(Q)中小企業の会社で、社内規程に基づいて積み立てている退職金について、税務上「実費控除」として認められますか?
(A)「実費控除」が生活保護の収入認定上の必要経費を指している場合と、法人税上の損金算入を指している場合で答えが変わります。
ご質問を簡単に言い換えると、
「会社が社内の退職金規程に基づいて、将来の退職金支払いのため毎月一定額を社内で積み立てています。この積立額を、税金の計算上、その年の会社の経費として差し引くことができますか?」
という質問です。
税務上の意味であれば、原則として、社内で積み立てているだけの退職金準備金を、その積立時点で会社の損金(経費)にすることはできません。
たとえば会社が、退職金規程に基づいて「A社員の将来の退職金として今年30万円を積み立てる」と帳簿上処理したとしても、実際にはまだA社員へ退職金を支払っていません。会社内部にお金が残っているだけなので、通常はその30万円を税務上の経費として控除することはできません。
基本的には、従業員が実際に退職し、退職金の支給義務・金額が確定して支給する段階で、税務上の損金算入を検討することになります。
一方、会社内部で積み立てるのではなく、中小企業退職金共済(中退共)などの一定の外部制度へ掛金を支払っている場合は取扱いが異なり、一定の要件のもと、その掛金を損金算入できます。
したがって、
社内規程がある → それだけで積立額を経費にできる
ということではありません。
むしろ、
社内で将来の退職金として積み立てているだけ → 原則、積立時点では損金算入できない
中退共など一定の外部制度へ実際に掛金を支払う → 要件を満たせば損金算入できる
という違いを押さえると分かりやすいです。
なお、もし今回の「実費控除」が税務ではなく、これまでのご質問のように生活保護における自営業・事業収入の必要経費(実費控除)として、会社・事業者が積み立てる退職金を認められるかという意味でしたら、判断基準が別になります。その場合は生活保護の実施要領に沿って説明できます。
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