(Q1)賃貸人によって備え付けられたエアコンがある住居から、エアコンの設備がない住居に転居する場合、エアコン購入費用の支給は認められますか?例:実施機関が適切と認めた場合、エアコン購入費用の支給対象となるのはどのような場合ですか?(Q2)保護受給中に家具什器を購入する場合、どのような点に注意が必要ですか?例:保護費のやり繰りによる購入と、家具什器費の支給を目的とした転居の違いについて説明してください。
(A1)はい、生活保護では一定の場合にエアコン購入費用の支給が認められることがあります。
ご質問のケースをわかりやすく説明すると、
「今住んでいる賃貸住宅には大家さん設置のエアコンがあったが、転居先にはエアコンがない」
というだけでは、必ず支給されるわけではありません。
ただし、福祉事務所(実施機関)が必要と認めた場合は、家具什器費として支給されることがあります。
支給が認められやすい例
① 転居先にエアコンがなく、新たに購入する必要がある場合
- 現在のエアコンは大家さんの所有物で持って行けない
- 転居先にエアコン設備がない
- 自分で購入する資力がない
このような場合は支給対象になる可能性があります。
② 高齢者や障害者など健康上必要性が高い場合
例えば、
- 高齢者
- 身体障害者
- 精神障害者
- 心疾患や呼吸器疾患がある人
- 熱中症リスクが高い人
などは必要性が認められやすくなります。
③ 保護開始時や転居時に最低限の生活設備として必要な場合
- 無料低額宿泊所からアパートへ転居
- 退院後に新居へ入居
- DV避難後の転居
- 母子世帯の転居
などで、転居先にエアコンがない場合は支給を検討してもらえます。
支給が難しい例
- 転居先に既にエアコンが設置されている
- 故障していないのに買い替えたい
- より高性能な機種に変更したい
- 自己都合で高額機種を希望する
このような場合は認められにくいです。
実務上のポイント
ケースワーカーから
- 転居先の賃貸借契約書
- 不動産業者の「エアコンなし」の説明資料
- 家電量販店の見積書
の提出を求められることがあります。
特に神戸市などでは、転居前にケースワーカーへ相談し、購入前に了承を得ることが重要です。購入後に申請しても支給されないことがあります。
行政書士として依頼者に説明するなら
「現在の住居のエアコンが大家さんの設備であり、転居先にエアコンが設置されていない場合は、生活保護の家具什器費として支給が認められる可能性があります。ただし自動的に支給されるわけではなく、福祉事務所が必要性を判断しますので、契約前にケースワーカーへ相談し、見積書を提出して承認を受けることが大切です。」
と説明するとわかりやすいでしょう。
(A2)生活保護受給中に家具や家電(家具什器)を購入する場合は、**「毎月の生活費(保護費)のやり繰りで買う場合」と、「家具什器費が支給される場合」**を区別して考える必要があります。
① 保護費のやり繰りで購入する場合
毎月支給される生活扶助費の中から節約して購入する場合です。
例
- テレビが古くなったので買い替える
- 洗濯機が故障したので中古品を購入する
- タンスや収納棚を購入する
- 電子レンジや炊飯器を購入する
この場合は、原則として福祉事務所の事前承認は不要です。
ただし、
- 高額な商品を購入する
- ローンや分割払いを利用する
- 明らかにぜいたく品を購入する
場合は問題になることがあります。
生活保護では「最低限度の生活に必要な範囲」であれば購入できます。
② 家具什器費の支給を受ける場合
これは例外的な制度で、必要な事情がある場合に福祉事務所から別途支給されるものです。
主な支給対象
- 保護開始時に家財がない
- 長期入院や施設退所後に地域生活を始める
- 火災や災害で家財を失った
- 転居に伴い家具什器が必要となった
などです。
注意点
家具什器費を受けるために、
「家具什器費が欲しいから引っ越す」
という理由では認められません。
あくまでも、
「転居が必要だから、その結果として家具什器が必要になる」
場合に支給が検討されます。
③ 転居の場合の違い
認められる例
- 立退き要求を受けた
- DV被害で避難が必要
- 家賃が住宅扶助基準を超えている
- バリアフリー住宅への転居が必要
- 母子世帯で保育園や学校への通園・通学事情がある
このような場合は、転居費用や家具什器費が支給される可能性があります。
認められにくい例
- 新しい家具が欲しい
- 家電を買い替えたい
- 今の家に不満がある
- 家具什器費を受給したい
このような理由だけでは転居費用や家具什器費の支給対象になりません。
実務上のポイント
生活保護の家具什器費は、
「家具を買うための制度」ではなく、生活を始めるために最低限必要な家具・家電を整える制度です。
そのため福祉事務所は、
- 転居や保護開始の必要性があるか
- 現在の家具・家電を使用できないか
- 本当に必要最低限の物か
を確認します。
行政書士として相談を受ける場合は、
「家具什器費が欲しいから転居したい」
ではなく、
「転居が必要であり、その結果として家具什器が必要になる」
という事情を整理して福祉事務所へ説明することが重要です。
なお、転居や家具什器費の支給については、事後申請では認められないことが多いため、契約や購入の前に必ずケースワーカーへ相談し、事前承認を受けるよう案内することが大切です。
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