(Q)転居指導を行っていた被保護者から、定期建物賃貸借契約の物件の提示があり、床面積や家賃が基準額の範囲内だった場合、どのように取り扱ったらよいですか?
(A)この場合、床面積や家賃が住宅扶助の基準内だからという理由だけで、直ちにその定期建物賃貸借契約の物件への転居を認めるのではなく、まず「普通建物賃貸借契約の物件がないか」を確認するよう助言・指導するのが基本です。
厚生労働省は、定期建物賃貸借契約について、普通の賃貸借契約と違い、契約期間が満了すると、貸主・借主双方が再契約に合意しない限り契約が終了するため、再び転居が必要になる可能性があると説明しています。これは生活基盤の安定を損ない、被保護者の自立を妨げる要因になり得るためです。
そのため、転居指導を受けている被保護者から「家賃も床面積も基準内の定期借家物件を見つけました」と提示された場合には、福祉事務所はまず、同程度の条件で普通建物賃貸借契約の物件を確保できないか確認するよう助言・指導することになります。
ただし、定期借家だから絶対に認められないわけではありません。 周辺に普通借家の物件がない、本人の条件では普通借家への入居が非常に困難であるなど、福祉事務所が「この定期建物賃貸借契約の物件に居住せざるを得ない」と判断した場合には、転居を認め、敷金等を住宅扶助として認定することもあり得ます。
たとえば、家賃45,000円・床面積25㎡で基準内だとしても、契約期間が「1年間の定期借家」であれば、1年後に再契約できず、再び敷金・引越費用を必要とする可能性があります。そのため福祉事務所としては、契約期間、再契約の可能性、周辺の普通借家物件の有無、本人が他の物件へ入居できる可能性、再転居が必要になった場合の負担などを確認して判断することになります。
なお、転居指導に基づく転居で敷金等を支給する場合には、局長通知第7の4(1)カおよび課長通知第7問30の要件も満たす必要があります。局長通知では、一定の場合、住宅扶助の特別基準額の3倍の範囲内で必要な敷金等を認定できるとされています。
したがって、わかりやすくまとめると、**「家賃・床面積が基準内でも、定期借家は契約終了後に再転居となるリスクがあるため、まず普通借家の物件を探すよう助言する。ただし、普通借家を確保できず定期借家に入居せざるを得ない事情がある場合は、敷金等の支給も含めて個別に認めることができる。ただし、その判断は慎重に行う」**という取扱いです。
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