(Q1)扶養義務者の扶養能力等から判断して、必ずしも生活保護法第77条による費用徴収を行う蓋然性が高いといえない場合、扶養義務者への通知はどのように行うべきですか?(Q2)保護の開始決定後に、明らかに扶養義務を履行することが可能と認められる扶養義務者が判明した場合、どのような対応が必要ですか?

(A1)その場合は、生活保護法第24条第8項に基づく扶養義務者への通知を行う必要はありません。

通知の対象となるのは、扶養能力調査の結果、

  • 十分な資力がある
  • 扶養関係や交流状況が良好である
  • 扶養手当や税法上の扶養控除を受けている
  • 明らかに扶養できるのに扶養していない

など、第77条による費用徴収を行う可能性が高く、明らかに扶養義務を履行できると認められる扶養義務者に限られます。

したがって、扶養義務者の収入や生活状況などから、費用徴収に至る可能性が高いとはいえない場合は、保護開始について一律に通知するのではなく、通知対象外として取り扱います。

なお、これは通常の扶養照会とは別の「保護開始前の通知」に関する取扱いです。通知しないことを理由に、生活保護の開始を遅らせる必要もありません。

(A2)保護開始後にそのような扶養義務者が判明した場合は、まず書面で、扶養義務を履行していない理由の報告を求めます。そのうえで、扶養能力や本人との関係、援助可能額などを確認し、扶養の実現に向けて調整します。

十分な扶養能力があるのに正当な理由なく扶養を拒み、話し合いによる解決が困難な場合は、家庭裁判所への調停・審判の申立ても検討します。また、必要な保護は継続しつつ、要件を満たす場合には、生活保護法第77条により扶養可能額の範囲内で保護費の全部または一部を徴収することがあります。

なお、保護開始前に行う生活保護法第24条第8項の通知は、開始決定後にさかのぼって行うものではありません。

つまり、保護を直ちに停止するのではなく、扶養能力を確認し、扶養の履行を求め、必要に応じて費用徴収などを検討するという対応になります。


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