(Q1)Aさんは現在、特別支給の老齢厚生年金(年額90万円)を受給していますが、最低生活費に満たないため生活保護を利用しています。このような場合、生活保護の利用は認められるのでしょうか?(Q2)Aさんが65歳になった後、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給すると、年金の年額が165万円に増えると説明されています。この場合、生活保護はどのように取り扱われるのでしょうか?

(A1)はい。特別支給の老齢厚生年金を受給していても、その年金収入だけでは最低生活費に足りない場合、生活保護を利用することは可能です。

この質問を簡単に言い換えると、

「Aさんは年金を年間90万円もらっていますが、それだけでは生活できません。年金をもらっている人でも、不足分について生活保護を受けられるのでしょうか?」

という質問です。

生活保護では、年金を受給していること自体が生活保護を利用できない理由になるわけではありません。生活保護法では、年金など利用できる収入を生活の維持のために活用したうえで、それでも最低生活費に不足する場合に、その不足分を生活保護で補うという仕組みになっています。

したがって、Aさんの特別支給の老齢厚生年金90万円は、原則として収入として認定されます。

単純に月額換算すると、

90万円 ÷ 12か月 = 月額7万5,000円

です。

例えば、Aさんの生活扶助・住宅扶助などを合わせた最低生活費が月額12万円で、他に収入がないと仮定すると、

最低生活費12万円 − 年金収入7万5,000円 = 約4万5,000円

となり、この不足分が生活保護によって補われる、というのが基本的な考え方です。

つまり、

年金を受給している → 生活保護を受けられない

ではなく、

年金を収入として活用する → それでも最低生活費に足りない → 不足分について生活保護を適用

という順番で考えます。

また、Aさんには年金を受給できる権利があるため、生活保護ではその年金を適切に受給することが求められます。受給した年金を申告せず、そのまま生活保護費を満額受け取ることはできません。

したがって、このケースは、**「Aさんは特別支給の老齢厚生年金を受給していても、その年金等の収入が最低生活費に満たないのであれば、他の資産・収入等の要件も満たすことを前提として、不足する部分について生活保護を受けることができる」**と理解すると分かりやすいです。

(A2)はい。このケースのポイントは、65歳になって年金額が増えた場合、その年金を収入として認定した結果、生活保護費がどう変わるのかということです。

簡単に言い換えると、

「Aさんが65歳になり、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせて年間165万円(月平均約13万7,500円)受け取るようになったら、生活保護は続くのでしょうか?」

という質問です。

生活保護では、年金も原則として収入として認定されます。厚生労働省も、世帯の最低生活費と年金などの収入を比較し、収入が最低生活費に足りない場合、その不足分を生活保護費として支給するとしています。

今回の年金165万円を単純に月平均にすると、

165万円 ÷ 12か月 = 月額13万7,500円

です。

例えば、Aさんの生活保護上の最低生活費が月15万円で、他に収入がないと仮定すると、

最低生活費15万円 − 年金13万7,500円 = 約1万2,500円

となり、単純化すれば不足する約1万2,500円について生活保護が継続する、という考え方になります。

反対に、Aさんの年金などの収入が、生活扶助・住宅扶助などを含めて算定した最低生活費以上になり、保護を必要としない状態になった場合には、生活保護の停止・廃止が検討されます。

つまり、

「年金が年165万円になった=必ず生活保護廃止」ではありません。

Aさんの年齢、世帯構成、家賃、地域、各種加算、医療・介護の必要性などを踏まえて算定した最低生活費と、実際に受給する年金等の収入を比較して判断することになります。

また、65歳からは原則として老齢基礎年金に加えて、厚生年金の加入歴がある人には加入期間や報酬に応じた老齢厚生年金が支給されます。生活保護では「年金を受給できるのに受給せず生活保護だけを受ける」という扱いではなく、利用できる年金制度をまず活用することが求められます。

したがって、この質問への答えを一言でまとめると、**「65歳から年金が年165万円に増えれば、その年金は原則として収入認定され、その分だけ生活保護費は減額される。年金だけでは最低生活費に届かなければ差額の生活保護が継続し、年金等の収入で最低生活費を賄えるようになれば、保護の停止・廃止が検討される」**と理解すると分かりやすいです。

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