(Q)新規就労控除の認定期間である6か月の途中に、入院などのやむを得ない事情で就労が一時中断し、その結果として控除を受けられなかった月がある場合を想定します。その後1年以内に再就労して稼働収入を得たとき、既に控除した月と合わせて合計6か月になるまで、当初の控除の未適用月分を引き続き控除してよいでしょうか。

(A)はい。この質問は、生活保護受給者が就職して新規就労控除を受けていたものの、入院などで一時的に働けなくなった場合、再就職後に残りの控除を受けられるのかという質問です。

① 結論

はい。入院などのやむを得ない事情で就労が一時中断し、その後1年以内に再就労して稼働収入を得た場合には、既に控除を受けた月と合わせて、合計6か月になるまで新規就労控除を適用できる取扱いがあります。

つまり、入院などによって控除を受けられなかった月については、一定の条件の下で、再就労後に残りの控除期間を引き続き利用できるということです。

ただし、単に仕事を辞めて再就職した場合に、必ず適用できるという意味ではありません。

② 新規就労控除とは?

新規就労控除とは、生活保護受給者が新たに就職した場合などに、通常の勤労控除とは別に、一定期間認められる控除です。

就職したばかりの時期には、仕事に必要な衣類や日用品など、さまざまな費用がかかることがあります。

その負担を軽減し、就労の継続を支援することが目的です。

新規就労控除の適用期間は、原則として6か月です。

③ 具体例

生活保護受給者のAさんが、4月から新しく就職したとします。

しかし、6月に病気で入院し、一時的に働けなくなりました。

その後、10月に再就職して給与収入を得るようになりました。

この場合を考えてみます。

月就労状況新規就労控除
4月就職して給与収入あり1か月目
5月就労継続2か月目
6月入院により就労中断適用なし
7月入院中適用なし
8月療養中適用なし
9月療養中適用なし
10月再就職して給与収入あり3か月目
11月就労継続4か月目
12月就労継続5か月目
翌年1月就労継続6か月目

このように、4月と5月に2か月分の控除を受けていた場合、再就労後に残り4か月分を適用することができます。

入院していた6月から9月までの4か月間を、控除を受けた月として数えないことがポイントです。

④ 適用するための条件

実務上は、主に次の点を確認します。

  1. 就労中断にやむを得ない事情があること
    入院や病気による療養など、本人の意思だけでは避けられない事情があること。
  2. 就労が一時的に中断したこと
    当初の就労と再就労との関係を確認すること。
  3. 1年以内に再就労していること
    再就労までの期間が、取扱いで定められた範囲内であること。
  4. 再就労後に稼働収入があること
    実際に給与などの収入を得ていること。
  5. 控除の適用月数が合計6か月を超えないこと
    既に控除した月数と、再就労後に控除する月数を合算して判断すること。

⑤ 注意点

特に重要なのは、「6か月」という期間を、単純に就職した月から連続する6か月として扱うのではなく、やむを得ない中断があった場合には、実際に控除を適用した月数を確認するという点です。

例えば、最初に3か月分の控除を受けていた場合、再就労後に適用できるのは残り3か月分です。

ただし、再就労までの期間や中断理由などが要件に該当しない場合には、この取扱いは適用できません。

⑥ まとめ

今回の質問を簡単にまとめると、次のとおりです。

新規就労控除の6か月の途中で、入院などのやむを得ない事情により就労が一時中断した場合、その後1年以内に再就労して稼働収入を得たときは、既に控除を受けた月と合わせて合計6か月になるまで、残りの新規就労控除を適用することができます。

つまり、「入院などで働けなかったために使えなかった控除月数は、一定の条件を満たせば、再就労後に引き続き利用できる」ということです。

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