(Q1)臨時的最低生活費の基本的認定指針(第7の2)において、どのような場合に一時扶助の支給が認められると明確に規定されていますか?(Q2)経常的最低生活費に含まれる被服類が自然消耗した場合、それは一時扶助の支給対象となりますか?その理由も教えてください。
(A1)結論
臨時的最低生活費(一時扶助)は、次の3つの特別な需要がある場合に認定できると明確に定められています。
- 出生・入学・入退院などによって、一時的に特別な費用が必要になった場合
- 日常生活を自分で行えない長期療養者に、一時的な特別需要が生じた場合
- 保護開始時などに、最低生活の基盤となる物が不足している場合
厚生労働省の実施要領では、この3つが「特別の需要」として具体的に示されています。
ただし、3つの条件も必要です
上記の事情があるだけで、必ず一時扶助が支給されるわけではありません。さらに、次の条件を満たす必要があります。
- 最低生活に必要不可欠な物を欠いていること
- その物を支給しなければ生活できないこと
- 緊急かつやむを得ない事情があること
つまり、「あれば便利」という程度ではなく、最低限の生活を維持するために、今どうしても必要であることが必要です。
具体例
① 出生・入学・入退院など
例えば、
- 出産に伴って赤ちゃんの寝具や衣類が必要
- 小学校入学時にランドセルや制服などが必要
- 長期入院から退院したが、寝具や衣服がない
といった場合です。
② 長期療養者の特別需要
例えば、
- 寝たきりの人に紙おむつが必要になった
- 病状の変化により、特別な寝具や日用品が急に必要になった
など、長期療養中に通常とは異なる特別な需要が生じた場合です。
③ 保護開始時など
例えば、
- 保護開始時に布団が全くない
- 調理器具や食器がなく、自炊できない
- 着替えの衣類がほとんどない
など、最低限の生活を始めるための物が欠けている場合です。
自然消耗との違い
衣服や靴、寝具などが通常の使用によって古くなった場合は、原則として一時扶助の対象にはなりません。
これらの日常用品は、毎月の生活扶助の中から計画的に買い替えることが前提だからです。実施要領でも、被服費などの日常経費は経常的最低生活費の範囲で順次更新すべきものとされています。
要するに、一時扶助は「特別な事情で、最低生活に不可欠な物がなく、今すぐ支給しなければならない場合」に限って認められます。
(A2)結論
原則として、一時扶助の支給対象にはなりません。
その理由は、被服類は毎月支給される生活扶助(経常的最低生活費)の中で、計画的に買い替えることが前提になっているからです。
わかりやすく説明すると
生活保護では、
- 食費
- 被服費(衣服・下着・靴など)
- 日用品費
などの普段必要な費用は、毎月の生活扶助に含まれています。
そのため、
- 洋服が古くなった
- 靴がすり減った
- 下着が傷んだ
といった普通に使っていて自然に傷んだ(自然消耗した)場合は、毎月の生活扶助の中で少しずつお金をやりくりして買い替えることが原則です。
一時扶助が認められない理由
一時扶助は、
- 火災や災害で生活用品を失った
- 出産や入学など、一時的に特別な費用が必要になった
- 保護開始時に最低限の生活用品が全くない
など、通常では予測できない特別な事情がある場合に限って支給されます。
一方、衣服や靴が長年使って傷むことは、通常予測できる生活上の出来事なので、一時扶助の対象にはなりません。
例
❌ 一時扶助の対象にならない例
- 長年着た服が古くなった。
- 靴底がすり減った。
- タオルや下着が傷んだ。
→ 毎月の生活扶助の中で買い替えます。
⭕ 例外として対象になる可能性がある例
次のような特別な事情がある場合は、一時扶助が認められることがあります。
- 火災や災害で衣類をすべて失った。
- 保護開始時に着る服が全くない。
- 長期入院・入所から退院・退所し、着る服が全くない。
- 心身の状態などにより計画的な家計管理ができず、最低生活に必要な被服さえない状態になっている。
まとめ
ただし、災害や保護開始時、長期入院・入所後の退院・退所などの特別な事情で、最低限必要な被服が全くない場合は、一時扶助が認められることがあります。
自然に古くなった被服類の買い替えは、原則として一時扶助の対象ではありません。
理由は、被服費は毎月の生活扶助(経常的最低生活費)に含まれており、その範囲で計画的に買い替えることが制度の考え方だからです。
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