(Q1)児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、新たに時間区分が創設されたのはなぜですか?(Q2)創設された時間区分は、どのように支援提供時間に含まれるのですか?

(A1)結論

児童発達支援・放課後等デイサービスに時間区分が創設された主な理由は、実際の支援時間の長さに応じて、基本報酬をより公平かつきめ細かく評価するためです。

以前は、短時間の支援でも長時間の支援でも、基本報酬に支援時間の違いが十分反映されない仕組みでした。そこで令和6年度報酬改定から、個別支援計画に定めた支援時間に応じた報酬区分が導入されました。

なぜ見直しが必要だったのか

児童発達支援や放課後等デイサービスでは、利用児童によって支援時間に大きな違いがあります。

例えば、

  • 1時間程度の個別療育
  • 放課後から夕方までの3時間程度の支援
  • 学校休業日に長時間行う支援

など、利用方法はさまざまです。

しかし、従来の報酬では、このような時間の違いが十分反映されず、短時間支援と長時間支援の評価に差がつきにくいという課題がありました。厚生労働省の検討資料でも、支援内容や利用方法によって時間に差があるため、時間の長短を考慮した、よりきめ細かな評価が必要とされています。

時間区分の目的

1.支援量に応じて適切に評価するため

長時間支援では、短時間支援に比べて、

  • 職員を長く配置する
  • 見守りや介助を長時間行う
  • 活動や休憩の準備を行う
  • 安全管理を継続する

など、必要な職員配置や負担が大きくなります。

そのため、支援時間が長いほど、その支援量に応じた報酬とする考え方が導入されました。

2.報酬を適正化するため

短時間の支援と長時間の支援をほぼ同じように評価すると、実際に行った支援量と報酬が合わなくなる場合があります。

時間区分を設けることで、

実際の支援時間に見合った基本報酬を算定する

という報酬の適正化を図る目的があります。

3.個別支援計画に基づく支援を明確にするため

報酬区分の判断は、単に当日の滞在時間だけではなく、原則として個別支援計画に位置付けた標準的な支援時間を基に行います。

これにより、

  • なぜその時間の支援が必要なのか
  • その時間にどのような支援を行うのか
  • 利用児童の目標に合った支援か

を明確にし、単なる預かりではなく、計画的な発達支援を促す狙いがあります。

設けられた時間区分

一般的な児童発達支援・放課後等デイサービスでは、基本報酬が概ね次の時間区分に分けられました。

時間区分支援時間
区分130分以上1時間30分以下
区分21時間30分超3時間以下
区分33時間超5時間以下

放課後等デイサービスの区分3は、原則として学校休業日に限って算定します。30分未満の支援は、周囲の環境に慣れるための支援など、市町村が必要と認めた場合を除き、基本報酬の対象になりません。

長時間の預かりはどうなるのか

基本報酬の時間区分を超えて支援する場合は、一定の要件を満たせば延長支援加算で評価します。

つまり、制度上は、

  • 基本となる発達支援の時間 → 基本報酬の時間区分
  • それを超える預かりニーズへの対応 → 延長支援加算

と役割を分けて評価する考え方です。

具体例

放課後等デイサービスで、個別支援計画に次のように定めた場合です。

  • A児:支援時間1時間
    → 区分1
  • B児:支援時間2時間30分
    → 区分2
  • C児:学校休業日に支援時間4時間
    → 区分3

同じ事業所を利用していても、児童ごとの計画上の支援時間に応じて、異なる基本報酬区分を算定します。

まとめ

時間区分が創設された理由は、

支援時間の長短や必要な職員配置を基本報酬に反映し、実際の支援量に応じた公平で適正な評価を行うため

です。

また、個別支援計画に支援時間を明確に位置付けることで、単なる長時間の預かりではなく、児童一人ひとりの必要性に基づいた計画的な発達支援を推進することも目的とされています。

(A2)結論

新しく創設された時間区分では、「支援提供時間」として算定できるのは、個別支援計画に基づいて児童に対して実際に支援を行った時間です。

そのため、事業所に滞在していた時間すべてが支援提供時間になるわけではありません。

また、送迎時間や保護者への相談だけの時間などは、原則として支援提供時間には含まれません。(mhlw.go.jp)


支援提供時間に含まれるもの

時間区分の対象となるのは、児童本人に対して行う発達支援です。

例えば、次のような時間が含まれます。

  • 個別療育
  • 集団療育
  • 学習支援
  • 運動・感覚遊び
  • コミュニケーション支援
  • 日常生活動作(ADL)の訓練
  • 社会性を育てる活動
  • 個別支援計画に基づく訓練や活動

つまり、

児童の発達を目的として計画的に提供する支援の時間

が支援提供時間になります。(mhlw.go.jp)


支援提供時間に含まれないもの

原則として、次のような時間は含みません。

  • 送迎時間
  • 保護者へのみの相談・説明時間
  • 職員同士の打合せ時間
  • 記録作成の時間
  • 清掃や準備時間
  • 単なる待機時間

これらは児童本人への発達支援ではないため、時間区分の対象外です。(mhlw.go.jp)


個別支援計画が基準

時間区分は、

**実際にその日に利用した時間だけで決まるのではなく、個別支援計画に位置付けた「標準的な支援提供時間」**を基準として判断します。

例えば、

個別支援計画に

「標準的な支援時間:2時間」

と定められていれば、

基本的にはその時間区分で算定します。

ただし、児童の体調不良など、やむを得ない事情で実際の利用時間が短くなった場合は、その事情を記録したうえで算定できる場合があります。(mhlw.go.jp)


具体例

例1(支援時間に含まれる)

  • 個別療育:60分
  • 集団活動:60分

合計2時間

支援提供時間は2時間として算定します。


例2(送迎は含まれない)

  • 送迎:30分
  • 療育:2時間
  • 保護者への説明:20分

この場合、

支援提供時間は

2時間

です。

送迎や保護者説明の時間は含めません。


例3(待機時間がある場合)

  • 支援:90分
  • 自由遊びとして職員の支援なく待機:30分

待機時間が単なる預かりであれば、

支援提供時間は

90分

となります。

一方、自由遊びであっても、個別支援計画に基づき職員が発達支援として関わっている場合は、その時間を支援提供時間に含めることができます。


まとめ

時間区分における支援提供時間は、

  • 個別支援計画に基づいて児童本人へ提供した発達支援の時間
  • 送迎や保護者対応のみの時間は含まれない
  • 個別支援計画に位置付けた標準的な支援時間を基準に算定する
  • 児童の体調不良など、やむを得ない事情で利用時間が短くなった場合は例外的な取扱いがある

つまり、

時間区分は「事業所にいた時間」ではなく、「児童に対して実際に行った発達支援の時間」を基準に決める制度です。

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