⑦(Q)持ち家があったら利用できないと聞いたんですが本当でしょうか?
(A)持ち家があっても生活保護を利用できる場合があります。
例えば、家を売却しても2〜3百万円程度の価値しかない場合は、売却を求められず、今の家に住みながら生活保護を受けられることがあります。ただし、認められる金額の基準は福祉事務所ごとに異なります。そのため、必ず担当の福祉事務所に相談し、具体的な基準を確認することが大切です。一方で、家を売却した際にそれ以上の金額、例えば数百万円以上の資産になると判断された場合には、まずはその資産を生活費に充てるよう指導されることが一般的です。つまり、「持ち家=すぐに利用不可」ではありませんが、家の価値や生活状況によって対応が変わるという点を理解しておく必要があります。
⑧(Q)生活保護を利用したら車を持てないといわれていますが本当でしょうか?
(A)生活保護を受けている場合でも、一定の条件を満たせば自動車を持ち続けることができます。たとえば、自営業や個人事業を行っており、その事業を継続・維持するために車が不可欠なケースでは、生活や収入の維持手段として所有が認められることがあります。また、身体障害や精神障害などにより公共交通機関の利用が難しい人、あるいは交通の便が悪い地域で、車がなければ通勤や通院が困難な場合も例外的に認められます。特にパニック障害や広場恐怖症などで電車・バスに乗れない人が、自家用車によって社会生活を維持しているケースは少なくありません。
さらに、今は生活保護を受けていても、半年以内に就職や事業再開などによって自立が見込まれる場合も、車の保有が認められる可能性があります。保育園に子どもを預けて働いている保護利用者が、送迎のために車を使用している場合も、生活維持に必要と判断されることがあります。つまり、単なる「贅沢品」としてではなく、「生活や就労を継続するために必要な道具」としての合理的な理由があれば、柔軟に認められるという考え方です。
また、「生活保護問題対策全国会議」では、こうした事情を抱える人のために『自動車を持ちながら生活保護を利用するために!』というパンフレットを公開しています。ネット上で閲覧できるほか、「通勤用自動車保有に関する申立書」といった提出書類のひな形も用意されており、実際に車の保有を申請する際の参考になります。これらの資料を活用すれば、生活保護を受けながらでも、必要な条件を整えて自動車を維持する手続きを進めることが可能です。