(Q1)基本給等による賃金改善を開始した後、交付金の受給額が計画書作成時の見込額より増加した場合、どのような対応が必要ですか?(Q2)交付金の受給額が想定よりも増えた場合、就業規則等の改訂はどのように行うべきですか?

(A1)はい。この場合は、実際の交付金受給額が当初の見込額より増えた分についても、必要な賃金改善を追加で行う必要があります。

厚生労働省のQ&Aでは、利用者数の増加などによって交付金額が計画時の見込みを上回り、基本給等に充てるべき金額も増えた場合には、必要に応じて就業規則や給与規程等を再度改定し、基本給または毎月決まって支払う手当をさらに引き上げる必要があるとされています。

特に令和6年2月からの「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」では、令和6年4月・5月分の交付額の3分の2以上を、基本給または毎月決まって支払われる手当の引上げによる賃金改善に充てる必要がありました。したがって、交付額が増えれば、この「3分の2以上」の必要額も増えることになります。

例えば、計画時に4~5月分の交付金を90万円と見込んでいた場合、基本給等による改善は最低でも60万円必要です。しかし実際には利用者が増えて交付金が120万円になった場合、基本給等による改善は80万円以上必要になります。

つまり、

計画時:90万円 × 2/3 = 60万円以上

実際の交付額:120万円 × 2/3 = 80万円以上

20万円分、基本給や毎月の手当による追加の賃金改善が必要

という考え方です。

このため厚生労働省は、利用者増などによって交付金が予想以上に増える可能性を考慮して、最初からある程度余裕を持った賃金改善計画を作成するよう努めることも求めています。

要するに、「計画書に書いた金額だけ改善すれば終わり」ではなく、実際に受け取った交付金額を基準に最終的な賃金改善額を調整する必要があるということです。増額分について、必要であれば基本給や毎月の処遇改善手当を追加で引き上げる、と理解すると分かりやすいです。

(A2)はい。令和6年2月からの「福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金」では、実際の交付額が計画時の見込額を上回り、基本給等に充てるべき金額も増えた場合は、必要に応じて就業規則や賃金規程を再度改訂し、基本給または毎月決まって支払う手当を追加で引き上げる必要があります。 厚生労働省のQ&Aでも、この取扱いが明確に示されています。

例えば、当初は「処遇改善手当を月5,000円支給する」と就業規則・賃金規程に定めていたものの、利用者数の増加などで実際の交付額が想定より増え、必要な基本給等の改善額が不足することになった場合には、月5,000円→月6,000円に変更するなど、実際の交付額に対応できるよう規程を見直す、という考え方になります。

実務上は、まず実際に受け取る見込みの交付額を再計算し、現在予定している基本給・毎月の手当による賃金改善額で要件を満たしているか確認します。不足する場合は、基本給、処遇改善手当、職務手当などの毎月固定的に支払う賃金を追加で引き上げ、その内容を就業規則・給与規程・賃金表などに反映します。

なお、この交付金では、令和6年4月・5月分の交付額の3分の2以上について、基本給または毎月決まって支払われる手当による賃金改善を行うことが必要でした。そのため、交付額が増えれば、この「3分の2以上」に相当する必要額も増える点に注意が必要です。国も、後から何度も規程を変更しなくて済むよう、当初からある程度余裕を持った賃金改善計画を作成するよう求めています。

例えば、

当初見込額90万円 → 基本給等による改善60万円以上
実際の交付額120万円 → 基本給等による改善80万円以上

となった場合、すでに60万円分しか基本給等を改善していなければ、不足する20万円分について追加の基本給・毎月の手当等の改善を検討することになります。

また、就業規則等の変更内容によっては、交付金の変更届・変更交付申請が必要になる場合があります。実際に自治体の案内でも、「福祉・介護職員の処遇に関する内容について就業規則を改定した場合」や「交付額が当初の交付決定額を上回る見込みとなった場合」を変更手続きの対象としている例があります。具体的な提出方法は、交付を受けた都道府県の要綱・案内を確認する必要があります。

要するに、**「交付額が増えたら、その増額分も含めて賃金改善要件を満たしているか再確認し、不足していれば就業規則・賃金規程等を改訂して、基本給や毎月の手当を追加で引き上げる」**という対応になります。

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