(Q1)強度行動障害者に対する特別支援の手続きはどのように行われますか?(Q2)支援策を策定していた場合、その起算点や開始時期はいつからとなりますか?
(A1)強度行動障害のある方に対する「特別支援」は、単に施設側が「強度行動障害がある」と判断して開始するのではなく、状態の評価 → 支援体制の確認 → 個別の支援計画作成 → 計画に基づく支援 → 評価・見直しという流れで行うのが基本です。
障害児入所施設の「強度行動障害児特別支援加算」を例にすると、まず対象となる児童について、行動障害の程度を所定の基準で確認します。現在の報酬制度では、例えば児基準20点以上の児童が加算(Ⅰ)の対象となり、より状態が重い30点以上の場合には加算(Ⅱ)の対象となります。
そのうえで施設には、強度行動障害への支援を行える専門的な体制が求められます。具体的には、医師や心理担当職員等の配置に加え、強度行動障害支援者養成研修(実践研修)を修了した職員を配置し、その職員等が支援計画を作成して、計画に基づいた支援を実施することが重要です。また、居室を原則個室としたり、行動改善のために必要な設備を確保したりすることも要件となります。
手続きのイメージを簡単にすると、
① 強度行動障害の状態を評価する
→ ② 加算対象となる基準に該当するか確認する
→ ③ 必要な専門職・研修修了者を配置する
→ ④ 本人の行動の特徴や原因・きっかけを分析する
→ ⑤ 個別の支援計画を作成する
→ ⑥ 支援計画に基づいて特別な支援を実施する
→ ⑦ 支援内容や行動の変化を記録する
→ ⑧ 定期的に評価し、支援計画を見直す
という流れになります。
また、支援を施設だけで完結させるのではなく、児童相談所、相談支援事業所、医療機関、福祉事務所などの関係機関と連携することも重要です。従来の制度でも、対象者の判定について医学的・心理学的・社会学的・教育学的な観点から検討し、児童相談所等と密接に連携して特別支援を行うことが求められていました。
特に令和6年度報酬改定では、強度行動障害児への支援が拡充され、強度行動障害児特別支援加算(Ⅰ)は390単位/日、(Ⅱ)は781単位/日となり、さらに加算開始から90日以内については一定の場合に**+700単位/日**の評価が設けられています。
したがって、わかりやすく言えば、「対象者を判定して終わり」ではなく、その人がなぜその行動をするのかを専門的に分析し、研修を受けた職員が個別の支援計画を作り、関係機関と連携しながら計画的に支援し、その結果を記録・評価するところまでが一連の手続きと考えるとよいです。
なお、「強度行動障害者に対する特別支援」が障害児入所施設の強度行動障害児特別支援加算を指すのか、令和6年度から始まった**「集中的支援加算」**を指すのかによって手続きはかなり違います。厚生労働省は「状態の悪化した強度行動障害を有する児者への集中的支援」について、別途、申請手続の流れや様式を定めています。
必要であれば次に、**「強度行動障害児特別支援加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件・必要な職員配置・支援計画・90日加算を、実務向けに表で整理」**して説明します。
(A2)要支援児童加算(Ⅰ)については、「支援策を策定した日から○日間」というような起算期間が設けられている加算ではありません。
この加算は、要保護児童・要支援児童について、児童相談所などの関係機関との連携を図るために、会議を開催した、または関係機関が開催する会議に参加し、情報共有や連携調整を行ったことを評価するものです。算定は1月につき1回が限度で、1回150単位です。
したがって、たとえば入所前から児童相談所が支援策を策定していたとしても、その「支援策を策定した日」が要支援児童加算(Ⅰ)の起算日になるわけではありません。 実際に施設が関係機関との会議等を行い、情報共有・連携調整という算定要件を満たした月から算定を考えることになります。
また、令和6年度報酬改定Q&Aでは、入所支援計画を作成・変更する際の個別支援会議に関係機関が参加した場合でも、要件を満たせば算定可能と明確にされています。
たとえば、
4月1日:児童相談所が支援方針を策定
4月10日:児童が施設へ入所
4月20日:施設・児童相談所等で個別支援会議を開催し、情報共有・連携調整
→ 4月20日の会議について、4月分の要支援児童加算(Ⅰ)150単位を算定可能
という考え方になります。
ですので、ポイントは**「支援策を作った日」ではなく、「施設が関係機関との会議等により、実際に情報共有・連携調整を行った時点」**です。
なお、もし今回の「起算点」というご質問が、強度行動障害児特別支援加算の『開始から90日以内700単位』の起算点についてでしたら扱いが異なります。その場合は、改定前から算定していたケースも含めて起算日の考え方を詳しく説明できます。
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