(Q1)医療保険制度の埋葬料等の支給が遅れ、葬祭に間に合わない場合であって、埋葬料等として支給される額の範囲内でかつ葬祭扶助の基準額を超えた額を葬祭費用に当てることを容認すべき実態にあることが、あらかじめ実施機関において確認された場合には、どのように取り扱うべきでしょうか。(Q2) 上記のケースにおいて、一般の例による葬祭扶助費をとりあえず支給し、後日埋葬料等が支給された時点で、埋葬料等のうちあらかじめ認めた葬祭に当てる額以外の額と、すでに支給した葬祭扶助の額を収入として認定することとしてよいでしょうか。
(A1)この場合は、医療保険から後日支給される「埋葬料・埋葬費」などを見込んで、その範囲内で葬祭扶助の基準額を超える葬祭費を一時的に認めることができる、という取扱いです。
たとえば、葬祭扶助の基準額だけでは実際の葬祭費を賄えず、一方で健康保険などから後日5万円の埋葬料が支給されることが確実だったとします。しかし、その5万円が葬儀の日までに振り込まれません。
このような場合に、
「埋葬料が後から入ることは確実なのだから、その分を見込んで今の葬祭費に充ててもよいのか?」
というのが今回の質問です。
ポイントは、福祉事務所が葬祭前に事情を確認していることです。後日、医療保険から埋葬料等が支給されること、その支給額の範囲内であること、さらに葬祭扶助の基準額を超えて費用をかけることについて、実際の葬祭事情からみて容認すべき状況であることが、あらかじめ確認されている必要があります。
この条件を満たす場合には、後日支給される埋葬料等を葬祭費に充てる前提で、基準額を超える支出を認めることができます。
たとえば、葬祭扶助の基準額を20万円と仮定し、実際に必要な葬祭費が24万円、後日健康保険から5万円の埋葬料が支給されることが確実な場合なら、基準額を超える4万円について、後日受け取る埋葬料から充てることをあらかじめ認める、というイメージです。
ただし、これは生活保護から葬祭扶助を24万円に増額するという意味ではありません。 あくまで、通常の葬祭扶助の基準額に加えて、後日支給されることが確実な埋葬料等を葬祭費に充てることを認める取扱いです。
簡単にまとめると、**「埋葬料の振込みが葬儀に間に合わなくても、後日支給されることと金額が確実で、福祉事務所が事前に必要性を確認していれば、その埋葬料の範囲内で葬祭扶助基準を超える費用を葬祭に使うことを認めてよい」**という意味です。
(A2)はい。その取扱いで差し支えありません。
厚生労働省の「生活保護問答集」では、まさに今回と同じケースについて、**「お見込みのとおり取り扱って差し支えない」**とされています。
わかりやすく言うと、流れは次のとおりです。
- 葬祭の時点では、健康保険などの埋葬料・葬祭費がまだ支給されていない。
- そこで、福祉事務所はまず通常どおり葬祭扶助費を支給する。
- 後日、健康保険などから埋葬料等が支給されたら、その金額を確認する。
- そのうち、福祉事務所が事前に「葬祭扶助の基準額を超えて葬祭に使ってよい」と認めていた部分は、収入認定しない。
- それ以外の埋葬料等と、すでに支給した葬祭扶助に相当する額については、収入として認定するという処理をします。
例えば、仮に葬祭扶助として20万円を支給し、後日25万円の埋葬料が支給されたとします。そして福祉事務所が事前に「基準額を超える葬祭費として5万円を使用してよい」と認めていたとします。
この場合、その5万円については実際の葬祭費に充てることが認められているため、収入認定の対象から除外します。一方、それ以外については、すでに支給された葬祭扶助との調整を行うことになります。
つまり今回の質問は、
「埋葬料が葬儀に間に合わないので、いったん生活保護から葬祭扶助を出してもらい、後から埋葬料が入ったら、事前に葬祭に使うことを認められた部分を除いて精算する、という方法でよいか?」
という意味です。
答えは「はい、その方法でよい」です。 ただし重要なのは、葬祭扶助の基準を超えて埋葬料等を葬祭費に充てる部分について、葬祭前に福祉事務所がその必要性と金額を確認していることです。後になって本人側だけの判断で「この分は葬祭費に使ったので収入認定しないでほしい」とするものではありません。
要するに、**「まず葬祭扶助を支給 → 後日埋葬料等が入ったら、事前に認めた追加葬祭費を除いて収入認定し、すでに支給した葬祭扶助と調整する」**という取扱いです。
(A1)「死体を保存するために特別の費用を必要とする事情がある場合」とは、亡くなってから火葬・埋葬までに通常より日数がかかり、その間、遺体を適切な状態で保存するために追加費用が必要になるケースを指します。
厚生労働省の実施要領では、火葬または埋葬までの間に遺体保存のため特別な費用が必要な事情があるときは、必要最小限度の実費を、特別基準が設定されたものとして葬祭扶助に計上してよいとされています。
たとえば、火葬場の混雑で数日間火葬できない場合、警察・検案などの事情で遺体の引渡しや火葬まで時間を要する場合、遠方の火葬場を利用する事情があり一定期間安置しなければならない場合などが考えられます。その間に必要となる遺体安置施設の使用料、ドライアイスなどの保冷・保存費用が典型例です。
つまり、この質問を簡単に言い換えると、
「火葬まで時間がかかり、遺体を傷まないように保管するため、通常では発生しない安置料やドライアイス代などが必要になった場合、その追加費用を生活保護から出してもらえるのか?」
という意味です。
答えは、必要性が認められれば支給できます。 ただし、「葬儀社のプランに入っているから」というだけで無条件に全額認められるわけではなく、火葬・埋葬までの期間や事情を確認し、遺体保存に本当に必要だった範囲の実費が対象になります。
たとえば、通常なら翌日に火葬できるところ、火葬場の都合で5日後まで待たなければならず、その間に追加でドライアイス代や安置施設使用料が発生した場合は、この「特別の費用」に該当する可能性が高いです。
要するに、**「火葬・埋葬まで通常より時間がかかるなどのやむを得ない事情があり、そのため遺体を保存する追加費用が必要になった場合、必要最小限の実費を葬祭扶助に上乗せできる」**と理解すると分かりやすいです。
(A2)死体の保存に関する「特別の費用」とは、火葬・埋葬まで遺体を適切に保存するため、通常の葬祭費とは別にやむを得ず必要になった費用をいいます。
生活保護の実施要領では、死体の保存について特別の費用を必要とする事情がある場合、**「必要最小限度の実費」**を特別基準として計上できる取扱いになっています。つまり、金額が一律に決められているのではなく、実際に必要だった費用を個別に判断します。
具体的には、主に次のような費用が考えられます。
- ドライアイス代などの保冷費用:火葬まで数日かかり、遺体の腐敗を防ぐため追加のドライアイス等が必要になった場合。
- 遺体安置施設・保冷施設の使用料:自宅での安置が困難で、葬儀社等の安置施設や冷蔵設備を利用する必要がある場合。
- その他、遺体保存に直接必要な処置の費用:特殊な事情から、火葬まで遺体を衛生的に保存するための処置が必要となった場合。ただし、必要性・相当性が個別に確認されます。
重要なのは、「遺体保存に関係する費用なら何でも認められる」というわけではないことです。
たとえば、火葬場が混雑していて火葬まで5日間待たなければならず、その間、毎日ドライアイスを交換する必要があったとします。この場合、通常より長い安置期間が生じたことに合理的な理由があるため、追加のドライアイス代や必要な安置料について、特別の費用として認定することが考えられます。
一方、必要以上に高額な安置施設を選択した場合や、葬儀を豪華にするための費用、遺体保存とは直接関係のないサービスなどについてまで、この規定によって認められるわけではありません。
したがって、この質問への答えを一言でまとめると、**「火葬・埋葬まで遺体を保存するためにやむを得ず必要となったドライアイス代、安置・保冷施設の使用料などについて、必要最小限度の実費を認めることができる」**ということです。
特にポイントになるのは、①遺体保存の必要性があること、②その費用が遺体保存に直接必要なものであること、③金額が必要最小限度であることの3点です。
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