(Q)借家等に居住する単身の被保護者が、医療機関・介護老人保健施設・職業能力開発校・社会福祉施設等に入院または入所する際、局第7の2の(10)の規定に基づき家財処分料の支給を認める場合であっても、必要最小限度の家財を処分せずに保管することで、退院または退所後に速やかに居宅生活へ移行することが見込まれる等、真にやむを得ない事情があると認められるときは、家財処分料と併せて局第7の2の(10)の規定により家財保管料を支給しても差し支えないか。

(A)結論

はい、支給して差し支えありません。

家財処分料を認める場合でも、退院・退所後の生活に必要な最低限の家財まで全部処分すると、居宅生活への復帰が難しくなることがあります。

そのため、**必要最小限の家財を残して保管することに真にやむを得ない事情がある場合は、家財処分料と家財保管料を併せて支給できます。**生活保護問答集の問7-73でも、この取扱いが明確に認められています。

どのような場合に併給できるか

例えば、次のような事情がある場合です。

  • 入院・入所が6か月を超える見込みで、借家を引き払う必要がある
  • 大部分の家財は処分する必要がある
  • しかし、退院・退所後に使う冷蔵庫、寝具、衣類、調理器具など、最低限の家財は残す必要がある
  • これらを保管しておけば、退院・退所後に速やかにアパート等で生活を再開できる
  • 親族宅などに無料で保管できず、本人にも保管費用を負担する余力がない

このような場合には、

  • 不要な家財の処分費用 → 家財処分料
  • 残す必要がある家財の保管費用 → 家財保管料

として、それぞれ認定できます。

判断するときのポイント

福祉事務所は、主に次の点を確認します。

  1. どの家財を処分し、どの家財を残すのか
    保管対象は、退院・退所後の生活に必要な最小限の物に限ります。
  2. 居宅生活へ戻る見込みがあるか
    退院・退所後に地域で生活する具体的な見込みが必要です。
  3. 保管した方が合理的か
    処分して退院後に買い直すより、保管する方が生活再建や費用の面で合理的かを確認します。
  4. 他に無料または低額で保管する方法がないか
    親族・施設・支援団体等による保管が利用できないかも確認します。
  5. 費用が必要最小限か
    保管する家財の量、保管場所、保管料などが過大でないことが必要です。

家財保管料の基本的な取扱い

家財保管料は、やむを得ない事情により自宅以外で家財を保管する必要があり、他からの援助等で費用を賄えない場合に認定されます。

原則として、入院・入所後1年間を限度に、月額基準の範囲内で認定されます。ただし、当初から明らかに1年以上の入院・入所が必要な場合は、原則としてこの取扱いの対象になりません。

具体例

単身の被保護者が長期入院し、借りているアパートを退去する場合を考えます。

  • 壊れた家具や不要な大型家具は処分する
  • 退院後も使える冷蔵庫、寝具、衣類、調理器具は倉庫に保管する
  • 数か月後に退院し、新しい住居で生活を再開する見込みがある

この場合は、必要性を確認したうえで、不要品の処分料と、最低限の家財の保管料を併せて支給できます。

要するに、「家財処分料を支給するなら全部処分しなければならない」ということではありません。退院・退所後の居宅生活への円滑な移行に必要な物だけを残す合理的な理由があれば、処分料と保管料を併給できるという取扱いです。

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