(Q3)就学中の親に対する生活費の算定方法や特例はありますか?(Q4)ひとり親世帯の親が高等学校等に通う際、追加で必要となる費用はどのように認定されますか?
(A3)はい。ひとり親世帯の親が高等学校等に就学している場合でも、生活費そのものは通常の生活保護基準により算定します。 「高校生になった親だから生活扶助を学生用の額に変更する」という特別な算定方法があるわけではありません。
基本は、世帯について年齢・世帯人数・級地などに応じた生活扶助、必要な住宅扶助や加算等を計算し、そこに認定収入を差し引いて保護費を決めます。生活保護は、最低生活費と世帯の収入を比較して、その不足分を支給する仕組みです。
そのうえで、親本人の高校等への就学が世帯の自立助長に効果的と認められれば、生活扶助とは別に、生業扶助の高等学校等就学費を認定することができます。実施要領でも、高等学校等に就学して卒業することが世帯の自立助長に効果的と認められる場合には、「就学しながら保護を受けることができる」とされています。
ひとり親の親については、さらに特徴的な取扱いがあります。例えば、現に働いているものの現在の収入水準では将来的にも保護脱却が難しく、高校卒業資格を取得することで就職・増収につながると見込まれる場合や、現在は子どもの養育などで就労が困難な場合には、高等学校等就学費を認めることができます。ただし、就労している場合は原則として就学中も就労を継続し、養育などの就労阻害要因がなくなった場合は、就労または求職活動を行うという考え方です。
また、親が就学中にアルバイト等の収入を得た場合にも特例があります。通常は収入として認定されますが、高校等の就学に必要な費用のうち、高等学校等就学費では支給されない学習塾費や修学旅行費、基準額だけでは足りない必要な就学費用などに充てる部分については、必要最小限度の範囲で収入認定しないことができます。
たとえば、母と子の2人世帯で、母が定時制高校へ通っている場合なら、
母と子の通常の生活扶助+住宅扶助等+必要な加算+母の高等学校等就学費-世帯の認定収入
という形で最低生活費・保護費を考えるのが基本です。
つまり、「就学しているから親の生活費を減らす」のではなく、通常の生活費を認定しながら、自立のため必要と認められる高校等の就学費を追加し、さらに就学のために必要なアルバイト収入等には一定の収入認定除外も認められる場合がある、というのがひとり親の就学に関する重要な特例です。
(A4)はい。ひとり親世帯の親が高等学校等に通う場合、就学に伴って追加で必要となる費用については、「高等学校等就学費」として認定するものと、それでは賄えない費用として別の取扱いをするものに分かれます。
まず基本となるのが、生業扶助の高等学校等就学費です。これは、親本人の高校等への就学が世帯の自立助長に効果的と認められる場合に、原則として正規の就学年限の範囲で認定されます。基本額のほか、授業料、入学料、教材代、通学交通費、学習支援費などが、それぞれ基準の範囲内で対象になります。学校に納める学級費・生徒会費・PTA会費などについて、基本額だけでは対応できない場合には、一定の範囲で特別基準として必要額を認定できる取扱いもあります。
一方、高等学校等就学費の対象にならない費用や、基準額では足りない費用もあります。たとえば、私立高校の授業料の不足分、修学旅行費、クラブ活動費の不足分、学習塾費などです。これらについては、生活保護費から別途当然に全額支給されるわけではありません。
ただし、親本人がアルバイト等をして収入を得ている場合、その収入のうち、こうした**「就学のために必要な最小限度の費用」に充てる部分については、収入として認定しないことができます。** 厚生労働省の実施要領でも、高等学校等就学費の支給対象外の経費や、基準額で賄いきれない必要な就学費について、必要最小限度の額を収入認定から除外できるとされています。
たとえば、ひとり親のAさんが定時制高校に通っており、毎月アルバイト収入を得ているとします。学校の修学旅行費として5万円が必要で、その費用が高等学校等就学費から支給されない場合、福祉事務所が「就学のために必要な費用」と認めれば、Aさんがアルバイト収入からその5万円を充てても、その部分を通常の生活費として収入認定しない取扱いが可能ということです。修学旅行費、学習塾費、私立高校授業料の不足分などが代表例として示されています。
また、就学費以外でも、将来の就労や早期の生活保護脱却につながる一定の費用について、アルバイト収入等を充てる場合に収入認定除外が認められることがあります。厚生労働省は、大学等の入学料、自動車運転免許の取得費、就労・就学に伴う転居費用などを例示しています。
要するに、**「まず生活保護の高等学校等就学費で支給できるものはそこから認定する。それでも対象外・不足する就学費については、アルバイト収入や自立更生目的の金銭を充てる場合、必要最小限度の範囲で収入認定しないことができる」**という仕組みです。
したがって、ひとり親の親が高校等へ進学する場合は、授業料だけでなく、教材費・交通費・修学旅行費・学習塾費などを事前にケースワーカーへ提示して、「高等学校等就学費で支給されるもの」「収入認定除外として扱えるもの」を分けて確認するのが重要です。
⇓