため、または自立した生活を送るために必要で、福祉事務所が特に必要と認めた移動をいいます。
そのため、これらの場合には移送費の支給が認められます。
具体的なケース
「課第7の問30の答6や17」に該当する例としては、次のようなものがあります。
① 社会福祉施設や無料低額宿泊所からアパートへ転居する場合
施設での生活を終え、自立した生活を始めるために居宅へ移る場合です。
例
- 救護施設からアパートへ転居する。
- 無料低額宿泊所から賃貸住宅へ転居する。
- 日常生活支援住居施設から地域で一人暮らしを始める。
このような転居に必要な交通費や家財の運搬費は、必要性が認められれば移送費の対象になります。
② 施設へ入所・退所する場合
例
- 救護施設へ入所する。
- 更生施設を退所する。
- 障害者支援施設へ入所する。
保護の実施上必要な移動であれば、移送費が認められます。
③ 施設見学・体験入所をする場合
正式な入所手続の一環として行われる場合です。
例
- グループホームの体験利用
- 障害者支援施設の体験入所
- 入所前の施設見学
福祉事務所の指導に基づくものであれば、交通費が認められることがあります。
④ 就職や自立のために必要な移動
例
- ハローワークでの求職活動
- 採用面接
- 就職先との面談
自立助長につながる活動として必要と認められれば、移送費の対象になります。
⑤ 学習支援事業へ参加する場合
自治体や、国・自治体の補助を受けた団体が実施する学習支援事業に参加する場合です。
例
- 市の無料学習教室
- 自治体委託の進学支援教室
- 公的補助を受けた学習支援事業
必要性が認められれば、交通費を支給できる場合があります。
共通する考え方
どのケースにも共通するポイントは、
- 生活保護の実施上必要な移動であること
- 本人の自立や生活の安定につながること
- 福祉事務所が事前に必要性を認めること
- 費用が必要最小限であること
です。
まとめ
「課第7の問30の答6や17に該当する場合等」とは、例えば、
- 社会福祉施設や無料低額宿泊所から居宅へ転居する場合
- 社会福祉施設への入所・退所
- 施設見学や体験入所
- 就職活動
- 公的な学習支援事業への参加
など、生活保護の実施や自立支援のために必要な移動を指します。
これらのケースでは、福祉事務所が必要性を認めた場合に、移送費の支給を受けることができます。
(A2)結論
「課第7の問30の答6や答17」などに該当して、転居に必要な敷金等の支給が認められる場合は、転居に伴う移送費についても、別途その必要性を確認したうえで支給できます。
具体的には、
- 本人・世帯員が新居へ移動する交通費
- 家財道具の荷造費
- 引越業者などによる運搬費
を、生活扶助の移送費として必要最小限度の額で認定する取扱いになります。
ただし、敷金等が認められたからといって、引越費用が無条件・無制限に認められるわけではありません。
基本的な考え方
転居に伴う費用は、主に次のように区分します。
| 費用 | 支給する扶助・費目 |
|---|---|
| 敷金、礼金、不動産仲介手数料等 | 住宅扶助の敷金等 |
| 本人が新居へ移動する交通費 | 生活扶助の移送費 |
| 家財の荷造費・運搬費 | 生活扶助の移送費 |
| 必要な場合の家具・家電購入費 | 一時扶助の家具什器費 |
つまり、敷金等と引越費用は別の費目として、それぞれ支給要件を確認する必要があります。
どのような転居が対象になりますか?
「課第7の問30」は、敷金等を必要とする転居の具体例を示したものです。
例えば、次のような転居です。
答6に該当する場合の例
社会福祉施設等を退所し、居宅生活へ移行する場合です。
例えば、
- 救護施設からアパートへ転居する
- 障害者支援施設から地域の住宅へ移る
- ホームレス自立支援センターから居宅へ移る
- 更生保護施設等からアパートへ転居する
などが考えられます。
答17に該当する場合の例
無料低額宿泊所等での生活を継続することが自立の妨げとなり、適切な住居・施設へ転居する場合です。
例えば、
- 住環境が著しく劣悪である
- 高額な共益費やサービス料を請求されている
- 通帳や身分証明書を取り上げられている
- 不必要な物品購入やサービス利用を強要されている
- 居宅生活は困難だが、より適切な法定施設へ移る必要がある
といった場合です。
居宅生活が難しい場合でも、要件に該当すれば、敷金等の支給を含めて適切な施設等への転居を支援することとされています。
移送費として認定できる内容
1.家財道具の荷造費・運搬費
転居に際して、家財道具を新居へ運ぶために必要な費用です。
例えば、
- 引越業者の基本料金
- 家具・家電の運搬費
- 必要な段ボール等の荷造費
- 保有が認められたエアコンの取り外し・再設置費
- やむを得ず保管していた家財を新居へ運ぶ費用
などです。
実施要領では、被保護者が転居する場合で真にやむを得ないときは、実施機関が事前に承認した必要最小限度の荷造費・運搬費を認定できるとされています。
2.本人・世帯員の交通費
現在の住居・施設から新居へ移動するための、
- 電車賃
- バス代
- 船賃
なども、必要最小限度の範囲で移送費として認定できます。
身体状況等から公共交通機関を利用できず、タクシー等が必要な場合は、その必要性を個別に確認します。
実際の取扱い手順
① 転居の必要性を確認する
まず、課第7の問30に掲げる転居理由等に該当するかを確認します。
単なる本人の希望だけではなく、
- 現在の住居を継続できない事情
- 居宅生活の可能性
- 転居が自立に役立つか
- 転居先が適切か
を調査します。
② 敷金等と移送費を分けて審査する
敷金等が支給対象であることを確認したうえで、さらに、
- 運ぶ家財が実際にあるか
- 自分や施設の車などで無料運搬できないか
- 引越業者を利用する必要があるか
- 見積額が妥当か
を確認します。
③ 原則として事前承認する
荷造費・運搬費は、引越しを行う前に福祉事務所が承認する必要があります。
本人が先に業者を決めて支払った場合は、事後的に全額認定できないことがあります。
④ 必要最小限度の額を認定する
原則として、複数の引越業者から見積りを取り、最も経済的で合理的な方法を選びます。
ただし、
- 地域に業者が少ない
- 緊急転居で時間がない
- DVや犯罪被害による避難
- 運ぶ荷物が極めて少ない
などの場合は、事情に応じて見積りの取り方を判断します。
⑤ できるだけ業者へ直接支払う
移送費は、可能な限り、
- 福祉事務所から引越業者へ直接支払う
- 乗車券を交付する
など、現物給付に近い方法で支給します。
実施要領上も、移送費は、他に経費を支出する方法がない場合に、乗車券等を交付するなど、なるべく現物給付で行うこととされています。
具体例
無料低額宿泊所の環境が著しく不適切で、福祉事務所がアパートへの転居を指導したとします。
必要な費用が、
- 敷金等:12万円
- 本人の電車代:1,000円
- 引越業者の運搬費:35,000円
であった場合、要件を満たせば、
- 12万円は住宅扶助の「敷金等」
- 1,000円と35,000円は生活扶助の「移送費」
として、それぞれ認定することができます。
注意点
移送費の支給は、次のような理由で減額・不支給となることがあります。
- 事前承認を受けずに高額な業者を利用した
- 不要な家具や大量の私物まで運搬しようとした
- 無料送迎や施設による運搬が利用できる
- 転居そのものが保護上必要と認められない
- 見積額が相場より著しく高い
- 不用品の処分費など、運搬費以外の費用が含まれている
なお、不用品処分費は、通常の荷造費・運搬費に当然含まれるとは限らず、別途必要性の検討が必要です。
まとめ
「課第7の問30の答6や答17」などに該当して転居が認められる場合は、
敷金等だけでなく、転居に必要な本人の交通費や家財の荷造費・運搬費についても、移送費として認定できる
という取扱いです。
ただし、
- 敷金等と移送費は別々に審査する
- 転居前に福祉事務所の承認を得る
- 他に費用を出す方法がないことを確認する
- 必要最小限度の実費に限る
- 原則として経済的で合理的な業者・方法を選ぶ
ことが必要です。
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