(Q1)ひとり親世帯の親が高等学校等に就学する場合、最低生活費の認定はどのように行われますか?(Q2)高等学校等に就学しているひとり親世帯の親に対して、生活保護の基準はどのように適用されますか?
(A1)ひとり親世帯の親が高等学校等に就学する場合でも、一定の要件を満たせば、その親を世帯員として通常の生活扶助等を認定したうえで、さらに「高等学校等就学費」を最低生活費に加えて認定することができます。
ポイントは、親が高校等へ通うことが、単なる希望や余暇利用ではなく、その世帯の自立につながると認められるかです。運用上は、特に「高校等の卒業資格を持っていないひとり親」が高校等への就学を希望する場合について、本人の就学意欲が高く、生活態度などから卒業が見込まれ、高校卒業資格を取得することで就職や収入増加につながることが期待できる場合には、高等学校等就学費を認定できるとされています。
たとえば、中学校卒業後に就職し、その後ひとり親となったAさんが生活保護を受けているとします。Aさんが「高校卒業資格を取って、より安定した仕事に就きたい」と定時制高校への進学を希望し、実施機関も、卒業する見込みがあり、資格取得によって就職先の選択肢や収入が増えると判断した場合には、Aさん本人の生活扶助等を引き続き認定しながら、高校の就学費も生業扶助の高等学校等就学費として認定することが可能です。
現在の高等学校等就学費には、月額の基本額のほか、正規授業で必要な教材代、一定範囲の授業料・入学料、入学考査料、必要最小限の通学交通費、学習支援費などがあります。現行基準では基本額は月額7,300円、学習支援費は年間101,000円以内などと定められています。
一方で、注意すべきなのは、「働きたくないので、とりあえず高校へ行く」というような就労回避目的の就学は認められないという点です。厚生労働省の取扱いでも、ひとり親世帯の親について高等学校等就学費を認定できる場合がある一方、単に就労を忌避するための就学にならないよう留意することとされています。
したがって、実施機関は主に、①高校卒業資格を持っているか、②本人に十分な就学意欲があるか、③卒業できる見込みがあるか、④高校卒業資格の取得が就職・収入増加につながるか、⑤世帯全体の自立助長に有効か、⑥単なる就労回避ではないか、といった事情を総合的に確認します。
要するに、ひとり親だから「働くべきなので高校には行けない」ということではありません。高校卒業資格を取得することで将来の就職や収入増加が期待でき、世帯の自立につながると判断されれば、親自身の通常の最低生活費を認定しながら、高等学校等就学費も追加して認定できるという仕組みです。
(A2)高等学校等に就学しているひとり親世帯の親については、一定の要件を満たせば、その親を世帯員として通常どおり最低生活費を認定しつつ、さらに高等学校等就学費を認定することができます。
つまり、親が高校等に通っているからといって、生活扶助などがなくなるわけではありません。世帯全体について、年齢・世帯人数・級地・家賃などに応じた生活扶助、住宅扶助、必要な加算等を通常どおり計算し、そのうえで就学が世帯の自立助長に有効と認められれば、生業扶助として高等学校等就学費を追加して認定します。厚生労働省の現行基準では、高等学校等就学費の基本額は月額7,300円で、教材代、授業料、入学料、通学交通費、学習支援費なども一定範囲で対象になります。
ひとり親の親本人が高校等に就学する場合については、特に、その就学が世帯の自立につながるかが重要です。東京都の運用事例集でも、ひとり親世帯の親が高校等に就学する場合、世帯の自立助長の観点から高等学校等就学費を認定できる場合がある一方、単に就労を避けるための就学にならないよう注意するとされています。
たとえば、中卒のひとり親が「高校卒業資格を取って安定した仕事に就きたい」と定時制高校へ通い、卒業の見込みも高く、卒業資格を得ることで就職の可能性が高まると実施機関が判断した場合には、親本人の生活費を通常どおり認定しながら、高校就学に必要な費用も追加で認定することができます。
一方で、就学が認められた場合でも、就労能力の活用をまったく考えなくてよいという意味ではありません。学校の形態、授業時間、育児状況、本人の健康状態、就労可能性などを見ながら、学業に支障のない範囲での就労や、卒業後の自立見込みも含めて判断されます。高等学校等への就学が認められた人については、学業に支障のない範囲の就労にとどめるよう留意する取扱いも示されています。
要するに、「ひとり親の親が高校に通うから最低生活費を減らす」のではなく、通常の最低生活費を認定したうえで、その就学が自立に有効なら高等学校等就学費も上乗せする、という考え方です。特に重要なのは、就学が単なる就労回避ではなく、将来の就職・収入増加・保護脱却につながると見込まれることです。
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