(Q1)入院や入所した場合、家具や家財の保管料や処分料はどのように取り扱われますか?(Q2)全員が入院・入所した場合、家財の保管や処分に関する費用は誰が負担しますか?
(A1)結論
入院・入所によって住居を明け渡す必要がある場合、単身の生活保護受給者の家財については、状況に応じて次の2つに分けて取り扱います。
- 退院・退所後に再び使用する見込みがある → 家財保管料
- 長期入院・入所で保管する必要がなく、処分が必要 → 家財処分料
どちらも自動的に支給されるわけではなく、本人の資力や他からの援助では費用を賄えないことが必要です。
1.家財を保管する場合
医療機関や社会福祉施設などに入院・入所している単身の被保護者が、やむを得ない事情により家財を自宅以外の場所へ預ける必要がある場合は、家財保管料を認定できます。
主な条件は次のとおりです。
- 単身の被保護者である
- 入院・入所により、今の住居で家財を保管できない
- 退院・退所後に家財を再び使用する見込みがある
- 親族宅などへ無料で預けることができない
- 本人の収入や援助で保管料を支払えない
- 保管する家財が最低生活上必要な範囲である
支給期間は、原則として入院・入所後1年間以内です。金額は、現在の基準では月額13,000円以内です。なお、明らかに1年を超える入院・入所が必要な場合は、家財保管料の対象とはしない取扱いです。
住宅扶助との関係
入院・入所後も一定期間、従前の家賃が住宅扶助として認められていた場合は、
12か月 − 住宅扶助を認定した月数
の残りの月数が、家財保管料を認められる期間の上限となります。
例えば、入院後3か月間、従前住居の家賃を住宅扶助で支給した場合、家財保管料を認められるのは原則として残り9か月以内です。
2.家財を処分する場合
借家などに住む単身の被保護者が入院・入所し、入院・入所の見込みが6か月を超えるため、住居を解約して家財を処分することが真に必要な場合は、家財処分料を認定できます。
主な条件は次のとおりです。
- 借家等に居住していた単身の被保護者である
- 入院・入所見込みが6か月を超える
- 住居を維持する必要性がなく、家財処分が真に必要である
- 敷金の返還金や売却代金で処分費を賄えない
- 親族や家主などから援助を受けられない
- 処分費が必要最小限である
支給額は一律の定額ではなく、処分に必要な最小限度の実費です。
具体例
保管料を認める例
単身者が手術とリハビリのため6か月程度入院することになり、アパートを解約したものの、退院後に冷蔵庫、洗濯機、寝具などを再利用する予定がある場合です。
親族宅に預けられず、保管業者を利用する必要があれば、必要最小限の保管料を原則1年以内で認定できます。
処分料を認める例
単身者が特別養護老人ホームへ長期入所することになり、アパートへ戻る見込みがなく、家具・家電を処分して退去しなければならない場合です。
敷金返還金や家財の売却代金で処分費を支払えなければ、必要最小限の処分料を認定できます。
注意点
家財の保管や処分を業者へ依頼する前に、ケースワーカーへ相談し、見積書を提出して承認を受けることが重要です。
福祉事務所は、次の点を確認します。
- 入院・入所の見込期間
- 退院・退所後に居宅生活へ戻る可能性
- 保管と処分のどちらが経済的か
- 家財の内容と再利用可能性
- 敷金、売却代金、親族援助の有無
- 複数業者の見積りなど、費用の妥当性
まとめ
| 状況 | 取扱い |
|---|---|
| 退院後に家財を再利用する見込みがある | 家財保管料を検討 |
| 入院・入所が長期で家財が不要になる | 家財処分料を検討 |
| 保管料 | 原則1年以内・月額13,000円以内 |
| 処分料 | 入院・入所見込みが6か月超で、必要最小限の実費 |
| 共通条件 | 単身世帯で、他の資力・援助で賄えないこと |
要するに、短期・一時的な入院等で退院後に家財を使うなら保管、長期入院・入所で住居へ戻る見込みがなく家財が不要なら処分という考え方です。
(A2)結論
世帯全員が入院・入所した場合でも、一定の条件を満たせば、生活保護で家財の保管料や処分料を認定することができます。
つまり、本人や家族が負担できない場合は、生活保護の一時扶助として必要な費用を支給できるという取扱いです。
家財を保管する場合
退院・退所後に自宅で生活を再開する予定があり、家具や家財を残しておく必要がある場合は、
家財保管料が認められることがあります。
例えば、
- 家族全員が一時的に入院した
- 家族全員が施設へ一時的に入所した
- 退院・退所後は再び自宅で生活する予定
という場合は、家財を保管するための必要最小限の費用を支給できます。
家財を処分する場合
一方、
- 長期間入院・入所することが決まっている
- 元の住居へ戻る見込みがない
- 住居を引き払う必要がある
という場合は、
家財処分料を認めることがあります。
誰が負担するの?
原則として、
- 本人の預貯金や収入
- 敷金の返還金
- 家財を売却した代金
- 親族などからの援助
で支払えない場合に、生活保護で必要最小限の費用を負担します。
福祉事務所が確認すること
支給するかどうかは、次のような点を確認して判断します。
- 退院・退所後に自宅へ戻る予定があるか
- 家財を保管する必要があるか
- 処分する必要があるか
- 他に費用を負担できる人や制度がないか
- 費用が必要最小限であるか
具体例
例1:保管料が認められる場合
家族全員が6か月程度入院し、その後は元の地域で生活する予定。
→ 家具を倉庫へ預ける必要があるため、家財保管料を認定できる場合があります。
例2:処分料が認められる場合
家族全員が長期施設へ入所し、自宅を解約することになった。
→ 家具や家電を処分する必要があるため、家財処分料を認定できる場合があります。
まとめ
世帯全員が入院・入所した場合でも、
- 退院・退所後に再び使う家財なら「家財保管料」
- 戻る見込みがなく処分が必要なら「家財処分料」
を、生活保護の一時扶助として必要最小限の範囲で認定できる場合があります。
ただし、本人の資力や敷金返還金、売却代金、親族からの援助などで負担できる場合は、それらを優先し、不足する場合に生活保護で支給するという考え方になります。
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