(Q1)要保護者に対して、どのような資産の申告手続きが求められていますか?(Q2)局長通知第3に基づき、資産申告を行わせる理由や目的は何ですか?

(A1)はい。生活保護では、要保護者に対して、自分や世帯が持っている資産を福祉事務所に申告する手続きが求められます。

生活保護は、利用できる資産をまず最低生活の維持のために活用することを前提とする制度です。そのため、保護の申請時には、福祉事務所が預貯金、不動産、自動車、保険、有価証券などの資産状況を確認します。厚生労働省も、生活保護の申請書には資産・収入の状況などを記載し、必要に応じて通帳の写し等の資料を提出してもらうとしています。

具体的には、一般に**「資産申告書」**に世帯の資産を記載して提出します。申告の対象になる主なものとしては、預貯金・現金、土地・建物などの不動産、自動車・バイク、生命保険等の保険、株式・国債・投資信託などの有価証券、その他換金できる資産などがあります。厚生労働省の生活保護関係帳票にも「資産申告書」が位置付けられています。

たとえば銀行口座が3つある場合は、「普段使っている口座だけ」ではなく、原則として保有しているすべての口座を申告すると考えてください。残高がほとんどない口座についても、自己判断で申告から外さず、福祉事務所に伝えるのが安全です。

また、申告した内容を確認するため、福祉事務所から通帳、残高が分かる資料、保険証券、不動産関係資料、車検証などの提出・提示を求められることがあります。さらに、生活保護法29条に基づき、必要な場合には福祉事務所が金融機関等へ照会して資産状況を調査することもあります。申請時などには、この関係先調査についての同意書を提出する取扱いも示されています。

大切なのは、資産がある=生活保護を申請できない、という意味ではないことです。例えば持ち家があっても生活保護の申請自体はできます。申告された資産について、売却・活用する必要があるのか、それとも保有を認められるのかを福祉事務所が個別に判断します。

そして、保護開始時だけでなく、保護受給中についても定期的に資産状況を確認する仕組みがあります。厚生労働省の実務資料でも、保護開始後は定期的に収入申告書や資産申告書を徴取する必要があるとされています。

したがって、簡単にまとめると、

「要保護者は、保護申請時などに資産申告書を提出し、預貯金・現金・不動産・自動車・保険・有価証券など、世帯が保有する資産を申告する。必要に応じて通帳等の資料も提出し、福祉事務所がその資産を生活のために活用すべきか、保有を認められるかを判断する」

という手続きになります。

(A2)局長通知第3に基づいて資産申告を行わせる主な目的は、要保護者・被保護者が持っている資産を正確に把握し、その資産を生活維持のために活用すべきか、保有を認めてよいかを適切に判断するためです。

生活保護は、利用できる資産や能力などを活用したうえで、なお最低生活を維持できない場合に行われる制度です。そのため福祉事務所は、現金、預貯金、動産、不動産などの資産状況を把握する必要があります。厚生労働省の実施要領でも、収入認定にあたっては、預金・現金・動産・不動産等を含めて世帯の状況を綿密に調査することとされています。

具体的には、資産申告には主に次の意味があります。

  • 現金や預貯金、不動産などを実際にどれだけ保有しているか確認する
  • その資産が、生活保護法上、処分・活用すべき資産なのかを判断する
  • 自動車や自宅など、一定の条件で保有を認められる資産なのかを確認する
  • 保護開始後に新たに資産を取得したり処分したりしていないかを把握する
  • 保護費を適正に決定し、必要な人に必要な保護を行うための基礎資料にする

特に保護受給中については、厚生労働省の「課長通知・問13」で、現金、預金、動産、不動産等について、少なくとも12か月ごとに資産申告を行わせることとされています。また、申告内容に不審がある場合は、必要に応じて関係先への調査も行うとされています。

例えば、受給者が銀行預金20万円を持っていた場合でも、

「20万円あるから直ちに保護を廃止する」

というためだけに申告させるわけではありません。

その20万円が、

保護費を節約してできた預貯金なのか、相続や贈与によって取得したものなのか、何のために保有しているのか

などを確認し、生活保護上どのように扱うべき資産なのかを判断するために資産申告を行います。

また、不動産については、固定資産税納税通知書がある場合にはその写しを提出させ、必要に応じて訪問調査などにより保有状況を確認することとされています。不動産を取得・処分した場合には、速やかに申告するようあらかじめ説明することも求められています。

したがって、簡単にまとめると、

「資産申告は、受給者の財産を取り上げること自体が目的ではなく、どのような資産をどれだけ持っているかを正確に把握し、生活保護上その資産を活用すべきか、それとも保有を認められるかを適正に判断するために行うもの」

と理解すると分かりやすいです。

記事のお問い合わせ先 生活保護専門 神戸市の義足行政書士事務所