(Q1)「現に所有している最低生活に直接必要な家具什器を使用することができる」とは、どのような状況を指しますか?例:被保護者が現在所有している家具什器が、新しい住居の設備の違いにより使用できない場合とは、具体的にどのようなケースですか?(Q2)転居先でエアコンなどの家具什器が設置できない場合、家具什器費の支給対象となるのはどのような場合ですか?例:現にエアコンを所有しているが、転居先に設置できない場合、どのような条件で家具什器費の支給が認められますか?

(A1)この文言は、生活保護の「家具什器費(家具・家電購入費)」の支給判断で使われる考え方です。

「現に所有している最低生活に直接必要な家具什器を使用することができる」
とは、

「今持っている家具や家電を、新しい住居でもそのまま使える状態である」

という意味です。

逆に、

「住居の設備や構造の違いによって、持っている家具や家電が使えなくなった」

場合には、家具什器費の支給対象になる可能性があります。

具体例

① ガスコンロが使えない場合

【旧居】
都市ガス用コンロを使用

【新居】
IHクッキングヒーター付き住宅

→ 都市ガス用コンロは使用できません。

この場合は、
ガスコンロをそのまま利用できないため、必要に応じて調理器具の購入が認められる可能性があります。


② 洗濯機が設置できない場合

【旧居】
屋外設置型の大型洗濯機を使用

【新居】
室内防水パンが小さく設置不可

→ 現在の洗濯機が物理的に設置できない。

このような場合は、新たな洗濯機の購入が必要と認められることがあります。


③ 照明器具が使用できない場合

【旧居】
天井直付け型照明

【新居】
引掛シーリング式

→ 現在の照明器具が取り付けできない。

この場合は照明器具購入の必要性が認められることがあります。


④ 冷蔵庫が搬入できない場合

【旧居】
戸建住宅

【新居】
狭いアパートの2階

→ 玄関や階段が狭く、現在の冷蔵庫が搬入できない。

この場合は、福祉事務所が事情を確認した上で購入を認めることがあります。


認められにくい例

次のような場合は、原則として家具什器費は認められません。

  • 古くなったから買い替えたい
  • 新しいものが欲しい
  • デザインが気に入らない
  • サイズは大きいが設置は可能
  • まだ使用できる

つまり、

「今持っているものが使えるなら、それを使う」

というのが生活保護の原則です。

実務上よくあるケース

生活保護の転居支援では、

  • 洗濯機
  • 冷蔵庫
  • 電子レンジ
  • ガスコンロ
  • 照明器具
  • カーテン
  • 寝具

について、

「現在所有していない」
又は
「設備の違いで使用できない」

ことをケースワーカーに説明し、見積書(ニトリ、家電量販店等)を提出して支給の可否を判断してもらうことが多いです。

行政書士として福祉事務所に説明する際は、

「現有の○○は新居の設備(IH・防水パン・設置スペース等)の関係で使用できず、最低生活維持のため代替品の購入が必要である」

という形で理由書を作成すると伝わりやすいです。

(A2)生活保護の家具什器費について、**「現在エアコンを持っているが、転居先で使えない場合」**は、一定の条件を満たせば支給対象になる可能性があります。

わかりやすい考え方

生活保護では、

  • すでに持っている家具や家電が使えるなら新たに購入する費用は支給されない
  • しかし、持っていても転居先で使用できない場合は例外的に支給が認められることがある

という考え方です。

具体例

支給が認められる可能性がある例

① 窓用エアコンしか設置できない住宅から、壁掛けエアコン専用の住宅へ転居した場合

  • 現在のエアコンが新居では物理的に設置できない
  • 引越し業者や電気工事業者の説明で設置不能が確認できる

→ 新たなエアコン購入費が認められる可能性があります。


② 古いエアコンを取り外すと故障するおそれがある場合

  • 製造からかなり年数が経過
  • 再設置が困難
  • 業者が移設不可と判断

→ 新規購入費が認められることがあります。


③ 大家や管理会社の規約で設置できない場合

  • 特殊な建物構造
  • 壁に穴を開けることが禁止
  • 室外機設置場所がない

→ 現在のエアコンが利用できないため支給対象となる可能性があります。


支給が難しい例

  • 移設すれば問題なく使用できる
  • 工事費だけで対応できる
  • 単に古いから新しいものが欲しい

この場合は家具什器費ではなく、

「既存エアコンの移設」で足りるため新規購入費は認められにくいです。


ケースワーカーへ説明する際のポイント

次の3点を説明できると認められやすくなります。

  1. 現在エアコンを所有していること
  2. 転居先では設置できないこと
  3. 電気工事業者等が設置不能と判断していること

できれば、

  • エアコンの写真
  • 型番
  • 工事業者の見積書
  • 「移設不可」の説明書面

を提出するとよいでしょう。

実務上

神戸市を含め多くの福祉事務所では、

「転居に伴い現有の家電が使用不能となることが客観的に確認できる場合」

には家具什器費の支給を検討します。

そのため、ケースワーカーから「今持っているエアコンは新居で使えますか?」と聞かれた場合は、電気工事業者の意見書や見積書を添付して説明するのが最も確実です。

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